01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Gossage, J. A., Bultitude, M. F., & Corbett, S. A. (Eds.). (2021). Browse's Introduction to the Symptoms & Signs of Surgical Disease (6th ed.). CRC Press.
章の要約
第6版は658ページ、カラー図版668点の大部な本で、18章で構成される。病歴聴取と診察に関する総論の1章のあと、身体の部位または系統ごとに17章が並ぶ。本書はSir Norman Browseが創始したもので、この版はロンドンのGuy's and St Thomas'病院の3人の外科専門医(上部消化管、泌尿器、整形外科)が編集し、2人の副編者とこの版から加わった執筆者が協力している。出版社は、表と復習用パネルで補われた高度に構造化された一貫したレイアウトと、自己評価教材、動画アニメーション、画像ライブラリを備えたコンパニオンウェブサイトを紹介している。
第1章:病歴聴取と診察
本書の残りのすべてが依拠する総論的な方法である。以前の版を Annals of the Royal College of Surgeons of England で評したJohn Lowryは、この章が本書全体の基調を定めていると述べ、注意深く系統的なアプローチ、患者への全面的な注意、手抜きをしない姿勢を挙げた。Doody's ReviewsのCarol Scott-Connerは、この章に患者の全体的な様子と臨床状況の評価が含まれていることを指摘している。
第2〜4章:心臓・肺・胸膜、脳・中枢神経系・末梢神経、皮膚と皮下組織
胸部、神経系、皮膚についての三つの章である。
第5章:重症外傷の症状・徴候と救急管理
症状と徴候に加えて管理を章題に掲げる唯一の章で、外傷患者の評価を扱う。
第6〜9章:筋骨格系疾患、上肢の骨と関節(手を含む)、下肢の骨と関節(足を含む)、脊椎と骨盤
整形外科の4章である。筋骨格系の総論の章に続き、手を含む上肢、足を含む下肢、脊椎と骨盤を扱う。
第10章:動脈・静脈・リンパ系
血管外科として、動脈系、静脈系、リンパ系を扱う。
第11〜13章:口腔・舌・口唇、頸部と唾液腺、乳房
口腔から頸部・唾液腺までの頭頸部の疾患、続いて乳房を扱う。
第14〜16章:腹壁・ヘルニア・臍、腹部、直腸と肛門管
腹部の一般外科として、腹壁とヘルニア、腹部そのもの、直腸肛門の疾患を扱う。
第17〜18章:腎臓・尿路・前立腺、外性器
泌尿器科で、外性器の章が本書を締めくくる。
主要概念
第1章:方法
- 外科的病歴:主訴とその特徴を構造的にまとめた記録で、診断への手がかりとなる。
- 系統的な診察:各部位を一貫した系統的な順序で診察すること。書評者たちが高く評価するアプローチである。
- 全身的な評価:問題の部位に焦点を当てる前に、患者の全体的な様子と状態に注意を払うこと。
第2〜18章:部位ごと
- 症状と徴候:患者が訴えることと診察者が見いだすことで、臨床診断の二つの源である。
- 外傷の救急評価:重症外傷患者の構造化された評価と初期管理。
- 部位別の構成:各章が身体の一部位または一系統の外科疾患をまとめている。
批判的分析
長所
- 図版。 668点のカラー図版を備え、本書は臨床写真と線画を中心に組み立てられている。Scott-Connerは図示された疾患の範囲を並外れていると評し、出版社はこの版で図版が刷新されたと述べている。
- まず方法から。 引用されている二人の書評者はいずれも病歴と診察を扱う冒頭の章を特に取り上げており、Lowryはこの章が本書全体の基調を定めているとみなした。
- 復習のための工夫。 表、復習用パネル、一貫したレイアウトは試験前にすばやく参照できるよう設計されており、コンパニオンウェブサイトが自己評価問題、アニメーション、画像ライブラリを加えている。
- 専門分野の広さ。 18の章は、心臓胸部、神経、皮膚、外傷、整形外科、血管、頭頸部、乳腺、腹部、直腸肛門、泌尿器の外科にわたり、編者と執筆者はこれらの専門分野のいくつかをカバーしている。
短所
- 治療ではなく診断。 題名のとおり、本書は症状と徴候に焦点を当てている。重症外傷の救急管理を除けば、検査、手術治療、周術期管理の手引きではない。
- 入門書としては長い。 658ページあり、短期のローテーション中に通読するには長すぎる。学生は選んで読む必要がある。
- 書評は以前の版に関するもの。 出版社が引用している書評は以前の版についてのものであり、第6版についての独立した書評は見つからなかった。
- 小児の独立した章がない。 目次は部位別で、小児にあてられた章はない。小児外科の実習中の学生は、部位別の章にどの疾患が含まれているかを確認すべきである。
コースにおける位置づけ
Browseは外科・麻酔科コースの臨床技能の本であり、ベッドサイドで外科疾患を見分ける方法を教える。もう一つの入門書は Crash Course Surgery で、外科的ケアの原則と病棟でよく見られる病態を、病歴と診察の手引きや試験形式の問題とともに扱う短い復習用の本である。両者は併用できる。知っておくべきことの概観にはCrash Courseを、各疾患が診察でどのように見え、触れるかにはBrowseを使う。
Garden、Parks、Wigmoreの Principles and Practice of Surgery は、周術期管理から消化器外科、各専門分野まで、検査と管理を加えた学部向けの教科書である。まずBrowseの該当章を読んで疾患を見分けられるようにし、次にGardenでどう対処するかを学ぶとよい。Quick Hits in Obstetric Anesthesia と Surgical and Perioperative Management of Patients with Anatomic Anomalies は後の研修のための専門的な臨床の手引きであり、Browseに代わるものではない。
本書の使い方
出版社は、病歴聴取と診察を学ぶ医学生、特に外科ローテーション中の学生や外科の試験前の学生、そして卒後の外科研修に進む人を対象としている。すべての章が部位別に構成されているので、基礎医学の解剖学が最も役立つ準備となる。
実際的な学習計画:
- 最初の外科実習の前に第1章を丁寧に読み、 その方法をすべての患者で実践する。
- 実習先に合わせて読む。 その時の診療科に合った章を読む(整形外科は第6〜9章、血管外科は第10章、乳腺は第13章、泌尿器は第17〜18章)。一般外科では腹部の第14〜16章を読む。
- 図をよく見る。 本文を読む前に写真と図を見て、診察者が述べるように各病変を描写してみる。
- 救急の実習前に第5章を使う。
- パネルとコンパニオンウェブサイトで復習する。 試験前には復習用パネルと表を使い、オンラインの自己評価問題と画像ライブラリで見分ける力を試す。
