01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Miner, J. B. (2005). Organizational Behavior 1: Essential Theories of Motivation and Leadership. M.E. Sharpe (現在は Routledge が掲載).
章の要約
本書は19章で、3部から成る。科学的序論、動機づけに関する9章、リーダーシップに関する8章である。出版社の説明によれば、各理論の章は共通の構成をとる。理論家の経歴、その理論が生まれた文脈、最初の理論的定式化とその後の定式化、理論の提唱者や他の研究者による研究(メタ分析やレビューを含む)、そして実際的な応用である。各章の冒頭には、その理論を要約した囲み記事も置かれている。
第1部:科学的序論(第1〜2章)
**第1章「科学とその理論」と第2章「研究の遂行と知識の発展」**は、科学的方法と知識の発展を扱う二つの序論の章である。主題は、この分野の理論構築に科学的方法がどう適用されるかである。
第2部:動機づけの理論(第3〜11章)
**第3章「社会心理学とパーソナリティ理論から」**は、社会心理学とパーソナリティ理論の貢献から動機づけの部を始める。
第4〜6章は、名前のついた三つの理論、達成動機理論、動機づけ・衛生理論、職務特性理論を扱う。
第7〜9章は、期待理論、オペラント行動と組織行動変容、公平理論を扱う。
**第10章「目標設定理論」と第11章「帰属理論:成績の悪い部下に対する管理者の認知」**で動機づけの部が終わる。後者は、題名が理論を特定の管理場面と結びつけている唯一の章である。
第3部:リーダーシップの理論(第12〜19章)
**第12章「規範的意思決定過程理論」と第13章「リーダーシップのコンティンジェンシー理論」**でリーダーシップの部が始まる。
**第14章「垂直的二者連鎖とリーダー・メンバー交換理論」と第15章「リーダーシップの情報処理理論」**は、リーダーとメンバーの関係と、情報処理というアプローチへと進む。
**第16章「リーダーシップの代替」と第17章「役割動機理論」**がこれに続く。
**第18章「カリスマ的リーダーシップ理論」と第19章「変革型リーダーシップ理論」**で本書は終わる。
主要概念
第1部
- 理論と科学的方法:組織行動論の理論が健全かどうかを判断する基準。
- 知識の発展:この分野の研究がどのように蓄積され、検討されるか。
第2部
- 達成動機、動機づけ・衛生、職務特性:続く章でそれぞれ扱われる、名前のついた三つの理論。
- 期待、オペラント行動、公平:さらに三つの名前のついた理論で、二番目は組織における行動変容を扱う。
- 目標設定と帰属:動機づけの理論としての目標設定と、成績の悪い部下に対する管理者の認知に適用された帰属理論。
第3部
- 意思決定過程理論とコンティンジェンシー理論:リーダーシップの部の最初の二章。
- リーダー・メンバー関係と情報処理:リーダーシップを関係として、また認知過程として捉える。
- 役割動機、リーダーシップの代替、カリスマ的・変革型リーダーシップ:残りのリーダーシップ理論。
批判的分析
長所
- **統一された章の構成。**各理論の章が同じ構成をとるため、本書は参照書として使える。理論の起源、その後の展開、研究の蓄積、応用を、予測できる位置で見つけられる。
- **囲みの要約。**各章冒頭の要約により、素早い復習や、詳しい議論に入る前の下読みができる。
- **記述より証拠。**出版社は、メタ分析やレビューを含む各理論の研究を強調しており、理論をただ学ぶだけでなく評価したい読者に向いている。
- **科学的な枠組み。**冒頭の二章が科学と理論を扱うことで、残りの17章を読むための基準が与えられる。
- **評価。**Routledge のページは『Academy of Management Review』の評言を引用し、本書を「組織行動理論の最先端」と呼んでいる。
短所
- **取り上げる範囲が選択的。**本書が扱うのは動機づけ理論9つとリーダーシップ理論8つで、集団、文化、組織設計といった他の主題は目次にない。書名の「1」も、より大きな著作の第1巻であることを示している。
- **理論中心。**出版社の説明では、これは基礎的な理論の再検討と分析であり、実践的な手引きではない。経営上の助言を求める読者は得られない。
- **証拠が古い。**2005年の刊行であるため、その後の動機づけとリーダーシップの研究は反映されていない。
コースにおける位置づけ
このコースは、組織行動論を概観する教科書を何冊か挙げている。Robbins と Judge の『Organizational Behavior』は、個人から集団、組織のシステムへと進む標準的な入門書である。Buchanan と Huczynski の『Organizational Behaviour』は、英国・欧州の視点から書かれた、研究に基づく批判的で幅広い入門書である。Mullins と Rees の『Management and Organisational Behaviour』は、この分野を経営実践と結びつけている。Miner の本はそのどれよりも範囲が狭く、掘り下げが深い。扱うのは動機づけとリーダーシップだけで、各理論の証拠を吟味する。
ほかの二冊は歴史的・概念的な深みを加える。March と Simon の『Organizations』は、意思決定を軸にしたより早い時期の統合的な枠組みであり、Hatch の『Organizations: A Very Short Introduction』は、研究者が組織をどう研究するかを短くまとめた概観である。Miner は入門書のいずれかの後に読むとよい。古典的な枠組みが動機づけとリーダーシップの個別の理論とどう関係するかを見たいなら、March と Simon と並べて読むとよい。
本書の使い方
出版社によれば、本書は組織行動論および産業・組織心理学の大学院課程を対象としており、博士課程・修士課程の学生、演習の担当者、動機づけやリーダーシップについて卒業論文を書く上級生に向いている。組織行動論の履修経験と研究方法の基礎知識があると役に立つ。
- **第1部から始める。**第1章と第2章は、全体で用いられる基準を示すので、最初に読む。
- **主題で選ぶ。**第2部と第3部は独立した理論の章でできているので、授業や論文に合うものを読めばよく、17章すべてを順番に読む必要はない。
- **囲みの要約を第一段階として使い、**次に詳しい議論と参考文献を読み、その章が引用する原論文へ進む。
- **理論を比較する。**同じ部から二つの理論、たとえば期待理論と公平理論、あるいはコンティンジェンシー理論とカリスマ的リーダーシップ理論を選び、各章がそれぞれにどんな証拠を報告しているかを比べるとよい練習になる。
