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Lifespan Development(生涯発達) cover

心理学

心理学

Lifespan Development(生涯発達)

Diana Riser; Rose Spielman; David Biek

英語原題: Lifespan Development

OpenStaxによる、無料でオープンライセンスの発達心理学入門教科書。受胎から死までの人間の発達をたどり、人生の各段階について身体・認知の変化と社会・情動の変化を分けて扱う。各テーマを発達理論と研究に基づいて説明し、多様な事例と応用を添える。

前提知識: 特になし。心理学入門を履修していると役立つが必須ではない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
developmental psychologylifespan developmentchild developmentadulthood and ageingopen textbook教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Riser, D., Spielman, R., & Biek, D. (2024). Lifespan Development. OpenStax. Free official edition: https://openstax.org/details/books/lifespan-development

章の要約

本書は17章からなる。導入の章と、遺伝と胎児期の章の後、各ライフステージを2章一組――身体・認知発達の章と社会・情動発達の章――で扱い、最後に死と臨終で終わる。各章は「What Does Psychology Say?(心理学は何と言うか)」という短い場面設定から始まる。

第1章:生涯発達心理学と発達理論

冒頭の章は生涯発達を定義し、古代ギリシャから児童研究運動を経る歴史をたどったうえで、繰り返し現れるテーマ――タイミング、連続性と非連続性、生まれと育ち、臨界期と敏感期――を示す。主要な理論的視点(精神力動・心理社会理論、行動主義、認知段階理論と社会文化理論、情報処理、生物学的・進化的アプローチ)、ブロンフェンブレンナーの生態学的システムモデルとその他の発達の文脈を概観し、研究法、研究デザイン(横断、縦断、系列)、倫理(タスキーギ梅毒研究のコラムを含む)で締めくくる。

第2章:遺伝、胎児期、周産期の健康

食事やカフェインを心配する妊婦の場面に続いて、この章は染色体、遺伝子、遺伝のパターン、遺伝性疾患、遺伝と環境の相互作用、生殖器系、受精と生殖補助医療(世界各地の不妊治療へのアクセスを含む)、胚盤胞期・胎芽期・胎児期と催奇形因子、出産、文化による出産習慣の違いと周産期の健康、そして育児休業を含む文脈の中の新生児を扱う。

第3章:乳児期・よちよち歩き期の身体・認知発達(誕生から3歳まで)

身体の成長、睡眠と安全な睡眠の習慣、栄養、脳の発達から乳児期を紹介する。続いて運動発達のマイルストーンとそれに影響する要因、視覚・聴覚・触覚の発達、乳児期の認知と記憶(ピアジェの感覚運動期と情報処理を含む)、初期の発声から初語、語の組み合わせに至る言語を追い、ベビーサインや乳児のコミュニケーションの支援といった話題について「It Depends」と「Life Hacks」のコラムを設ける。

第4章:乳児期・よちよち歩き期の社会・情動発達(誕生から3歳まで)

この章は、芽生えつつある自己感(鏡映像の自己認知)、気質と初期のパーソナリティ、エリクソンの最初の2段階、一次的・二次的・自己意識的な情動と情動調整、模倣や社会的参照、愛着を通じた社会性の発達、そして保育、家庭の所得、文化、メディアといった社会的文脈を検討する。コラムでは、赤ちゃんを抱き上げると甘やかすことになるのか、どの種類の保育が最もよいのかを問う。

第5章:幼児期の身体・認知発達(3〜6歳)

成長、栄養、睡眠、予防接種、安全から始まり、運動スキルと身体活動の指針(身体障害のある子どもを含む)が続く。認知はピアジェの前操作期とヴィゴツキーの社会文化理論、続いて心の理論と情報処理によって示され、言語発達とバイリンガリズム、遊びの形態と利点が扱われる。

第6章:幼児期の社会・情動発達(3〜6歳)

焦点は自発性、自己概念、自尊感情、自己調整であり、ニューロダイバースな子どもにも注意が向けられる。アイデンティティの節はジェンダー発達と民族・人種的アイデンティティを扱い、「肌の色を見ない」教育がなぜ問題なのかにも触れる。後半の節では養育スタイルと家族構造、仲間・遊び・友情、メディアへの接触とリテラシーを論じる。

第7章:児童期中期の身体・認知発達(7〜12歳)

ゆるやかになる身体の成長、運動スキル、睡眠、食事、健康上の懸念から児童期中期を紹介する。認知発達はピアジェの具体的操作、情報処理(記憶、注意、実行機能)、心の理論によって、知能は一般知能と多重知能、IQ検査によって説明され、学校という文脈、学習上の違い、言語も扱われる。コラムでは、新型コロナウイルス感染症による休校で学習がどれほど遅れたかを検討する。

第8章:児童期中期の社会・情動発達(7〜12歳)

この章は、エリクソンの勤勉性対劣等感、より複雑になる自己概念とアイデンティティ、情動知能、コーピング、道徳的推論、仲間内の地位、友情と攻撃(世界のいじめに関するコラムを含む)、家族とメディアの影響、学校と課外活動、非定型発達と介入を扱う。

第9章:青年期の身体・認知発達(12〜18歳)

身体の成長と、発達途上の前頭葉と大脳辺縁系から、思春期、性行動と性の健康(十代の妊娠とその予防を含む)へと進む。青年期の認知は形式的操作とそれに関連するアプローチを通じて論じられ、最後の節では意思決定とリスク行動を説明する。青年期の理想主義や、LGBTQ+の青年の思春期を支えることに関するコラムがある。

第10章:青年期の社会・情動発達(12〜18歳)

青年期の社会情動的発達の理論と、文化ごとの通過儀礼が、アイデンティティ探索の枠組みとなる。続いて、情動知能、自己調整、自己概念、自尊感情、身体像、人種・民族、ジェンダー、セクシュアリティとの関係におけるアイデンティティ、仲間関係、恋愛関係、ソーシャルメディア、そして家族と地域社会という文脈を扱う。

第11章:成人前期の身体・認知発達(18〜29歳)

アーネットの成人形成期の理論とマーシャのアイデンティティ・ステイタスが、成人への移行を記述する。続いて、身体的なピークと初期の健康リスク(物質使用、肥満、ストレス、睡眠)、セクシュアリティ、性的指向とジェンダー・アイデンティティ、ポスト形式的思考などの認知的変化、高等教育と仕事を論じる。DACA、STEM分野の格差、大学の費用、タイトルIXに関するコラムがある。

第12章:成人前期の社会・情動発達(18〜29歳)

成人前期の発達課題が、エリクソンの親密性対孤立、ヴァイラント、レビンソン、「クォーターライフ・クライシス」を通じて検討される。アイデンティティの発達は、インターセクショナリティ、民族・人種、ジェンダー、性、宗教のアイデンティティを含む文脈の中で考察される。章は、友人関係と家族関係、学校と職場、そして愛・親密さ・ロマンスを見つけることで締めくくられる。

第13章:成人中期の身体・認知発達(30〜59歳)

処理速度、感覚(老眼、老人性難聴)、身体の変化から始まり、生殖機能の変化、更年期と閉経、認知の変化(安定する能力と低下する能力、熟達)、健康と幸福の維持へと続く。フードデザート(食の砂漠)に関するコラムや、ホルモン補充療法の評価も含まれる。

第14章:成人中期の社会・情動発達(30〜59歳)

世代性、防衛機制、中年の危機という問い、パーソナリティの安定と変化が、中年期の自己の枠組みとなる。続いて、成人の愛着、愛と結婚(婚姻の平等と離婚を含む)、世帯と子育て、老親の介護と「サンドイッチ」世代の役割、そして充実した成人中期の条件を扱う。

第15章:老年期の身体・認知発達(60歳以降)

身体的老化の理論(ストレスホルモン、テロメア、フリーラジカル、消耗)、筋肉・骨・感覚・脳の変化、慢性疾患のリスクと精神的健康から老年期を紹介する。続いて、低下する認知能力(処理速度、流動性知能、作業記憶、エピソード記憶)と安定している能力を区別し、認知症とアルツハイマー病を説明し、身体的・認知的に良好な老化で締めくくる。

第16章:老年期の社会・情動発達(60歳以降)

この章は、老化についての文化的な見方とステレオタイプ、エイジズム、エリクソンの統合対絶望、パーソナリティと情動の変化、家族・友人・恋愛関係と社会的支援、退職の計画と活動(国際比較を含む)、住まいの形態と長期ケア、そして社会的・情動的に良好な老化を考察する。

第17章:死、臨終、悲嘆

最終章は、死の生物学的・心理的・社会的側面、死に至る経過、平均余命、文化による見方(脳死、安楽死、臓器提供を含み、ナイジェリアに関するコラムがある)、病院・自宅・ホスピスでの終末期ケアと事前の意思決定、死への対処、悲嘆と死別、そして人生の回顧と「よい死」の考え方を扱う。

主要概念

第1章:生涯発達心理学と発達理論

  • 生まれと育ち:発達的変化に対する遺伝と環境の相対的な寄与。
  • 臨界期と敏感期:ある経験が発達に必要である、あるいは特に効果的である時期。
  • 生態学的システムモデル:家族から文化に至る入れ子状の文脈によって形づくられるものとしての発達。

第2章:遺伝、胎児期、周産期の健康

  • 遺伝子型と表現型:個人の遺伝子と、その身体的・行動的な発現。
  • エピジェネティクス:遺伝子発現に対する環境の影響。
  • 胎生期の区分と催奇形因子:胚盤胞期・胎芽期・胎児期と、発達を害しうる物質。

第3〜4章:乳児期・よちよち歩き期

  • 運動発達のマイルストーン:最初の数年間における粗大運動と微細運動の典型的な順序。
  • 気質:誕生時から見られる、反応性と自己調整における生物学的な個人差。
  • 愛着:乳児と養育者の情緒的な絆で、生涯にわたって影響を及ぼす。

第5〜6章:幼児期

  • 前操作期と社会文化的説明:ピアジェの段階理論と、認知的成長における社会的相互作用を重視するヴィゴツキーの理論。
  • 心の理論:他者が自分とは異なる考えや信念をもつことの理解。
  • 養育スタイル:温かさ、枠組み、自律性の支援のパターンで、文化によって異なる。

第7〜8章:児童期中期

  • 具体的操作:保存や系列化のような、具体的な状況についての論理的な問題解決。
  • 実行機能:児童期を通じて発達する記憶、注意、制御の過程。
  • 勤勉性対劣等感:学校と家庭の経験によって形づくられる、エリクソンのいう児童期中期の課題。

第9〜10章:青年期

  • 思春期:生殖能力をもたらす身体的変化で、その時期は遺伝と環境の影響を受ける。
  • 青年期の脳の発達:意思決定やリスクと結びつく前頭葉と大脳辺縁系の成熟。
  • アイデンティティの探索:文化、ジェンダー、セクシュアリティとの関係の中で価値観と自己意識を形成すること。

第11〜12章:成人前期

  • 成人形成期:探索、不安定さ、可能性を特徴とする、アーネットのいう18歳頃から25歳頃までの時期。
  • アイデンティティ・ステイタス:マーシャの拡散、早期完了、モラトリアム、達成。
  • インターセクショナリティ:複数のアイデンティティと、それに伴う特権や差別を同時に経験すること。

第13〜14章:成人中期

  • 更年期と閉経:中年期の生殖機能の変化と、その身体的・認知的影響。
  • 世代性:他者を世話し導くという、エリクソンのいう中年期の課題。
  • 成人の愛着スタイル:親密な関係における安定型・不安定型のパターンと、幸福との関連。

第15〜16章:老年期

  • 流動性知能と結晶性知能:加齢とともに低下しがちな能力と、安定または向上する能力。
  • 認知症とアルツハイマー病:脳の損傷を伴う状態で、アルツハイマー病が最も一般的な型である。
  • 統合対絶望:自分の人生の意味を振り返る、エリクソンの最終段階。

第17章:死、臨終、悲嘆

  • ホスピスの理念:死を人生の一部とみなし、治癒よりも安楽を優先すること。
  • 悲嘆と死別:喪失への情緒的・社会的反応で、文化によって形づくられる。
  • ライフレビュー:死への準備の一部として自分の人生を振り返ること。

批判的分析

長所

  • 段階ごとの体系的な構成。 乳児期から老年期までの各時期について、身体・認知の章と社会・情動の章を組にしているため、構成がわかりやすく、教員は年代順に教えることも、ある領域を年齢をまたいで比較することもできる。
  • 新しく包摂的な内容。 2024年刊行の本書は、新型コロナウイルスによる休校、DACA、LGBTQ+の発達、ニューロダイバーシティ、民族・人種的アイデンティティ、不妊治療・育児休業・大学の費用・退職の国際比較といった話題を含む。序文は、すべての学生が「自分が見えている、含まれている」と感じられるようにするという目標を掲げている。
  • 特色あるコラム。 繰り返し現れる「It Depends」のコラムは研究結果が分かれる問い(お金で幸せは買えるか、タイムアウトは有効か、スクリーンメディアに認知的な利点はあるか)を提示し、「Intersections and Contexts」は文化的・社会的文脈を加え、「Life Hacks」は知見を学生自身の生活に応用する。「Link to Learning」は動画やデータへ頻繁に案内する。
  • 充実した評価の仕組み。 各節は学習目標で始まり、各章は重要用語、箇条書きの節要約、復習問題、「Check Your Understanding」の問題、個人的応用の問題、生涯にわたる話題のつながりを問う論述問題で終わる。

短所

  • 分量。 900ページを超えており、ほとんどの1学期の授業で扱える量を上回るため、教員や独習者は節を選ぶ必要がある。
  • 理論的な深さより幅。 古典的な理論(ピアジェ、ヴィゴツキー、エリクソン、愛着理論)は多くの章に分散して要約の形で示され、支持する研究と反する研究を伴って深く検討されるわけではない。
  • 国際的なコラムがあっても米国中心の枠組み。 多くの例、統計、政策(学校教育、医療、DACA、タイトルIX)は米国のものであり、国際的な内容は主にコラムに置かれている。
  • 独習用の解答は限られる。 序文によれば、学生向けに提供される復習問題の解答は限られた数だけで、より詳しい解答は教員用マニュアルにある。

コースにおける位置づけ

発達心理学のコースにおいて、本書は生涯全体を扱う無料の中心的教科書である。ウーシャ・ゴスワミの『Child Psychology: A Very Short Introduction』は子ども時代についての短い導入を与える。シェーファーとキップの『Developmental Psychology: Childhood and Adolescence』と、シーグラー、サフラン、ガーショフの『How Children Develop』は児童期と青年期に焦点を当て、一般により研究重視とされる。本書の第3〜10章をさらに深く学びたい学生に適している。

挙げられている理論的著作はさらに踏み込む。エリクソンの『Childhood and Society』は、『Lifespan Development』全体に繰り返し登場する心理社会的段階の原典である。パトリシア・ミラーの『Theories of Developmental Psychology』とピアジェの『La naissance de l'intelligence chez l'enfant』は理論を詳しく検討する。第1章と各段階の章にある本書の理論の要約は、原典を読む前の最初の出会いとして適切である。

本書の使い方

本書は発達心理学と人間発達の入門コースを対象としており、心理学の予備知識を前提としないが、入門の授業を受けていれば用語の理解に役立つ。オンラインとPDFで無料で利用できる。

全体を通じて使われるテーマ、理論、研究法のためにまず第1章を、遺伝と胎児期の発達のために第2章を読むとよい。その後は段階を順に追うか、領域別に学ぶ場合は、ある領域の組の章を年齢をまたいで読む(たとえば身体・認知の章をすべて読む)。冒頭の「What Does Psychology Say?」の場面から章が何を説明するかを予想し、学習目標と箇条書きの要約を復習に使い、「Check Your Understanding」の問題には文章で答えるとよい。「It Depends」のコラムはゼミの討論の題材に適しており、論述問題はライフステージをまたいで内容を結びつけるように作られている。

版と出典

本ガイドは『Lifespan Development』(OpenStax、初版刊行2024年)に基づいており、https://openstax.org/details/books/lifespan-development からダウンロードした公式の無料PDF(現行の印刷版、カラーペーパーバックのISBN 978-1-711472-93-5)を用いた。序文(範囲、コラム、評価、解答の方針、著者)、目次全体、そして全17章について、冒頭の「What Does Psychology Say?」の場面、すべての節見出しと学習目標、「It Depends」「Life Hacks」「Intersections and Contexts」のコラムの題名、章末の節要約を参照した。