01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Klein, R. G. (2009). The Human Career: Human Biological and Cultural Origins (3rd ed.). University of Chicago Press.
章の要約
第3版は八つの章から成るが、その長さは大きく異なる。本文は約750ページで、その後に約180ページの参考文献と三種類の索引(参考文献索引、遺跡索引、事項索引)が続き、全体で989ページになる。1989年の初版は524ページとされており、分量はほぼ倍になった。出版社は本書を、人類進化の記述として「最初期の霊長類から、過去20万年以内の完全な現生人類の出現まで」をたどり、化石記録と考古学的記録の両方が得られる250万年にわたる期間を扱うものと説明している。以下の章の要約は目次と出版社の説明に基づき、ページ数は目次から取っている。
第1章:進化、分類、命名(Evolution, Classification, and Nomenclature)
短い導入の章(約18ページ)で、題は本書の残りの部分の概念的・命名上の背景、すなわち進化、分類、命名を指している。
第2章:地質学的時間枠(The Geologic Time Frame)
約45ページで、化石記録と考古学的記録が置かれる地質学的な枠組みを扱う。
第3章:霊長類という背景(The Primate Background)
約65ページで、人類の系統が現れてきた霊長類を扱う。この章は、出版社が出発点とする最初期の霊長類まで話をさかのぼらせる。
第4章:アウストラロピテクス類とホモ・ハビリス(The Australopiths and Homo habilis)
約150ページで、最も長い章の一つ。アウストラロピテクス類とホモ・ハビリス、すなわち目次に載る最初の人類のグループを扱う。
第5章:ヒト属の進化(Evolution of the Genus Homo)
約155ページをヒト属にあてる。
第6章:ネアンデルタール人とその同時代人(The Neanderthals and Their Contemporaries)
単独の章としては最大の約180ページで、ネアンデルタール人を同時代の他の人々とあわせて扱う。
第7章:解剖学的現生人類(Anatomically Modern Humans)
約110ページで解剖学的現生人類を扱う。出版社は、完全な現生人類がアフリカで生まれてそこから広がり、ヨーロッパではネアンデルタール人を、アジアでは同様に古い人々を置き換えたという証拠がますます増えていることを強調している。
第8章:総括:解剖、行動、現生人類の起源(Synopsis: Anatomy, Behavior, and Modern Human Origins)
30ページ近い結びの章で、解剖、行動、現生人類の起源に関する証拠をまとめる。その後に参考文献(753–933頁)と索引が続く。
主要概念
第1–3章
- 分類と命名:生物や化石のグループに名前をつける枠組み。
- 地質学的時間枠:記録の年代を決めるのに用いられる時間の尺度。
- 霊長類という背景:人類が生じてくる祖先。
第4–6章
- アウストラロピテクス類とホモ・ハビリス:第4章の初期の人類のグループ。
- ヒト属:第5章の主題。
- ネアンデルタール人とその同時代人:第6章。
第7–8章
- 解剖学的現生人類:第7章。
- 現生人類の起源:第8章での解剖と行動の総合。出版社によれば、そこでは形態と行動がともに進化したことが示される。
批判的分析
長所
- 化石と考古学の併用。 出版社は、両方の記録が存在する250万年にわたる期間をカバーしていること、また人類の形態と行動がともに進化したという主張を強調している。目次では、中間の章が人類のグループごとに組織されていることが分かる。
- 異なる見解の提示と、明確な自らの立場。 出版社によれば、Kleinは異なる見解の証拠を示しつつ、「自らの立場を明らかにすることをためらわない」。これは、この本が中立的なカタログではなく立場をもった総合であることを読者に示す。
- 充実した文献。 約180ページの参考文献と、別個の参考文献索引・遺跡索引・事項索引により、本書は文献や個々の遺跡の参照書として使える。
- この版で加わった読者向けの工夫。 第3版は多数の表、可読性を高めるための新しい引用方式、50点以上の新しい図版を加えた。
短所
- 分量。 989の通しページに前付け30ページを加えた分量は、通常の授業で通読するにはあまりに長く、読者は章を選ばなければならない。初版は約半分の長さだった。
- 版による古さ。 第3版は2009年に出ているため、その後の人類化石や遺伝学的記録の新しい発見や分析は、より新しい資料で補う必要がある。
- 濃密な記述。 出版社自身の説明は、人類進化の大きなパターンを支えるデータの種類を詳しく述べるというものである。このため本書は初心者よりも基礎をすでに知っている読者に向く。
- 単独の著者の立場。 Kleinは自らの見解(出版社の要約はアフリカ起源と古い集団の置き換えを強調している)を述べているので、学生はLewinとFoleyによる同じ論争の扱いなど、他の資料と比べるべきである。
コースにおける位置づけ
Kleinは、生物人類学の一覧のなかで参照書の規模をもつテキストである。入門書が先に来る。Stanford、Allen、AntónのBiological Anthropology、LarsenのOur Origins、無料のExplorations教科書、Bernard WoodのHuman Evolution: A Very Short Introductionは、それぞれこの分野の語彙と輪郭を与える。LewinとFoleyのPrinciples of Human Evolutionは、理論主導の別の選択肢である。進化理論と生態学理論から始まり(人類が登場する前に七章の枠組みがある)、Kleinは分類と地質学的時間から霊長類へ直行し、その後は記録を順にたどる。
したがって、二冊は補い合う。進化理論が問いをどう枠づけるかを知るにはLewinとFoley、遺跡ごと標本ごとに何が分かっているかを知るにはKleinである。
本書の使い方
生物人類学の入門科目を履修済みで、記録の詳細な総合を必要とする学生向けである。参照書としては、目次と遺跡索引・事項索引を使って人類のグループや地点を調べ、その参考文献をたどって一次文献に進む。
授業用には、第1章と、年代測定を説明する第2章の部分を読み、その後、第4–7章を順に、講義に合う部分を選びながら進める。第8章は証拠がどうまとめられているかを知る最良の単一の場所で、議論の案内として早めに読んでもよい。ネアンデルタール人と現生人類の章(第6章・第7章)は、LewinとFoleyのような理論主導の資料と併せて読む。
