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知能の誕生 cover

心理学

心理学

知能の誕生

ジャン・ピアジェ

英語原題: La naissance de l'intelligence chez l'enfant

ピアジェが1936年に発表した認知発達に関する基礎研究。乳児期における知能の出現を感覚運動体験を通じて記録し、革命的な認知発達理論の基礎を確立した。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
認知発達児童心理学発達段階感覚運動知能構成主義

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Piaget, J. (1936). La naissance de l'intelligence chez l'enfant. English edition: The Origin of Intelligence in the Child (M. Cook, Trans.). Routledge.

章の要約

英語版は序論と6つの章からなり、各章はピアジェが乳児期の感覚運動的知能の発達をたどる6つの段階にそれぞれ対応する。章は二つの部に分けられている。出版社の説明によれば、本書で展開される主張は、特に感覚運動的シェマの形成と心的同化のメカニズムに関わる。

序論

目次の注記によれば、序論の章の別訳がDavid Rapaport編 Organization and Pathology of Thought(Columbia University Press, 1951)に収められており、その訳に付された脚注の解説はピアジェの思考への導入となり、本書の諸研究への導入としても役立つという。段階ごとの各章に入る前に方向づけを得たい読者は、ここから始めるとよい。

第1章:The First Stage(第1部:Elementary Sensorimotor Adaptations)

第1段階は新生児の反射に対応し、感覚運動期についての二次的な解説では生後およそ1か月間とされる。6つのうちの最初のものとして、この章は生得的な反射活動から出発する発達の系列を始める。

第2章:The Second Stage(第1部:Elementary Sensorimotor Adaptations)

第2段階は、通常、第一次循環反応の時期(およそ1〜4か月)として要約される。乳児は、最初は偶然に見つけた自分の身体を中心とした動作を繰り返す。第1章とあわせて、初歩的な感覚運動的適応を扱う部をなす。

第3章:The Third Stage(第2部:The Intentional Sensorimotor Adaptations)

第3段階は、通常、第二次循環反応の段階(およそ4〜8か月)として要約され、繰り返される動作が外界の対象を含み始める。第2部の題名は、第3〜第6段階の適応を意図的なものと位置づけている。

第4章:The Fourth Stage(第2部)

第4段階は、通常、第二次シェマの協応(およそ8〜12か月)として要約され、既に身につけた動作が目的への手段として組み合わされる。

第5章:The Fifth Stage(第2部)

第5段階は、通常、第三次循環反応の段階(およそ12〜18か月)として要約され、乳児は動作に変化を加えて新奇さを探り、目的のための新しい手段を見いだす。

第6章:The Sixth Stage(第2部)

第6段階は、通常、心的表象への移行(およそ18〜24か月)として要約される。感覚運動の系列を締めくくり、ピアジェが実在の構成や象徴の形成を扱う姉妹研究で論じる表象的思考へとつながる。

主要概念

序論と第1部

  • 感覚運動的シェマ:組織化された行為のパターン。出版社によれば、その形成は本書の二つの主要な主張の一つである。
  • 心的同化:新しい経験を既存のシェマに取り込むメカニズム。出版社の説明では二つ目の主張として挙げられている。
  • 反射活動:第1段階における、生得的な出発点。
  • 第一次循環反応:乳児自身の身体を中心とした動作の反復。二次的な解説では第2段階と結びつけられる。

第2部

  • 第二次循環反応:外界の対象に効果を生む動作の反復。第3段階に結びつけられる。
  • シェマの協応:既知の動作を手段と目的として組み合わせること。第4段階に結びつけられる。
  • 第三次循環反応:変化を加えた試行。第5段階に結びつけられる。
  • 意図的適応:第3〜6章をまとめる部の見出し。

批判的分析

長所

  • 明快な構成。 目次は6つの段階の系列を中心に、二つの部にまとめられており、本の構造が発達の順序に沿っている。読者は最初の章から最後の章まで一本の筋をたどることができる。
  • 広く教えられる説明の一次資料。 感覚運動期の諸段階は発達心理学の入門で標準的に扱われる内容であり、本書はそれについてピアジェ自身の扱いを読める場である。教科書の要約と彼の議論を区別するのに役立つ。
  • 絞られた範囲。 出版社は本書を、ピアジェ理論の全体ではなく、シェマの形成と同化のメカニズムに関わるものと説明しており、読む際の問いがはっきりしている。

短所

  • 初期の一次文献である。 本書は1936年のもので、現代の教科書から来る読者は、学生向けにまとめた要約ではなく、当時の語彙と文体を想定しておくべきである。
  • 後続研究の概観ではない。 1936年の一次文献であるため、段階説がその後どう検証され、修正され、批判されたかは示せない。その文脈は、Millerの Theories of Developmental Psychology やこのコースの教科書が補う。
  • 版が複数ある。 英語版は、ペンギンのペーパーバックやRoutledgeのSelected Works版など複数の出版社から出ており、ページ参照や題名の形も異なる。

コースにおける位置づけ

発達心理学のコースでは、本書は感覚運動期の原典であり、一般的な説明をすでに知っている読者向けである。Usha Goswamiの Child Psychology: A Very Short Introduction とOpenStaxの Lifespan Development は、子どもの思考と発達の広い概観を与え、ShafferとKippの Developmental Psychology: Childhood and Adolescence や、Siegler、Saffran、Gershoffの How Children Develop は、乳児期を他の多くの主題と並べて扱う標準的な長さの教科書である。まずそのどれかを読めば、ピアジェの6つの段階が意味をもつ枠組みが得られる。

Eriksonの Childhood and Society は別種の一次資料で、生涯にわたる心理社会的段階を扱う精神分析的な説明であり、ピアジェの認知への焦点との対比に役立つ。Patricia Millerの Theories of Developmental Psychology にはピアジェの認知段階理論と新ピアジェ派に当てた章があり、後の研究が何を変えたかを判断するための自然な併読書である。

本書の使い方

本書は、要約ではなく生後2年間についてのピアジェ自身の説明を読みたい上級の学部生、大学院生、その他の読者に向く。感覚運動段階の基本的な考え方を含む発達心理学の一般的な授業が有用な準備であり、それ以上の専門的な背景は必要ない。

実際の読み方は次のとおり。

  • 序論から始める。 後の章が前提とする知能と適応についての立場が示されている。目次に記された Rapaport の巻の解説も助けになる。
  • 6つの章を順に読む。 これは連続した一つの議論であり、各段階は直前の段階を前提とする。
  • 6段階の表を作りながら読む。 各段階について、特徴的な行動、関わるシェマ、同化がどう働くとされているかを書き込み、読了後に教科書の要約と比べる。
  • 現代の資料と併読する。 読み終えたら、Millerのピアジェの章で修正された主張を確かめ、発達心理学の教科書の乳児期の節を読む。
  • 版を確認する。 ページ参照や題名はRoutledge版とほかの英語版で異なるので、授業で指定された版を確かめる。