01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Lewin, R., & Foley, R. A. (2003). Principles of Human Evolution (2nd ed.). Blackwell Publishing.
章の要約
第2版は三つの部に分かれた19章から成る。序文によれば、本書はこの版で再構成され、「年代順ではなく問題別に」、行動・適応・解剖学を統合して論じるようになった。以下の要約は、目次の章題と節の見出し、および序文が述べる目的に基づく。
第1部:人類進化の枠組み(第1–7章)
第1部は本書の残りの部分のための道具箱である。序文は、著者たちが学生に具体的な問題を「一般的な進化モデルによって」考えるよう促したいと述べており、第1部は化石に触れる前にそのモデルを提供する。
- 第1章:進化論的視点の成長(The Growth of the Evolutionary Perspective)。 「自然のなかの私たちの位置」、人間と類人猿を結びつけた歴史的な見方、「物語としての、また説明としての人類進化」の各節。章は、進化の連続性と人間の見かけ上の独自性との緊張から始まる。
- 第2章:進化理論の原理(The Principles of Evolutionary Theory)。 進化理論の基礎、続いて現代の進化理論、すなわちネオダーウィニズムの発展と自然選択の力。
- 第3章:進化におけるパターンとプロセス(Pattern and Process in Evolution)。 小進化から大進化まで、現代理論における論争、進化の物理的文脈、そして絶滅と進化のパターン。
- 第4章:地質学的文脈(The Geological Context)。 年代測定法と、章が「埋没の科学」と呼ぶもの。
- 第5章:系統分類学的文脈(The Systematic Context)。 系統分類学と分子系統分類学。
- 第6章:比較の観点からみた人類進化(Human Evolution in Comparative Perspective)。 霊長類の遺産と比較の視点、続いて身体・大きさ・形、そして身体・脳・エネルギー。
- 第7章:行動の復元(Reconstructing Behavior)。 身体・行動・社会構造、初期人類の行動の非ヒトモデル、顎と歯。
第2部:初期人類の進化(第8–13章)
第2部は、類人猿の祖先からヒト属までの化石記録と考古記録をたどる。
- 第8章:類人猿、人類、ヒト:形態・分子・化石(Apes, Hominins, and Humans: Morphology, Molecules, and Fossils)。 形態学的証拠と分子的証拠の対立の歴史、および人類起源の文脈としての狭鼻猿類の進化。
- 第9章:最初の人類を探して(Searching for the First Hominins)。 最古の人類と二足歩行。
- 第10章:類人猿的な人類(The Apelike Hominins)。 アウストラロピテクス類。
- 第11章:ヒト属の起源(Origins of Homo)。 ヒト属と人類相互の関係。
- 第12章:初期人類の行動と進化(Behavior and Evolution of Early Hominins)。 初期の道具技術と初期人類進化のパターン。
- 第13章:アフリカとその先:ヒト属の進化(Africa and Beyond: The Evolution of Homo)。 進化のパターン、新しい技術、そして「狩猟者か、腐肉あさりか」という問い。
第3部:後期人類の進化(第14–19章)
- 第14–16章:現生人類の起源(The Origin of Modern Humans)。 三つの章が三つの方向から現生人類の起源を扱う。背景と化石証拠(競合する仮説、年代学的証拠、地域連続性、ネアンデルタール人の位置)、遺伝学的証拠(分子進化遺伝学の影響と最近の進展)、そして考古学・行動・進化のプロセスで、最後は統合モデルの節で終わる。
- 第17章:脳・知性・文化の進化(Evolution of the Brain, Intelligence, and Culture)。 脳化と文化進化。
- 第18章:言語と象徴(Language and Symbolism)。 言語の進化と先史時代の芸術。
- 第19章:新世界、旧世界(New Worlds, Old Worlds)。 植民の完了、最初の村人たち、そして「人類進化の遺産」。
主要概念
第1部(第1–7章)
- 人間の独自性と連続性:第1章が提起する問題で、進化が連続的な過程であることを否定せずに、人間の際立った特徴をどう説明するか。
- ネオダーウィニズムと自然選択:第2章で展開される理論。
- 小進化と大進化、絶滅:第3章で検討されるパターンとプロセスの尺度。
- 年代測定法と系統分類学(分子系統分類学を含む):第4–5章の地質学的・分類学的な道具。
- 比較と行動の推論:身体、非ヒトモデル、顎と歯からの行動の復元(第6–7章)。
第2部(第8–13章)
- 二足歩行と最古の人類:第9章の主題。
- アウストラロピテクス類とヒト属:第10–11章。
- 初期の道具技術:第12章。狩猟者か腐肉あさりかという問いは第13章で提起される。
第3部(第14–19章)
- 現生人類の起源をめぐる競合する仮説:第14章で、年代学的証拠や地域連続性の証拠とともに示される。
- 脳化と文化進化:第17章。
- 言語と象徴:第18章。
批判的分析
長所
- まず理論、次に化石。 序文は、人類進化に関わるあらゆる分野を網羅する教科書は著者たちの手に余ると述べ、本書は代わりに「原理」を目標とし、理論と経験的データを等しく不可欠なものとして扱うよう学生に求める。どの人類も論じられる前に置かれた第1部の七つの章が、この立場に実質を与えている。
- 問題を軸にした構成。 序文によれば、第2版は年代順の構成を問題別の構成に改め、行動・適応・解剖学を統合し、生態学的・行動的進化への新たな重点を加えた。
- 学習の補助。 各章の末尾には科学的な論争を扱う「Beyond the Facts」のコラムがあり、欄外に要点と問いが示され、図には授業での参照のため番号が付けられ、付属のウェブサイトが学習資料とダウンロード可能な図版を提供する。
- 不確実性についての率直さ。 序文は、この分野の一部が「優れた推測にすぎない」ことを率直に述べ、この学問を歴史科学として提示している。
短所
- 包括的な概説ではない。 著者たちは、本書が原理への入門であり「足場」であることを明言し、参考文献を通じてより広い文献に読者を導いている。
- 出版年による古さ。 第2版は2003–2004年に出版された(著作権表示は2004年)ため、それ以降の発見や分析は含まれず、より新しい資料で補う必要がある。
- 主題が複数の章に分散している。 本書は時代ではなく問題で編成されているため、たとえばネアンデルタール人のような一つの集団に関心のある読者は、複数の箇所、とくに現生人類の起源を扱う第14章と第11–13章のヒト属の節に記述を見いだすことになり、素材をまとめるには索引が必要になる。
コースにおける位置づけ
生物人類学のコースでは、理論志向の中上級の二冊目にあたる。より穏やかな出発点は入門教科書である。Stanford、Allen、AntónのBiological Anthropology、LarsenのOur Origins、米国人類学会による無料のExplorations、そしてBernard Woodの短いHuman Evolution: A Very Short Introduction。いずれも本書が前提とする語彙を与えてくれる。
KleinのThe Human Careerは一覧のなかのもう一つの大型の専門書で、化石と考古学の証拠を密に引用しながら総合したもので、時代と遺跡ごとに編成されている。進化理論が証拠をどう枠づけるかを知るにはLewinとFoley、記録の詳細を知るにはKleinが適している。
本書の使い方
すでに入門科目を履修した学生向けに書かれている。序文は「ハードサイエンス」の背景をもち実験の確かさを恋しく思う読者に語りかけ、人類進化が観察・統計・推論に依存する歴史科学であることを説明している。
実際の読み方としては、第1部を一つのまとまりとして読んでから第2部に進む。ただし年代測定と系統分類学に慣れていれば第4–5章は流し読みでよい。欄外の問いで自分を試し、「Beyond the Facts」のコラムを短い論争として読み、第2部は化石記録の本と併用する。第14–16章は一つの問いを三つの方向から扱うので、まとめて読む。参考文献を使って一次論文へ進む。
