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Medicine, Rationality and Experience: An Anthropological Perspective(医療・合理性・経験――人類学的視点) cover

人類学

人類学

Medicine, Rationality and Experience: An Anthropological Perspective(医療・合理性・経験――人類学的視点)

Byron J. Good

英語原題: Medicine, Rationality and Experience: An Anthropological Perspective

バイロン・グッドのルイス・ヘンリー・モーガン講義で、医学的知識と医療実践についての批判的・解釈的な説明。アメリカと中東の医療現場での調査に基づき、非西洋医療を単なる「信念」とみなす扱いに異を唱え、医師も治療者も独自の意味の世界に入り込むこと、そして語りと身体経験が苦しみを形づくることを示す。

前提知識: 医療人類学の入門授業を修了し、社会理論にある程度親しんでいることを前提とする。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Good, B. J. (1994). Medicine, Rationality and Experience: An Anthropological Perspective(ルイス・ヘンリー・モーガン講義、1990 年). Cambridge University Press.

章の要約

本書は、1990 年 3 月にロチェスター大学で行われたルイス・ヘンリー・モーガン講義をもとにし、序文にあるように、その後の二年間で大幅に改訂・増補されたものである。アンソニー・T・カーターによる序、序文、七つの章、注、参考文献、二つの索引からなり、約 240 ページである。出版社の説明では、生物医療はしばしば身体と病いの科学的な説明を与えるものとみなされ、非西洋や民間の体系は「信念」の体系として軽んじられる。グッドはアメリカと中東のいくつかの医療の場での研究に基づき、医学的知識と実践についての批判的な人類学的説明を示す。以下の要約は、公開されている各章の冒頭と出版社の紹介文に基づく。

第1章:医療人類学と信念の問題

冒頭の章は、講義にその名を冠するルイス・ヘンリー・モーガンから始まる。モーガンの学問はセネカ人のための活動と結びついており、親族を分析領域として切り開いた彼の仕事が直面した概念的問題は、グッドの見るところ医療人類学の問題と似ている。この章は題名にある問題、すなわち他の人々の医学的知識を信念として扱う習慣を取り上げる。

第2章:医療人類学における病いの表象――この分野を読む

この章は、医療人類学という分野が病いをどう表象してきたかを読み解く。冒頭では、マーカスとフィッシャーによる、総体化する理論への信頼の喪失が「表象の危機」を生んだという議論が取り上げられ、今では自民族中心的、植民地的、ジェンダー化された、あるいは人種主義的にも見える過去の表象について、この学問が抱く居心地の悪さが語られる。民族誌的表象への関心が、続くアプローチの検討の枠組みとなる。

第3章:医学はどのようにその対象を構築するか

この章は、医学がその対象をどう構築するかを、医学生の経験に基づいて検討する。冒頭は、ハーバードの二年生の医学生数人の会話で、そのうちの一人は医学部を「強いられた感情的経験」と述べ、遺体に触れ患者に接することで自分の考え方が変わっていくと語る。

第4章:記号論と医学的現実の研究

この章は記号論的な考え方を医学的現実の研究に持ち込む。エルンスト・カッシーラーの、象徴形式は「現実の器官」であり、何が現実として把握されうるかを形づくるという見方から始まる。

第5章:身体、病いの経験、生活世界――慢性の痛みの現象学的説明

慢性の痛みについての現象学的説明で、身体、病いの経験、生活世界を結びつける。この章は、物理的状態、意識の状態、思考の客観的内容を区別するカール・ポパーの「三つの世界」から始まる。

第6章:病いの語りによる表象

この章は、グッド夫妻が 1988 年にトルコで、てんかんの疫学研究の一部として行った調査に基づく。てんかん性の発作があるとされた人々とその家族に、発作、治療を求める努力、地域の反応、生活への影響など、病いの物語を語ってもらった。目的は、臨床ではなく地域の標本に基づく人類学的事例研究を作ることだった。出版社は、この章が病いの語りが身体的経験と結びついて苦しみを形づくり、それに応答する仕方を探ると述べている。

第7章:美学、合理性、医療人類学

最終章は先を見据える。グッドは、この本を美学の観点からの文化と病いの理論だと述べたことを思い出し、語りに関する文献の検討を除けば本書はほとんど美学を扱っていないと認め、語りや物語り、芸術の研究が、病いと癒しの比較研究にとって、一見してわかる以上のものを与えるかもしれないと示唆する。出版社は、道徳的・美学的な考慮は他の癒しと同様、日常の医療実践にもあると付け加えている。

主要概念

第1~2章

  • 信念の問題:非西洋や民間の医療を信念として扱い、生物医療だけを知識とみなす傾向。
  • 表象の危機:他者についての表象の適切さと政治性に対するこの学問の不安。

第3~5章

  • 医学的対象の構築:医学とその訓練が、研究し治療する対象をどのように作り出すか。
  • 「現実の器官」としての象徴形式:何が現実とされるかを記号が形づくるというカッシーラーの考え。
  • 生活世界と慢性の痛みの現象学:意味の世界のなかで身体が生きる病いの経験。

第6~7章

  • 病いの語り:苦しみと身体的経験が表され、意味づけられる物語。
  • 医療における美学と合理性:日常の医療実践の道徳的・美学的次元。

批判的分析

長所

  • 明確な中心的議論。 出版社は本書を、非西洋の医療を「信念」とする枠組みへの異議申し立てとして示し、その枠組みは生物医療と他の癒しの伝統との近縁性を覆い隠し、西洋の医療実践の多くの側面を見落とすと論じる。
  • 生物医療を人類学の対象にする。 第 3 章は医学生自身を検討し、人類学のまなざしを「他者」の体系だけでなく西洋医学にも向けている。
  • 現地調査に根ざす。 語りの章はトルコでの聞き取りに基づき、出版社もアメリカと中東のいくつかの医療の場での研究に言及している。
  • 自らの限界に率直。 最終章でグッドは、本書が美学をほとんど扱っていないことを認め、今後の仕事の出発点として位置づけている。

短所

  • 理論的な典拠の要求水準が高い。 各章はカッシーラー、ポパー、表象をめぐるこの分野の論争の検討から始まるので、社会理論の素養のない読者には議論が重く感じられるかもしれない。
  • 綱領的な結び。 最終章は、とくに美学について、本書自身が展開していない今後の方向を指し示している。
  • 参照文献が古い。 講義は 1990 年、刊行は 1994 年なので、その後のグローバルヘルス、バイオテクノロジー、デジタル医療についての研究は扱われていない。

コースにおける位置づけ

医療人類学のコースでは、グッドの本は理論的な野心が最も大きい。ジョラモンとスンダルの『Exploring Medical Anthropology』は主要な視点を公平に提示する簡潔な入門書であり、ワイリーとアレンの『Medical Anthropology: A Biocultural Approach』は生物学と文化を組み合わせた教科書で、どちらもグッドを読む前の出発点としてよい。ブラウンとクロッサーの『Understanding and Applying Medical Anthropology』は授業用のリーダーである。クラインマンの『病いの語り』は慢性疾患の患者の物語に基づいており、グッドの語りの章の自然な伴走書である。ロックとグエンの『An Anthropology of Biomedicine』は、医療技術が身体と社会をどう形づくるかの上級の分析で、文化的・社会的対象としての生物医療というその主題は、グッドの第 3 章と重なる。

よい順序は、入門書、次に病いの経験を知るためにクラインマン、それから哲学的・理論的枠組みのためにグッド、そして比較的新しい研究としてロックとグエンである。

本書の使い方

本書は、人類学の上級学部生と大学院生、そして病いの意味に関心のある医学、看護学、心理学、公衆衛生の学生に向いている。医療人類学の入門課程と、社会理論のある程度の素養が前提として妥当である。

まず序文を読み、次に第 1・2 章で議論とこの分野の検討を読む。第 3 章は医学の背景をもつ読者にとって最も入りやすい。第 4・5 章は理論的な中核であり、それらが依拠する記号論と現象学の典拠に注意しながらゆっくり読むとよい。語りについての第 6 章は単独でも、クラインマンとあわせても読める。第 7 章は短く、結論として働く。有益な練習は、「信念」として描かれる病いの説明の例を探し、グッドの議論ならそれをどう変えるかを考えること、そして第 6 章の概念を使って病いの語りの短い分析を書くことである。