01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Bourdieu, P., & Wacquant, L. J. D. (1992). An Invitation to Reflexive Sociology. University of Chicago Press.
章の要約
本書は約350ページで、性格の異なる三つの部からなる。ロイック・ヴァカンによる体系的な解説、ヴァカンとブルデューの対話、そしてブルデューが指導したセミナーの記録である。冒頭に二人それぞれの序文があり、末尾にヴァカンによる三つの付録、注、参考文献が置かれる。出版社は、本書の目的を、ブルデューの仕事の内的な論理への「解釈の鍵」を与える体系的で読みやすい概観だと説明している。
序文
ブルデューとヴァカンがそれぞれ序文を寄せている。出版社は、本書を、ブルデューの幅広い仕事についての単独の入門書を欠いていた英語圏の読者のためのものと位置づけている。
第I部 第1〜7章:Toward a Social Praxeology: The Structure and Logic of Bourdieu's Sociology(ロイック・J・D・ヴァカン)
ヴァカンは、ブルデューの知識、実践、社会の理論の構造を示す。7つの章の題は、"Beyond the Antinomy of Social Physics and Social Phenomenology"、"Classification Struggles and the Dialectic of Social and Mental Structures"、"Methodological Relationalism"、"The Fuzzy Logic of Practical Sense"、"Against Theoreticism and Methodologism: Total Social Science"、"Epistemic Reflexivity"、"Reason, Ethics, and Politics" である。題を追うと、社会物理学と社会現象学の対立から、分類闘争、関係論的方法、実践感覚を経て、認識論的再帰性と、理性・倫理・政治の問題へと進む。
第II部 第1〜7章:The Purpose of Reflexive Sociology (The Chicago Workshop)
この部はブルデューとヴァカンの対話である。出版社によれば、二人はブルデューの仕事の中心概念を論じ、これまで受けてきた主な反論と批判に向き合い、社会学と哲学、経済学、歴史、政治との関係についてのブルデューの見解を述べる。章は、"Sociology as Socioanalysis"、"The Unique and the Invariant"、"The Logic of Fields"、"Interest, Habitus, Rationality"、"Language, Gender, and Symbolic Violence"、"For a Realpolitik of Reason"、"The Personal is Social" である。
第III部 第1〜5章:The Practice of Reflexive Sociology (The Paris Workshop)
最後の部は、セミナー室でのブルデューを捉え、再帰的社会学という技芸をどう実践するかを論じる。章は、"Handing Down a Trade"、"Thinking Relationally"、"A Radical Doubt"、"Double Bind and Conversion"、"Participant Objectivation" である。出版社は、本書全体が方法に注意を払っていること、特に、ある探究領域から別の領域へ知識を移すことを可能にする、問題の立て方に注意を払っていることを強調している。
付録
ヴァカンが三つの付録を加えている。"How to Read Bourdieu"、雑誌 Actes de la recherche en sciences sociales からの論文選、そしてブルデューに関する最近の著作の選である。
主要概念
第I部
- 社会的プラクセオロジー:第I部の題にある語で、ブルデューの社会学の構造と論理を指す。
- 方法論的関係主義:第I部第3章に挙げられた原則。第III部で "Thinking Relationally" の題のもとに再び現れる。
- 実践感覚:第I部第4章 "The Fuzzy Logic of Practical Sense" の主題。
- 認識論的再帰性:第I部第6章の主題。出版社の言葉では、知的実践の理論を社会理論の不可欠な構成要素として含めること。
第II部・第III部
- 社会分析:第II部の最初の章が示す社会学の捉え方。
- 場:"The Logic of Fields" の主題。
- ハビトゥス、利害、合理性:第II部第4章でまとめて論じられる概念群。
- 象徴的暴力:第II部第5章で言語・ジェンダーとともに扱われる。
- 参与的客体化:第III部の最後の章の題。
批判的分析
長所
- 一冊の中の三つの語り方。 解説、対話、ワークショップによって、同じ仕事に三つの入口が与えられる。読者は第I部で理論の構造を学び、第II部で著者が反論に答えるのを聞き、第III部で方法が実際に使われるのを見ることができる。
- 批判に答える著者自身の声。 出版社は、ブルデュー自身が対話の中で、自分の仕事が受けてきた主な反論と批判に向き合うことを強調しており、これは二次的な入門書だけでは得られない。
- 参照のための補助。 ヴァカンの付録 "How to Read Bourdieu"、注、充実した参考文献が、その後の読書計画に役立つ。
- 書評の評価。 Charles Camicは Contemporary Sociology で、ブルデューの仕事の理解を深めたい人にとって「価値ある資料集」だと評した。Canadian Journal of Sociology の書評は、洗練され時に難解な社会学的探究へのアプローチを理解するための明快な媒介になると述べた。
短所
- 社会学入門ではない。 題名にもかかわらず、本書は一人の著者の仕事への入門である。社会学の最初の授業や古典理論の知識がない読者には、第I部の章題は難しい。
- 古い。 本書は1992年刊で、ブルデューの後期の著作やその後の二次文献は扱っていない。
- プログラムの内側からの提示。 本書はブルデューとの共著で、解説は協力者によるものであり、第II部の反論は二人の対話の中で提起され答えられている。独立した批判には別の文献が必要である。
コースにおける位置づけ
社会学入門のコースでは、これは最も専門的な本であり、一般的な教科書のあとに読むのがよい。Introduction to Sociology 3eとGiddensとSuttonの Sociology は学問分野への広い入門であり、BaumanとMayの Thinking Sociologically とC・ライト・ミルズの The Sociological Imagination は、社会学的に考えるとはどういうことかを述べた、より短く論争的な本である。ブルデューとヴァカンは、社会学者自身の立場が仕事にどう関わるかを問うことで、社会学者はどう考えるべきかという問いをさらに進める。
JoasとKnöblの Social Theory: Twenty Introductory Lectures は、ブルデューが活動した時期である第二次世界大戦以後の社会理論を概観しており、より広い文脈を与える。先に、あるいは並行して読むとよい。本書からブルデュー自身の著作へ進みたい読者は、付録 "How to Read Bourdieu" を使える。
本書の使い方
本書は、ブルデューへの体系的な道筋を求める上級の学部生、大学院生、研究者に向く。社会学入門の授業と古典理論への多少の親しみが役立つ準備であり、ブルデューを事前に読んでいる必要はない。
実際の読み方は次のとおり。
- 序文と第I部から始める。 7つの章はゆっくり読む。本書の残りで使われる語彙がここで示される。対話形式の第II部は別の種類の文章であり、もう一つの入口になりうる。
- 中心概念は第II部で読む。 場、ハビトゥス、利害、合理性、象徴的暴力が章題に現れ、シカゴ・ワークショップでは反論も論じられる。
- 研究計画を立てるなら、第III部を実践的な講義として使う。 関係的に考えること、根本的な疑い、参与的客体化の各章は、本書が方法に向かう箇所である。
- 付録で締めくくる。 次にブルデューのどの著作を読むかを選ぶのに使う。
