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Miseducation: Inequality, Education and the Working Classes(ミスエデュケーション:不平等、教育、労働者階級) cover

教育学

教育学

Miseducation: Inequality, Education and the Working Classes(ミスエデュケーション:不平等、教育、労働者階級)

Diane Reay

英語原題: Miseducation: Inequality, Education and the Working Classes

労働者階級の家庭に育ったケンブリッジの社会学者による、イングランドの教育制度が労働者階級の子どもをどう扱っているかについての短い社会学的考察。子どもや若者へのインタビューをもとに、学校教育は階級間の分断を縮めるどころか深めていると論じる。第2版では他国の制度からの教訓と改革への提言が加わった。

前提知識: 不要。学生だけでなく一般読者にも向けて書かれている。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
sociology of educationsocial classeducational inequalityeducation policysocial mobility

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Reay, D. (2025). Miseducation: Inequality, Education and the Working Classes (2nd ed.). Policy Press.

章の要約

第二版は2025年4月に「21st Century Standpoints」シリーズの一冊として刊行され、304ページである。FORUM 誌(2025年)の書評は、序論と結論のあいだに八つの章があると記している。出版社は、著者のそれまでのベストセラーを大幅に改訂・更新したものだと説明している。

著者とアプローチ

Diane Reay は労働者階級の炭鉱の町に育ち、20年間、都市中心部の小学校教師を務めた。現在はケンブリッジ大学教育学の名誉教授で、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの社会学客員教授でもあり、小学校、中等学校、義務教育後の段階にわたる社会階級、ジェンダー、民族の研究を行っている。本書は労働者階級の子どもや若者への大規模なインタビューに基づき、制度から最も十分な恩恵を受けていない人々が学校教育をどう経験しているかを、その語りによって示す。短く直接的な社会学的議論であり、学生だけでなく一般読者も対象としている。

階級と排除

出版社が最初に挙げる論点は、教育は公平な出発点をつくるはずなのに、多くの労働者階級の子どもにとってはむしろ格差を深めるということである。不利な背景をもつ生徒は、より裕福な同年代の生徒と比べて学校から排除される可能性が四倍近く高いという知見が引かれ、多くの生徒が規律をますます重視する環境のなかで苦闘していると述べられる。

階級的アイデンティティ、社会移動、根強い不平等

本書は、階級的アイデンティティ、社会移動、根強い不平等が教育の成果をどう形づくるかを批判的に検討する。なぜ社会階級ごとに教育がこれほど異なるのかを問い、学校を通じた上昇移動という考えが労働者階級の生徒にとって何を意味するかを考察する。

統制、規律、政策

もう一つの筋は、イギリスの学校で統制と規律がますます強調されていることである。本書はまた、アカデミー(academies)などの政策が労働者階級の生徒に与えた影響をたどり、教室での経験をそれを形づくる国の政策と結びつける。

第二版の新しい内容

新版には、世界各地の教育制度から教訓を引き出す章と、すべての子どもの可能性を支える制度をつくるための提言を示す章が加わった。これらの追加により、議論はイングランドの制度への批判にとどまらないものになっている。

主要概念

議論

  • 階級と学校教育:不利を和らげるはずの教育制度が、むしろ階級間の分断を深める傾向があると本書は主張する。
  • 社会移動:教育を通じた上昇移動が批判的に検討され、その約束がもたらすものが労働者階級の若者の経験と突き合わされる。
  • 排除と規律:学校からの排除の不均等な運用と、行動指導を重視する政策は、同じパターンの一部として扱われる。
  • アカデミーと政策:アカデミーのような構造改革が労働者階級の子どもに与える影響を追う。
  • 他の制度からの教訓:他国の教育制度が、変革の着想の源として用いられる。

批判的分析

長所

  • 当事者に近い声。 著者は労働者階級に育ち、学校で教えた経験をもつ社会学者として書いており、若者へのインタビューを論拠とするため、議論は学校教育がどう経験されているかについての直接の証拠に根ざしている。
  • 短く読みやすい。 出版社は、教育と社会的公正に関心のある人にとって示唆に富む読み物だと述べており、304ページという分量とシリーズ内の位置づけは、階級と教育の社会学への手頃な入門となっている。
  • 新しい内容。 2025年版は大幅に改訂され、規律中心の学校教育やアカデミーといった最近の展開を扱い、比較の材料と提言を加えている。
  • 批判から提言へ。 終盤の章が異なる制度のあり方を示すため、批判だけでなく政策議論にも役立つ。

短所

  • イングランドとイギリスに焦点。 分析はイングランドの制度とその政策史を中心とするため、他の地域の読者は自国の文脈に引き寄せて読む必要がある。他国についての新しい章は比較を与えるが、一章にとどまる。
  • 立場の明確な議論。 本書は明確な立場からの批判であり、より中立的な教科書や、異なる見方をとる政策分析と比べて読むべきである。
  • 理論書ではない。 一般読者と学生に向けて書かれているため、教育社会学の理論的道具立てを十分に得る場ではない。

コースにおける位置づけ

Reay の本は、教育政策・教育社会学の書目のなかで短く読みやすい入口であり、出発点に向く。Stephen Ball の The Education Debate は自然な併読書で、政策分析の概念を説明し、歴代のイングランド政府が学校教育をどう作り替えてきたかをたどって、Reay が述べる展開の政策的背景を与える。Ballantine、Stuber、Everitt の The Sociology of Education: A Systematic Analysis は概説書で、より広い社会学的枠組みと、人種・階級・ジェンダーへの目配りを提供する。

Bourdieu と Passeron の Reproduction in Education, Society and Culture は、学校教育が階級関係をどう再生産するかについての古典的理論を示し、難度は高いが得るものの多い次の一冊となる。Rizvi と Lingard の Globalizing Education Policy は国の政策をグローバルな枠組みに置き、Diane Ravitch の The Death and Life of the Great American School System はアメリカのテストと学校選択の改革を批判しており、Reay のイングランドの叙述と並べて読める。

本書の使い方

予備知識は不要である。学部低学年の学生、教師や教職課程の学生、学校管理者、政策担当者、教育格差に関心のある一般読者に向く。

読み方の例:

  • 教育社会学や教育政策の授業で最初に読む。 理論に進む前に、階級と学校教育の具体的なイメージをつかむ。
  • Ball と組み合わせる。 政策史は Ball、より広い社会学的枠組みは Ballantine らで補う。
  • 具体例に慣れたら Bourdieu と Passeron へ。 述べられたパターンの背後にある理論を知る。
  • 提言と国際比較の章をゼミの議論の題材にする。 どの提言が実現可能か、他の制度の経験から何が言えるかを話し合う。
  • 版に注意する。 2025年の第二版には新しい章があるため、引用や頁数は初版と異なる。