01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
March, J. G., & Simon, H. A. (1993). Organizations (2nd ed.). Wiley-Blackwell.
章の要約
第2版は7章からなり、短いあとがき、長い文献表、「変数の番号索引」が付く。巻頭にはこの版のために書かれた序論がある。各章は番号付きの短い節に分かれ、結論で終わるので、目次から全体を見渡しやすい。本書は冒頭で目的を述べている。公式組織の理論を扱い、既存の仮説を検証可能な形に言い直すこと、そして著者から見れば同じことをさまざまな語彙で繰り返している文献に共通の言語を作ることである。
第1章:組織行動
冒頭の章では、公式組織が社会制度としてなぜ重要かを説明し、組織論の文献を概観する。続いて本書の構成を示す。組織行動についての命題は人間に関する想定の上に成り立っており、著者はそれを三つに分類する。第一は、構成員を受動的な道具とみなし、課業を遂行し指示を受け入れる存在とする想定である。第二は、構成員が態度、価値、目標を持ち込むため、参加するには動機づけや誘因が必要だとする想定である。第三は、構成員を意思決定者・問題解決者とみなし、知覚と思考が中心になるとする想定である。章の最後は「命題の種類」と「心理学上のいくつかの公準」で閉じられる。
第2章:「古典的」組織論
この章は、テイラーの科学的管理と部門化の理論、続いて古典的管理科学の操作上・経験上の問題を検討する。これは、より古い、道具を中心とした組織観についての本書の説明である。
第3章:動機づけの制約:組織内部の意思決定
影響過程、官僚制の理論、満足と生産性、生産への動機づけを扱う節は、組織内部の影響と生産への動機づけを論じる。動機づけの制約を扱う二つの章の最初である。
第4章:動機づけの制約:参加の決定
この章は組織均衡の理論を軸にしている。参加者は誰か、参加基準、従業員の参加の一般モデル、組織を離れることの望ましさと容易さの知覚に影響する要因である。さらに、分析は他の参加者へ、また日和見主義と組織の存続へと広げられる。
第5章:組織における対立
最初に個人の対立、次に組織の対立、すなわち組織内の個人間の対立と集団間の対立が扱われる。続いて、対立に対する組織の反応と、組織間の対立が論じられる。
第6章:合理性の認知的限界
この章は、合理性の概念、業績プログラム、知覚と同一視、分業、コミュニケーション、そして組織構造と合理性の限界の関係を扱う。本書の最もよく知られた概念は、合理性の限界を論じるこの章と結びついている。
第7章:組織における計画と革新
最後の章は、発議の概念、革新の過程と機会、プログラムの精緻化、組織の階層と革新、計画の過程を扱う。
主要概念
第1〜2章
- 三種類の想定:構成員を受動的な道具、態度と目標を持つ存在、意思決定者とみなす見方。
- 命題:組織行動についての主張で、検証できる形に言い直されたもの。
- 古典的組織論:科学的管理と部門化の理論。
第3〜5章
- 誘因と貢献:組織均衡の理論と参加の決定の背後にあるバランス。
- 参加基準:人が組織にとどまるかどうかを判断する基準。
- 対立:個人間、集団間、組織間のもの。
第6〜7章
- 限定合理性:合理的選択の認知的限界。
- 業績プログラム:業績がどのように組織されるかを定めるプログラム。
- 発議、革新、計画:組織が変化を始める仕方。
批判的分析
長所
- **体系的な構成。**各章は番号付きの短い節に分かれて結論を持ち、巻末には変数の番号索引があるため、通読するだけでなく参照書としても使える。
- **明示された方法。**著者は、仮説を検証可能な形に言い直し、変数の操作的定義に注意を払うことを目標に掲げており、各章は証拠で検討できる命題を中心に構成されている。
- **文献の幅広さ。**第1章は、社会学者、社会心理学者、政治学者、経済学者が組織論に寄与してきたことを挙げ、本書はそれらを共通の言語のもとにまとめている。
- **位置づけ。**出版社は本書を組織管理の古典と紹介し、限定合理性、満足化、誘因と貢献のバランス、注意の焦点化、不確実性の吸収を主題として挙げている。
短所
- **文献が古い。**第2版は序論とあとがきを加えたものだが、各章が依拠する文献は20世紀半ばにさかのぼり(第1章は1954年のハンドブックを引く)、その後の研究は各章の本文には含まれない。
- **命題形式。**変数の番号索引があることは、本書が変数に関する番号付きの命題を軸に構成されていることを示している。これは素早く読むよりも精読に向いている。
- **入門書ではない。**教科書のように分野を概観するものではなく、組織行動論の授業を受けていない学生には議論の背景が不足する。
コースにおける位置づけ
このコースの図書のうち、Robbins と Judge の『Organizational Behavior』、Buchanan と Huczynski の『Organizational Behaviour』、Mullins と Rees の『Management and Organisational Behaviour』は、個人、集団、組織を概観する入門的な教科書である。March と Simon は別の種類の本で、意思決定を基礎にした統合的な枠組みであり、教科書が現代的な形で示す考え方の源泉でもある。入門書のいずれかを読んだ後に読むのがよい。
Miner の『Organizational Behavior 1』は、動機づけとリーダーシップの個別の理論を一つずつ検討するもので、二冊は補い合う。Miner は個々の理論を証拠に照らして検証し、March と Simon はより早い時期のより広い枠組みを示す。Hatch の『Organizations: A Very Short Introduction』は短い案内で、本書の問いがより広い分野のどこに位置するかを知るために先に読むことができる。
本書の使い方
組織行動論の教科書を読み終え、この分野の古典に当たりたい学生、つまり経営学、組織心理学、社会学、行政学の大学院生と上級生に向いている。
- **第1章を丁寧に読む。**三種類の想定と本書の目的が説明されており、その枠組みを頭に置くと残りが理解しやすくなる。
- **中核:**第3、4、6章には、参加の決定と合理性の認知的限界という、本書と最も結びつきの強い考えが含まれる。
- 第2、5、7章は選択的に読んでよい。第2章は古典理論の背景、第5章は対立、第7章は計画と革新である。
- **ペース。**一度に一章ずつゆっくり読み、各節の結論を確認点とし、後の研究が同じ主題をどう発展させたかを見るために現代の教科書を手元に置く。
