01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Allenby, R. B. J. T. (1991). Rings, Fields and Groups: An Introduction to Abstract Algebra (2nd ed.). Edward Arnold.
章の要約
第2版は約380ページの簡潔な学部向け教科書で、Edward ArnoldのModular Mathematicsシリーズの1冊である。環と体が群より先に置かれており、整数と多項式のなじみ深い算術から環論を経て群論へ進み、ガロア理論の1章で終わる。出版社によれば、著者は非形式的な内容と形式的な内容を混ぜて学生の意欲をかき立てつつ、本格的な学習に必要な理論的概念を提供している。巻末には、部分的な解答、参考文献、記号の一覧、索引もある。
初等集合論と証明の方法
番号付きの章に先立つ冒頭の章が、全体で使われる集合論と証明の技法をまとめている。証明に不慣れな読者も、本書の中で基礎を得られる。
第1章:数と多項式
整数と多項式を並行して研究する。整除、素数、算術の基本定理、次に多項式環、その中での整除と代数的性質である。整数と多項式に対するユークリッドの互除法が、後の章の型を定める。
第2章:二項関係と二項演算
二項関係と演算が導入され、nを法とする合同、同値関係、分割が扱われる。これらの道具は、本書の後半に現れる商の構成の基礎となる。
第3章:環入門
環の抽象的な定義、公理から導かれる性質、部分環、部分体、イデアル。環論の数論への応用も含まれる。
第4章:剰余環と体
剰余環、環準同型、同型定理が展開され、環から商を取って体を構成することや、異なる体を結びつける構成が示される。
第5章:群論の基礎
公理と例を通して群が導入され、続いて部分群、準同型、正規部分群、剰余群、対称群と交代群が扱われる。部分群の位数に関するラグランジュの定理もこの内容に含まれる。
第6章:群論の構造定理
さらに進んだ群論。シローの定理、直積、有限アーベル群、可解群、組成列。
第7章:ガロア理論への小旅行
第2版で加わった章。べき根の塔、分解体、部分体と部分群の対応を導入し、主な応用は一般の5次方程式がべき根で解けないことである。
主要概念
第0–2章:基礎
- 整除、素数、多項式環:整数と多項式の算術。
- 同値関係と合同:関係が集合をどう分割し、剰余算術を与えるか。
第3–4章:環と体
- 環、部分環、イデアル:環論の基本的な対象。
- 剰余環、準同型、同型定理:既存の環から新しい環を作り、比較する。
- 体の構成:環の商を取って体を得る。
第5–7章:群とガロア理論
- 群、部分群、正規部分群、剰余群。
- シローの定理と有限アーベル群の構造。
- 分解体とガロア対応。
批判的分析
長所
- 意図された順序。 環と体が群に先立つので、学生はすでに知っている算術の上に積み上げられ、商の構成は群で再び現れる前に、まずなじみのある場面で出会う。
- 解答付きの演習。 出版社は約800の演習があり、その多くにヒントと解答が付いていると述べ、巻末には部分的な解答があって独習に役立つ。
- 読みやすい文体。 出版社は、Mathematical Spectrumが「無味乾燥な教科書ではなく、時間と努力を注ぐ読者に大きな見返りをもたらす」と評したことを引用している。出版社は文体を非常に読みやすいものと説明している。
- 完結した道筋。 1巻の中で、初等的な算術からガロア理論の最初の紹介まで読者を導く。
短所
- ガロア理論は小旅行にとどまる。 最終章は「簡潔な小旅行」と題されており、この主題を十分に展開したい読者は別の教科書が必要である。
- 範囲。 番号付きの章は7つで、加群や環上の線形代数などの主題は独立して扱われず、環、体、群、およびガロア理論の入門に限られている。
コースにおける位置づけ
本書は、群より先に環を扱う学部の抽象代数の入門書である。A Book of Abstract Algebra は対話的な入門書で、同じくガロア理論で終わり、演習のまとまりに大きく頼る。Contemporary Abstract Algebra と Abstract Algebra: Theory and Applications はより大部の学部向け教科書で、多くの例と応用を含む。Introduction to Algebra はベクトル空間や加群も含む広い入門書である。Visual Group Theory は図を使って群に入る道で、第5章と併せて使える。
Allenbyは、簡潔な教科書で、巻末に部分的な解答があり、ガロア理論への近道がほしい読者に向く。対話形式の入門を好む読者は A Book of Abstract Algebra から始めてもよく、群論のより充実した扱いを求める読者は、第5–6章を Contemporary Abstract Algebra と組み合わせられる。
本書の使い方
出版社が挙げる読者層は純粋数学専攻の学部生であり、本書は学部の抽象代数の授業で学ぶ内容への入門と説明されている。数学的成熟と証明への慣れが必要だが、冒頭の集合論と証明の方法の章があるので、証明入門の授業は厳密な前提ではない。
実践的な進め方:
- 中核: 冒頭の章を必要に応じて読み、次に第1–5章を順に読む。環と商を扱う第3・4章が前半の中心であり、第5章から群論が始まる。
- 次に: 第6章でシローの定理と有限アーベル群の構造を学ぶ。
- 任意の締めくくり: 第7章のガロア理論。第4章と第6章のあとに読むのがよい。
- 演習: ヒントや巻末の部分的な解答を見る前に、まず各演習に取り組む。解答は近道のためではなく、手法を確かめるために使う。
