01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Hodder, I., & Hutson, S. (2003). Reading the Past: Current Approaches to Interpretation in Archaeology (3rd ed.). Cambridge University Press.
章の要約
本書は10章と、約36ページの参考文献、索引から成る。1986年に初版が出て1991年に改訂され、この第3版で大幅に作り直された。序文によれば、以前の本文は考古学の現代の理論状況を十分に論じていなかったため、著者たちはいくつかの章を削除し、新しい章を加え、他の章を全面的に書き直した。カバーの紹介文は、まったく新しい章が二つ加わったと付け加えている。以下は目次、節の見出し、三つの序文に基づく。
第1章:問題(The Problem)
文化的意味と文脈、個人と行為者、歴史的文脈の各節。冒頭の章は本書全体の立場を示すもので、第3版の序文はそれを「意味、行為主体性、歴史への取り組み」と述べている。
第2章:プロセス主義とシステム論的アプローチ(Processual and Systems Approaches)
唯物論的・システム論的な学派の概観。文化を物質的に理解すべきかという問い、行為主体性、歴史と時間、行動考古学、認知プロセス考古学(心の測定と予測)、新進化主義考古学と心。
第3章:構造主義、ポスト構造主義、記号論の考古学(Structuralist, Post-Structuralist and Semiotic Archaeologies)
形式分析と生成文法、構造主義的分析とその批判、ポスト構造主義、検証の問題、そして構造主義考古学の重要性を論じる結びの節。
第4章:マルクス主義とイデオロギー(Marxism and Ideology)
マルクス主義考古学、続いてイデオロギー、そしてイデオロギーと権力の問題。
第5章:行為主体性と実践(Agency and Practice)
実践と構造化、抵抗、そして行為主体性。この章は行為主体性を直接取り上げる。
第6章:身体化された考古学(Embodied Archaeology)
物質性と可塑性、身体の考古学から身体化(エンボディメント)への移行、身体の限界。
第7章:考古学と歴史(Archaeology and History)
長期持続の歴史、コリングウッドの節を含む歴史理論と方法、いくつかの例、そして結論と批判。
第8章:文脈的考古学(Contextual Archaeology)
最も長く、最も展開された章で、十の節見出しをもつ。意味と理解から出発し、考古学における意味、物質文化の読解と文脈を経て、類似と差異、変異の関連する次元、文脈の定義へ進み、説明と記述、批判的解釈学で終わる。
第9章:ポスト・プロセス考古学(Post-Processual Archaeology)
変異性と物質性、プロセスと構造、歴史的な意味内容(観念的なものと物質的なもの)、考古学と社会。
第10章:結論:考古学としての考古学(Conclusion: Archaeology as Archaeology)
解釈の検証、そして考古学とその独自の役割。この題は初版の序文に呼応している。序文は、考古学は「歴史的」でも「人類学的」でもなく、科学でも芸術ですらなく、「独立した人格」と独自の貢献をもつと述べていた。
主要概念
第1–3章
- 文化的意味と文脈:本書自身の立場の出発点(第1章)。
- プロセス主義とシステム論的アプローチ:解釈的考古学がそれに対して論を立てる学派(第2章)。
- 構造主義、ポスト構造主義、記号論:形式分析、生成文法、検証の問題(第3章)。
第4–7章
- イデオロギーと権力:第4章のマルクス主義の部分。
- 実践、構造化、抵抗、行為主体性:第5章。
- 身体化:身体の考古学から身体化への移行、第6章。
- 長期の歴史:第7章の歴史的アプローチ。
第8–10章
- 文脈的考古学と批判的解釈学:本書自身の提案で、第8章で展開される。
- ポスト・プロセス考古学:第9章。
- 解釈の検証:第10章の結びの論点。
批判的分析
長所
- 明確で、公に示された立場。 第3版の序文は、本書が意味・行為主体性・歴史に基づく「特定の視点から」理論を論じると明言しており、他のアプローチの検討が何を基準にしているかが読者に分かる。
- 幅広いアプローチの網羅。 十章のなかに、プロセス・システム考古学、構造主義と記号論、マルクス主義、行為主体性、身体化、歴史が含まれる。序文はさらに、ポスト構造主義、行為主体理論、新進化主義理論、現象学を追加された領域として挙げている。
- 想定する読者が明示されている。 序文は、本書が「つねにかなり雑多な読者を相手にしてきた」と述べ、この版は考古学・人類学の学部生向けに「比較的短く理解しやすい説明」として書き直されたが、同時に専門的な議論にも寄与し、世界各地の学生のための例を備えているという。
- 使いやすい参照の仕組み。 約36ページの参考文献があり、長めの章には詳細な節見出しがあって議論をたどりやすい。
短所
- 中立的な概説ではなく、一つの視点。 著者自身の説明では、本書は特定の立場から議論を検討しており、他のアプローチはそのレンズを通して提示される。学派ごとのバランスのとれた教科書を求める学生は、別の資料と併用するのがよい。
- 範囲の選択。 初版の序文は、生態学的または古経済学的なアプローチの扱いは限られていると述べている。そうした研究の大部分が本書の範囲外にあるためである。第3版でもそうかどうかは、前付けだけからは確認できない。
- 理論中心。 本書が扱うのは解釈と理論であり、野外調査の方法や科学的手法ではない。
- 背景知識を前提とする。 考古学理論または社会理論を一度学んでいることが妥当な前提条件であり、本書はプロセス考古学とその論争を既知の土台として論じる。
コースにおける位置づけ
一覧のなかの考古学の本のうち、本書は視点をもった理論書である。出発点は幅広い入門書である。Renfrew、Bahn、DeMarraisのArchaeology: Theories, Methods and Practice、DurraniとFaganのIn the Beginning、BahnのArchaeology: A Very Short Introduction。理論の学派の中立的な地図としては、JohnsonのArchaeological Theory: An Introductionが自然な相棒であり、TriggerのA History of Archaeological Thoughtは、ここで論じられるアプローチが現れた長い歴史的枠組みを与えてくれる。
したがってHodderとHutsonは、入門書一冊と理論の概説書一冊を読んだあとに読むのが最もよい。学生が選択肢の一覧ではなく、物質文化を読むある特定の方法についての議論を見る準備ができた段階である。
本書の使い方
すでにある程度の理論を学んだ考古学・人類学の学部生および大学院生向けである。よい順序は、第1章で著者の立場を読み、第2–4章はプロセス主義・構造主義・マルクス主義のアプローチの概観として流し読みし、時間の大半を第5–9章に使うことである。そこでは行為主体性、身体化、歴史、文脈、ポスト・プロセス考古学が展開される。第8章はゆっくり読む価値があり、自分の事例研究を傍らに置くとよい。最後に第10章に戻り、著者が解釈をどのように検証すべきと考えているかを確認する。
読みながら、各アプローチが意味・個人・時間をどう扱うかを比較する表を作り続け、参考文献を使って引用された原著に当たるとよい。
