01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Lacey, H. (2024). Crash Course Surgery (4th ed.). Elsevier.
章の要約
第4版は「For UKMLA and Medical Exams」という副題をもち、研修医(ファウンデーション・ドクター)のHester Laceyが執筆し、Giles Daviesが編者を務めている。卒業して間もない医師が書き、教員アドバイザーが品質を保証するというCrash Courseの方式に従った本である。出版社は本書を、医学の試験に向けて外科の中核的な話題を効率よく概観する本と説明し、器官系に焦点を当てた病歴聴取と診察のガイド、図、画像、疾患の初期対応のガイドに重点を置いて、学生が学んだことを試験問題やOSCEのステーションに応用できるようにしているという。出版社が挙げる特徴には、英国の医師国家試験UK Medical Licensing Assessment(UKMLA)の「conditions(病態)」と「presentations(症候)」のチェックリスト、「Hints and Tips」の囲み、その他の覚え書きがある。11の章(10章は外科の専門分野や部位ごと、1章は周術期管理)の後に、試験対策のセクションが続く。
第1–3章:上部消化管/下部消化管/前腹壁
腹部の一般外科を、上部消化管、下部消化管、前腹壁に分けて扱う。
第4–5章:内分泌外科/乳腺外科
内分泌疾患と乳腺疾患の外科的管理。
第6章:血管外科
外科的に治療される血管の疾患。
第7章:泌尿器科
尿路の外科。
第8章:耳鼻咽喉科
耳、鼻、喉を扱う外科の専門分野。
第9章:形成外科と皮膚外科
形成外科と皮膚疾患の外科的治療。
第10章:心臓胸部外科
心臓と胸部の外科。
第11章:周術期管理
手術前後の外科患者のケア。すべての専門分野にまたがる唯一の章である。
試験対策のセクション
本書は、UKMLAの高頻出事項の対応表、UKMLA形式の単一最良解答(SBA)問題とその解答、OSCEと短い臨床症例のセクションで締めくくられる。
主要概念
第1–10章:外科の専門分野
- 器官系に焦点を当てた病歴聴取と診察:出版社が専門分野の各章を通じて強調している、外科患者の評価の方法。
- 初期対応:外科的な病態の管理の最初の段階。この版ではガイドとして示されている。
- 画像診断:外科的診断における放射線学的検査の利用。出版社は本書の重点の1つに挙げている。
第11章と試験対策のセクション
- 周術期管理:手術への準備と、手術中・手術後のケア。
- UKMLAの病態と症候:本書でチェックリストにまとめられたシラバスの項目。
- 単一最良解答問題とOSCE:本書が備える筆記試験と実技試験の形式。
批判的分析
長所
- 外科ローテーションに沿った構成。 11章のうち10章が専門分野や部位(上部・下部消化管、腹壁、内分泌、乳腺、血管、泌尿器、耳鼻咽喉、形成・皮膚、心臓胸部)に対応しているので、学生は各実習に合った章を読める。
- 試験対策が組み込まれている。 最後のセクションは、高頻出事項の対応表、解答つきのSBA問題、OSCEのステーションと短い臨床症例を組み合わせており、出版社によれば最新の試験形式に合わせてある。
- 臨床的に実用的な重点。 出版社は図、画像、初期対応のガイドを強調し、本書が試験だけでなく臨床実践への移行にも役立つと述べている。
- 読者に近い書き手。 著者は資格を得て間もない医師であり、試験に最も近い者が書くというシリーズの方針に沿っている。正確さは教員アドバイザーが確認している。
短所
- 専門分野の範囲は限られている。 目次には外傷、整形外科、脳神経外科、小児外科の章がなく、外科的ケアの原則は周術期管理の1章に集中している。学生はこれらの分野について自分のカリキュラムを確認すべきである。
- 復習用の深さ。 効率重視の概観として、深く説明するよりも要約しており、詳しい病態生理や手術による管理は本格的な外科の教科書に委ねられる。
- 英国志向。 本書はUKMLAに合わせてつくられており、問題形式も英国の試験を反映している。
コースにおける位置づけ
本書は、このコースにおける復習志向の外科入門である。Browse's Introduction to the Symptoms & Signs of Surgical Disease は、多くの臨床写真と線画を用いて外科的な病歴聴取と診察を部位ごとに教えるもので、ベッドサイドで徴候を引き出し解釈することを学ぶうえで自然な相棒となる。Garden、Parks、Wigmoreの Principles and Practice of Surgery は学部生向けの本格的な教科書で、周術期ケア、消化器外科、外科の専門分野を、Crash Courseが省いている深さで扱っている。ある話題に要約以上のものが必要になったら、そちらの対応する章を読むとよい。
コースの残り2冊は専門的な本である。Quick Hits in Obstetric Anesthesia は大学院レベルの臨床ガイドであり、Surgical and Perioperative Management of Patients with Anatomic Anomalies は手術と麻酔を特異な解剖に合わせることを扱う。どちらも第11章が導入する周術期の原則の上に成り立つが、より後の研修段階を対象としている。
本書の使い方
出版社はこのシリーズの読者として、医学生と、要点を手早く必要とするその他の医療系の学生を挙げている。医学課程の初期に学ぶ解剖学、生理学、病理学の基礎が前提として想定される。
実践的な計画:
- 各外科実習で: 実習の初めにその専門分野の章を読み、病棟ではその章の病歴聴取と診察のガイドを使い、患者が入院したときには画像と初期対応の内容を使う。
- 第11章は早めに読む。 最初の実習がどこであっても、周術期ケアはすべての外科患者に当てはまる。
- 深さは他の本で補う: 出会った病態ごとに、Crash Courseの要約に続けて本格的な教科書の該当箇所を読み、臨床徴候については Browse's を読む。
- 復習: UKMLAのチェックリストで範囲を確認してから、時間を計ってSBA問題を解き、OSCEのステーションを相手と一緒に声に出して練習する。
練習問題での自分の誤りに対応する「Hints and Tips」の囲みをメモしておくとよい。これらは手早い確認のためにつくられており、試験前の数週間に何度も見直すと最も効果がある。
