01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Trigger, B. G. (2006). A History of Archaeological Thought (2nd ed.). Cambridge University Press.
章の要約
第2版は序文、10の章、文献解題、参考文献からなり、全体で約730ページである。出版社は、中世から現在に至る考古学思想の歴史を世界的な視野で初めて検討した1989年の原著を更新したものと紹介している。方法は、各アプローチを広い社会的・思想的背景の中に置き、考古学の潮流がどこまで考古学者自身の利害を反映していたかを問うことである。章の長さは大きく異なり、最終章の約20ページから、最長の100ページ超まである。
第2版への序文
なぜ新版が必要だったかを説明する。1989年以降、考古学史への関心は急に高まり、かつてこの主題を無関係とみなしたプロセス考古学者に代わって、文脈が解釈を形づくると認める人が増えている。
第1章:考古学史を研究する(Studying the History of Archaeology)
本書を動かす問題を示す冒頭の章。1950年代以降、考古学は一見自足していた文化史的正統から、理論上の革新と意見の対立へと移り、自らの研究が客観的でありうるかを疑う考古学者もいる。著者は、主観性、客観性、知識の蓄積を評価する手段として考古学思想史を提案する。
第2章:古典考古学とその他の文献に基づく考古学(Classical and Other Text-Based Archaeologies)
どのような条件が考古学を生み、どのような考古学が最初に現れるのかを問う章。物質文化を用いて過去を研究することに範囲を限り、文字記録と結びついた考古学から出発する。
第3章:文献を伴わない好古趣味(Antiquarianism without Texts)
文字記録が遅いか存在しない北ヨーロッパと中央ヨーロッパでの初期の考古学をたどる。古典考古学と先史考古学が共通の好古趣味からどう生まれたか、また歴史考古学者がなぜ人類史の大半を無視したかを説明する。
第4章:先史考古学の始まり(The Beginnings of Prehistoric Archaeology)
2つの動きを述べる。1つは、スカンディナヴィアで出土品の年代を定める方法が考案されたことで、クリスチャン・ユルゲンセン・トムセンに結びつく相対年代もそこに含まれる。もう1つは、のちのフランスとイギリスの旧石器時代研究で、人類史の時間的な深さを拡げ、ダーウィンの『種の起源』後の論争に加わった。
第5章:進化論的考古学(Evolutionary Archaeology)
1860年代以降、進化論的思考のもとで先史考古学と民族学が結びついたことを扱う。ヨーロッパでは単系的文化進化論を通じて、アメリカ合衆国では人類学のより広い範囲を通じて結びついた。
第6章:文化史的考古学(Culture-Historical Archaeology)
約100ページの最長の章で、地理的変異の認識を背景に19世紀後半に現れた文化史的考古学を論じる。このアプローチを、ナショナリズム、人種主義、民族性の重視と結びつけ、民族性への以前からの関心もたどる。
第7章:初期の機能・プロセス考古学(Early Functional-Processual Archaeology)
先史の文化がどう機能し変化したかを説明するには文化史的方法では不十分だと考えた考古学者をたどる。体系の各部分がどう組み合わさるかを調べる機能的方法と、体系がなぜ不可逆的に変化するかを問うプロセス的方法を区別する。
第8章:プロセス考古学とポスト・プロセス考古学(Processualism and Postprocessualism)
1960年代初めのアメリカのプロセス考古学者による文化史的考古学への攻撃と、のちに主にイギリスで提案されたポスト・プロセス的な代案を扱う。両者を、人類学における相次ぐ流行であり、有用だが部分的な答えを与えるものとして示す。最初の節は新進化論である。
第9章:実用的な総合(Pragmatic Synthesis)
考古学的解釈が現代の関心をなお反映している一方で、増え続けるデータが誤読への抵抗力を強めていると論じる。1990年以降の理論の多様化も扱う。
第10章:考古学の意義(The Relevance of Archaeology)
結論の章で、相対主義を含む理論上の課題を振り返り、考古学が社会科学や現代社会で果たしうる役割を論じる。
文献解題と参考文献
本書は文献解題と長い参考文献で終わり、あわせて最後の約130ページを占める。
主要概念
第1〜4章
- 相対主義と客観性:第1章の中心問題で、考古学的解釈が解釈者の社会的環境から独立でありうるか。
- 文献に基づく考古学と文献のない考古学:第2章と第3章の背景にある区別。
- 好古趣味:古典考古学と先史考古学がそこから生まれた、まだ分化していない過去への関心。
- 相対年代:第4章で紹介される、文字記録なしに編年を確立する技術。
第5〜8章
- 単系的文化進化論:第5章で考古学と民族学が結びついた背景にある信念。
- 文化史的考古学:考古学的文化と民族性を軸に組み立てられたアプローチ(第6章)。
- 機能的・プロセス的アプローチ:体系を内側から研究する(第7章)。
- プロセス考古学とポスト・プロセス考古学:第8章で対立する立場。
第9〜10章
- 実用的な総合:現在の多様なアプローチの併存を指す本書の呼び名。
- 相対主義の課題:最終章で再び取り上げられる主題。
批判的分析
長所
- 広い枠組みの問い。 第1章が、社会的文脈が考古学的解釈をどこまで形づくるかという全体の組織的な問題を与えるため、後の章はカタログではなく一貫した議論として読める。
- 世界的な視野。 出版社は原著を、中世から現在までの考古学思想を世界的視野で初めて扱った歴史と述べており、章は古典・文献に基づく考古学から、スカンディナヴィア、イギリス、フランス、アメリカ合衆国まで及ぶ。
- 公平な扱い。 出版社は刺激的で公平な扱いと評し、コリン・レンフルーは『ネイチャー』で原著を、考える考古学者なら誰もが書棚に置きたい書物だと評価した。
- 1989年以降の議論に合わせた更新。 第2版の序文は考古学史が下位分野として成長したことを論じ、第9章は1990年以降の理論の多様化を扱う。
短所
- 長さと密度。 約730ページで、各章は40〜100ページあり、読者の大きな労力と、長い議論を追う意欲を要する。
- 後半での西洋への偏り。 著者は、論じる社会的潮流が「少なくとも西洋では」中産階級の盛衰と関わると述べ、第1章は1950年代以降の理論的転換が特に北アメリカと西ヨーロッパで起きたものとして枠づけている。
- 単一の解釈上の命題。 本書は、考古学の潮流を主観的な影響と蓄積されるデータの相互作用で説明する。読者はこの命題を他の歴史書と照らして検討するとよい。
- 周辺部の古さ。 第2版は2006年刊であり、それ以降の理論的展開は扱われていない。
コースにおける位置づけ
この考古学のコースで、トリガーの本は歴史的・思想的な概観である。発掘、年代測定、分析の入門ではないので、最初の授業の後に読むのがよい。バーンの『Archaeology: A Very Short Introduction』と、レンフルー、バーン、デマレイスの『Archaeology: Theories, Methods and Practice』は考古学者がどのように仕事をするかを説明し、ドゥッラーニとフェイガンの『In the Beginning』は、方法とアプローチを世界的な視野から述べる、長く読まれてきた入門教科書である。
理論については、ジョンソンの『Archaeological Theory: An Introduction』が新考古学からポスト・プロセス以降までの主要な学派をたどり、第7〜9章のより短く新しい伴走書となる。ホッダーとハトソンの『Reading the Past』は、物質的遺物を意味あるものとして解釈することを論じる理論書で、トリガーがプロセス的立場とポスト・プロセス的立場として描く論争を扱う。
本書の使い方
入門的な考古学の授業を受け、学問のアプローチがなぜ生まれたかを知りたい学部上級生と大学院生に向く。技術的な前提条件は示されていないが、基本的な考古学用語と時代区分に慣れていると役立つ。
実践的な読み方:
- 中核: 議論をつかむ第1章。現在の理論を理解することが目的なら第6〜9章。
- 歴史的背景: 考古学の起源と進化論的思想との初期の結びつきを知る第2〜5章。
- 結論: 考古学の課題と役割についての本書の見方を示す第10章。
- 参考: 文献解題は、各時期についてさらに読む文献を探すのに役立つ。
より短い理論書と併読し、各学派について、それが答えた問い、トリガーがそれに結びつける社会的背景、後の批判者が退けた点を記録するとよい。
