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解剖学的異常を持つ患者の外科的・周術期管理 cover

医学

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解剖学的異常を持つ患者の外科的・周術期管理

Deepak Narayan et al.

英語原題: Surgical and Perioperative Management of Patients with Anatomic Anomalies

解剖学的異常を持つ患者の外科的・周術期管理に関する包括的な大学院レベルのガイドで、専門的技法、麻酔適応、様々な身体部位での転帰最適化のための個別化周術期戦略を詳述しています。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
周術期医学外科麻酔解剖学的異常特殊外科臨床管理

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Narayan, D., Kapadia, S. E., Kodumudi, G., & Vadivelu, N. (Eds.). (2020). Surgical and Perioperative Management of Patients with Anatomic Anomalies. Springer International Publishing. https://doi.org/10.1007/978-3-030-55658-7

章の要約

本書は20章、約500ページで、各章はそれぞれの執筆者によるもの。解剖学的な部位ごとに、頭頸部から胸部、腹部、脊椎、四肢を経て血管アクセスまでが並ぶ。出版社は、解剖学的異常のある患者の外科的・周術期管理について、同種のものとしては初のエビデンスに基づく指針だと説明している。目的は、研修医や臨床医が患者を素早く評価し、解剖学的異常を見分け、予定されている手術と麻酔が実施可能で安全かどうかを判断し、必要なら高度なコンサルテーションを手配できるようにすることである。出版社はまた、最新の超音波技術と画像、症例研究が含まれることを強調している。

第1〜3章:頭頸部の解剖、歯科・口腔顎顔面外科、気道

頭頸部の解剖(第1章)、解剖学的異常のある患者における歯科手術および口腔顎顔面外科手術の課題(第2章)、気道管理(第3章)。最初の一群は正常な解剖から始まり、それを口腔顎顔面外科と気道の確保に応用する。第2章と第3章はそれぞれ約20〜25ページである。

第4〜7章:頭頸部の変異、先天性症候群、胸部大動脈

頭頸部の変異:血管(4)、頭頸部の変異:軟部組織、神経、骨(5)、区域麻酔の手技に影響する一般的な先天性症候群と疾患状態(6)、胸部大動脈とその変異(7)。2章が頭頸部の変異を整理し、1章が区域麻酔に影響する症候群を、もう1章が胸部大動脈とその変異を扱う。

第8〜11章:消化管、肝胆道、膵臓の解剖

消化器系の解剖(8)、消化管の異常(9)、肝胆道系の外科解剖(10)、膵臓の外科解剖、異常、正常変異(11)。消化管では解剖に続いて異常という構成で、肝臓、胆道、膵臓は別個の臓器として扱われる。

第12〜14章:泌尿生殖器系と十二指腸窩

泌尿生殖器系の解剖(12)、泌尿器の異常と外科的意義(13)、十二指腸窩(14)。第13章は本書で最長の約75ページ、第14章は短く主題が絞られている。

第15〜16章:脊椎とブロックの施行

後天性脊椎疾患の解剖(15)、解剖学的異常のある患者における神経軸ブロックおよび末梢神経ブロックの施行(16)。麻酔の視点が加わり、後天性の脊椎疾患や解剖学的変異が神経軸ブロックや末梢神経ブロックにどう影響するかが論じられる。

第17〜19章:上肢と下肢

上肢の変異(17)、足と足関節の解剖学的異常(18)、上肢・下肢の血管の変異(19)。第17章だけで約45ページあり、この一群は四肢とその血管の変異を扱う。

第20章:心臓の解剖学的異常のある患者の血管アクセスと麻酔

最終章は約35ページで、心臓や大血管の解剖が普通でない患者の血管アクセスと麻酔管理を扱う。

主要概念

第1〜7章:頭、頸、胸

  • 解剖学的変異と異常:血管、神経、骨の正常な変異。書中では本来の先天異常と並べて扱われる。
  • 気道管理:頭頸部の解剖が普通でないときに気道を確保すること。
  • 先天性症候群と区域麻酔:症候群に伴う解剖が、区域麻酔の手技の選択と実施をどう変えるか。
  • 胸部大動脈の変異:大動脈の変異が術前計画上の問題となること。

第8〜14章:腹部と骨盤

  • 消化管、肝胆道、膵臓の変異:各器官系の解剖と一般的な異常。
  • 泌尿器の異常と外科的意義:泌尿生殖器の変異が手術にどう影響するか。
  • 十二指腸窩:十二指腸の周囲にある陥凹。書中では独立した章が与えられている。

第15〜20章:脊椎、四肢、血管アクセス

  • 後天性脊椎疾患と神経軸ブロック:脊椎の解剖が硬膜外・脊髄くも膜下麻酔の手技に与える影響。
  • 異常な解剖におけるブロックの施行:解剖が標準的な像と異なるときのブロックの施行。出版社は超音波技術を強調している。
  • 四肢の血管の変異:手術やアクセスに影響する変異。
  • 心臓の解剖学的異常と血管アクセス:心臓の解剖が典型的でないときのアクセスと麻酔の計画。

批判的分析

長所

  • 解剖学的な部位による構成。 出版社の位置づけと章の順序のおかげで、予定の手術のある部位にすぐ行くことができ、ほとんどの部位で異常の章の前に正常解剖の章がある。
  • 周術期の判断のために書かれている。 予定の手術と麻酔の計画が実施可能で安全かどうかを臨床医が判断するのを助けることが目的で、いくつかの章(気道、ブロックの施行、血管アクセス)は明確に手技を扱う。
  • 画像と症例。 出版社は、各章に超音波技術と画像、症例研究が含まれると述べており、文章だけでは思い描きにくい解剖には適している。
  • 幅広い読者。 外科、麻酔、周術期、集中治療に携わる医師、看護師、研修医を対象としているので、外科医も麻酔科医も同じ章を読める。

短所

  • 章の長さが不揃い。 章の長さは約5ページ(十二指腸窩)から約75ページ(泌尿器の異常)まで幅があり、ある部位が他より格段に詳しく扱われる。
  • 専門の章がない領域がある。 目次には、脊椎以外の脳・神経系や女性生殖器系の専門の章がない。それらが必要な読者は他書に当たる必要がある。
  • 教科書ではなく参考書。 素早く答えを必要とする臨床医や研修医を対象とし、標準的な解剖、標準的な手術、基本的な麻酔手技にすでに親しんでいることを前提としている。
  • エビデンスの質にばらつきがある。 まれな異常については、発表された根拠は一般に限られるため、推奨は現地の方針や専門家の助言と照らして確認すべきである。

コースにおける位置づけ

外科・麻酔のリストの中で、本書は標準的な外科診療をすでに理解している読者向けの専門的な参考書である。入門書は別の内容を扱う。Browse's Introduction to the Symptoms & Signs of Surgical Disease は外科の病歴と診察を教え、Crash Course Surgery は学生向けの外科診療の簡潔な入門、Principles and Practice of Surgery は学部向けの外科教科書である。まずそのうちの一冊を読むとよい。

Quick Hits in Obstetric Anesthesia はもう一つの専門書である。そちらは分娩室の状況を軸に、本書は解剖学的な部位を軸に編成されているので、両者は補い合う。異常な解剖が予定の手術やブロックに影響するときは本書を、産科救急と神経軸技術にはその産科の本を使うとよい。

本書の使い方

本書は、解剖が教科書から外れた患者に出会う外科医、麻酔科医、看護師、研修医に向いている。標準的な外科・区域の解剖と基本的な麻酔手技についての知識を前提とする。

読み進め方の一例:最初から最後まで通して読むのではなく、関心のある部位の章を読む。麻酔の研修医には、第3、6、15、16、20章(気道、症候群と区域麻酔、脊椎、ブロックの施行、血管アクセス)が最も直接的な手技を示す。外科の研修医は、異常の章を読む前に、各部位の解剖の章(第1、8、10、12、15章)から始めるとよい。解剖図譜や画像を手元に置いて各変異を標準的な像と比べ、症例研究と超音波画像を使って、術前にその変異をどう見分けるかを予行演習する。本書は術前の画像検査やコンサルテーションの代わりではなく、それらを促すものとして扱うこと。