01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Garden, O. J., Parks, R. W., & Wigmore, S. J. (Eds.). (2022). Principles and Practice of Surgery (8th ed.). Elsevier.
章の要約
第8版は約580ページ、29章からなる編著の教科書で、4つのセクションに分かれている。3人の編者はエディンバラ大学の外科学教授であり、出版社は本書をDavidson's Principles and Practice of Medicineの外科版の姉妹書として位置づけ、統合型の医学カリキュラムで、さらにその後の臨床の場で出会う外科の中核的なテーマを扱うものと説明している。以下の章題は出版社の目次に従う。
セクション1:外科診療における専門職としての能力(第1〜3章)
第1章「専門職としての責任と倫理的責任」、第2章「患者安全と臨床のヒューマンファクター」、第3章「エビデンスに基づく外科」。本書は疾患ではなく外科医の専門職としての役割から始まる。最初の2章は本版で新設されたもので、出版社は患者安全と臨床のヒューマンファクターを、本書が新たに取り上げる重要な課題として強調している。
セクション2:周術期管理の原則(第4〜11章)
第4章「ショックの管理、輸液管理、輸血」、第5章「外科患者の栄養サポート」、第6章「感染症と抗菌薬」、第7章「術前の検討事項、麻酔、鎮痛」、第8章「がんの外科的治療の原則」、第9章「外傷と多発外傷」、第10章「手技と患者の検査」、第11章「術後管理と合併症」。このセクションは外科の専門分野を横断して適用される原則を扱う。蘇生と輸液、栄養、感染、麻酔と疼痛管理を含む手術に向けた患者の準備、がんの外科治療、外傷、手技と検査、そして術後の管理である。
セクション3:消化器外科(第12〜18章)
第12章「腹壁とヘルニア」、第13章「急性腹症」、第14章「食道、胃、十二指腸」、第15章「肝臓と胆道」、第16章「膵臓と脾臓」、第17章「小腸と大腸」、第18章「肛門直腸」。一般外科・消化器外科に独立したセクションがあてられ、腹壁と急性腹症から始めて、食道から肛門直腸まで消化管をたどる。
セクション4:外科の専門分野(第19〜29章)
第19章「形成外科(一般的な皮膚・皮下病変を含む)」、第20章「乳腺外科」、第21章「内分泌外科」、第22章「血管外科と血管内治療」、第23章「心臓胸部外科」、第24章「泌尿器外科」、第25章「脳神経外科」、第26章「移植外科」、第27章「耳鼻咽喉科手術」、第28章「整形外科」、第29章「グローバルサージェリーと麻酔」。最終セクションは各専門分野を1章ずつ概観し、本版で新設された、世界的な文脈における外科と麻酔の章で終わる。
主要概念
セクション1:専門職としての能力
- 専門職としての責任と倫理的責任:技術的な技能を超えた外科医の責務。
- 患者安全と臨床のヒューマンファクター:外科診療で誤りがどのように生じ、チームやシステムの要因が結果にどう影響するか。
- エビデンスに基づく外科:評価されたエビデンスに基づいて外科的判断を下すこと。
セクション2:周術期管理
- ショック、輸液、輸血:外科患者の蘇生と輸液管理。
- 術前評価、麻酔、鎮痛:手術に向けた患者の準備と疼痛の管理。
- 外科腫瘍学の原則:がんに対する手術の一般原則。
- 術後合併症:術後の問題の認識と管理。
セクション3〜4:消化器外科と専門分野
- 急性腹症:突然の腹痛の評価。外科の中核的な症候である。
- ヘルニア:腹壁の欠損とその管理。
- 血管内治療:血管の内側からの治療。血管外科とともに扱われる。
- グローバルサージェリー:世界の保健医療システム全体から見た外科と麻酔。
批判的分析
長所
- 専門分野の前に原則。 目次では、いずれかの臓器系が登場する前に、専門職としての実践と周術期管理に11章があてられている。ショック、輸液、栄養、感染、麻酔、がん治療の原則、外傷、術後管理はすべての専門分野に共通するテーマであり、学生はそれらに最初に出会う。
- 今日的な専門職のテーマ。 専門職としての責任と倫理的責任、患者安全と臨床のヒューマンファクター、グローバルサージェリーについての新しい章は、出版社が外科診療における新たな課題と呼ぶテーマを学生向けの教科書に取り入れている。
- 復習と病棟での使用を想定。 出版社は、全体を通じたまとめのボックスとエビデンスのボックス、線画、X線画像、カラー写真、そして卒前・卒後の外科カリキュラムとの整合を挙げている。全文はStudent Consultを通じてオンラインと電子書籍でも利用できる。
- Davidsonの姉妹書。 Davidson's Principles and Practice of Medicineと明示的に対になっているため、統合型コースの学生は内科と外科を一貫した教科書で読むことができる。
短所
- 専門分野は深さより広さ。 約580ページの本の中で、11の専門分野がセクション4を1章ずつ分け合っており、出版社自身も本書の方針を簡潔なものと述べている。専門分野の実習中の学生や卒後試験の準備をする研修医には、専門分野ごとの教科書が必要になる。
- 身体診察のガイドではない。 本書は疾患、検査、管理を説明するが、章立てには外科的な症状と徴候の取り方を体系的に扱う章は含まれておらず、そのためには専用の本が必要である。
- 麻酔は周術期管理の一部として。 麻酔は第7章で術前の検討事項や鎮痛とともに、また最後のグローバルな章で扱われる。麻酔科の実習を受ける学生には専門的な資料が必要である。
コースにおける位置づけ
本コースの書目の中で、Principles and Practice of Surgeryは外科の主要な卒前教科書である。短い二冊はそれぞれ別の用途に向く。Browse's Introduction to the Symptoms & Signs of Surgical Diseaseは外科の病歴聴取と診察を部位ごとに教えるもので、本書にはない内容である。Crash Course Surgeryは試験形式の問題を備えた簡潔な復習書である。最初の外科実習にはBrowseを併用し、外科疾患とその管理の主要な参考書として本書を使い、試験前の数週間にはCrash Courseを使う、という組み合わせが実用的である。
残りの二冊は卒後レベルの臨床書である。Quick Hits in Obstetric Anesthesiaは分娩、帝王切開、産科救急の麻酔のガイドであり、Surgical and Perioperative Management of Patients with Anatomic Anomaliesは解剖学的異常をもつ患者の手術を扱う。どちらもセクション2の周術期管理の原則の上に立ち、卒前の外科課程を終えた読者のためのものである。
本書の使い方
本書は統合型カリキュラムで学ぶ医学生と若手の研修医のために書かれており、出版社は卒前と卒後の両方の外科カリキュラムに沿っていると説明している。前臨床の解剖学、生理学、病理学が自然な土台となる。
実践的な計画:
- セクション1と2から始める。 最初の外科実習の初めに専門職と周術期管理の章を読む。第4章、第7章、第11章(ショックと輸液、術前管理と麻酔、術後合併症)は外科病棟の日常業務そのものである。
- セクション3を一般外科の中核として読む。 まず腹壁とヘルニア(第12章)と急性腹症(第13章)を読み、各臓器の章は対応する患者を診たときに読む。
- セクション4は実習ごとに使う。 各専門分野の章を対応するローテーションの前か最中に読み、深く学ぶには専門分野の教科書に進む。
- グローバルサージェリーの章を読み、外科医療がどのように提供されているかをより広い視野で捉える。
まとめのボックスは復習に、エビデンスのボックスは現在の診療を支える根拠を確かめるのに使う。疾患の知識と症状・徴候を引き出す技能が釣り合うよう、本書をBrowseのような診察の本と組み合わせ、病棟ではStudent Consultのオンライン版を検索に使うとよい。
