01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Burn, R. P. (2015). Numbers and Functions: Steps into Analysis (3rd ed.). Cambridge University Press.
章の要約
本書は、番号つきの800題を超える問いの連なりであり、その大半に簡潔な解答がついている。問いは「数」と「関数」の二部、12章に配置され、短い付録が三つある。読者は証明を読むのではなく、問いを解き進める。各章の冒頭には予備的な文献、並行して読む文献、発展的な文献が示される(たとえば第1章は帰納法についてポリアとソミンスキーを挙げる)。大きな考えがひと区切りつくたびにまとめが置かれ、その後に歴史的な注と解答が続く。初版は1992年、第2版は2000年に出た。第3版(2015年)は細部を修正し、第3章と第10章のいくつかの問いを作り直している。
第1章:数学的帰納法
冒頭の章では、帰納法による証明の習慣を身につける。最初の問いでは、公式を小さな場合で確かめ、ある値で成り立つことが次の値へどう受け継がれるかを示す。初版の序文によれば、第1章と第2章は、本格的な解析学に入る前に技術と自信を固める必要のある学生のためのものである。
第2章:不等式
この章の問いの大半は、明示された公理から数の体系と不等式の基本的な性質を導く。序文はこれを、見慣れていることと実際に証明されたこととを区別する練習として位置づけている。
第3章:数列――無限への最初の一口
極限は0に収束する数列(零数列)を通じて導入される。第3版では、この導入が面積と体積を求めるアルキメデスの方法の上に組み立てられている。この章では、完備性をまだ仮定せずに数列の収束を展開する。
第4章:完備性――有理数に欠けているもの
本書は「すべての無限小数は収束する」を完備性の公理として採用し、そこから有界な単調数列の収束を導く。序文は、この方法が通常の道筋より紙幅を要することを認めつつ、学生の理解を能動的に保つものとして擁護している。上限(最小上界)は第2版でより大きな役割を与えられた。
第5章:級数――無限の和
第1部の最後の章は無限の和を扱う。第3版に寄せた David Tall の推薦文は、本書が零数列から数列の極限、完備性、そして無限級数の収束判定法の全範囲へと進むことを紹介している。
第6章:関数と連続性――近傍、関数の極限
第2部は関数、近傍、関数の極限から始まる。序文によれば、この章は第3章の上に立つが、完備性にはまったく依存しない。序文はまた、連続性を収束数列によって定義することを著者が好む理由を説明している。著者は教える経験から、そのほうが近傍による定義より効果的だと判断した。
第7章:連続性と完備性――区間上の関数
区間上の連続関数についてのより難しい定理を証明する章で、それらはすべて完備性に依存する。証明には有界数列の収束部分列が使われる。
第8章:導関数――接線
導関数の定義と、積・商・連鎖律という、完備性に依存しない性質を扱う。逆関数の微分もここに置かれている。
第9章:微分と完備性――平均値の定理、テイラーの定理
完備性を必要とする結果を、ロルの定理から平均値の定理を経てテイラーの定理まで扱う。
第10章:積分――微積分学の基本定理
章は、ニュートン以前に使われた、あるいは使われえた方法で面積を計算することから始まる。第3版の冒頭の問いは、完備性に訴えずに連続な単調曲線の下の面積を求める。続いて階段関数を用いてリーマン積分を組み立て、完備性は上積分と下積分を通じて入ってくる。章は微積分学の基本定理で終わる。
第11章:指数と円関数
指数関数、対数関数、三角関数を積分やべき級数で定義する代わりに、本書は指数(累乗)と円弧の長さから出発する。序文は、この扱いが通常より長くなることを認めつつ、最初の10章の定理を応用するものだと述べている。
第12章:関数列
一様収束を扱う締めくくりの章で、これを2年次に回す授業もある。項別積分と項別微分を論じ、学校で学んだ微積分を大学流に扱う作業を完成させる。
付録1〜3:実数の性質、幾何と直観、学生による探究と討論のための問い
短い付録では、授業が依拠する実数の性質を挙げ、幾何と直観について述べ、探究と討論のための開かれた問いを示す。
主要概念
第1〜2章:数学的帰納法、不等式
- 帰納法による証明:小さな場合を確かめた後、ある自然数で成り立つことが次へ受け継がれることを示す。
- 公理に基づく数の性質:順序や不等式についてのなじみ深い事実を、当然視せずに明示された公理から導く。
第3〜5章:数列、完備性、級数
- 零数列:0に収束する数列。本書における極限の出発点。
- 無限小数による完備性:すべての無限小数が収束するという公理。そこから有界な単調数列の収束が示される。
- 極限としての級数:無限の和は部分和の極限である。
第6〜7章:連続性
- 点列による連続性:収束数列によって定義される連続性。本書が採用する定義。
- 区間上の連続性:完備性に依存する定理群。有界数列の収束部分列を通じて証明される。
第8〜10章:導関数と積分
- 完備性を要しない微分法則:積・商・連鎖律は定義だけから導かれる。
- 平均値の定理とテイラーの定理:完備性を必要とする結果。
- 階段関数によるリーマン積分:階段関数から組み立てられる上積分と下積分。
第11〜12章:指数と円関数、関数列
- 基本からの初等関数:指数と対数は指数(累乗)から、円関数は弧長から展開される。
- 一様収束:項別積分と項別微分を正当化する条件。
批判的分析
長所
- 自分で組み立てて学ぶ。 初版の序文は設計の原理を示している。学生がすでに知っていることを使って新しい概念を生み出させること、そして慎重に選ばれた特殊な場合から一般的な定理へと進むことである。問いは、読者が定義や定理を自分で定式化するように組まれている。
- 基礎に注意を払った厳密さ。 著者は、扱いの各段階で公理的基礎のどの部分が必要かを学生が自覚することを、通常以上に求めていると述べる。章の題がそれを反映しており、連続性、微分、そして第3版からは積分も、完備性なしでできることと完備性を要することに分けられている。
- 解析学の教師による試用と推薦。 第2版の序文によれば、ウォリック大学で採用された問題解決型の1年次解析学教育では、最初の5章の問題が数多く使われた。その経験から、まとめと図が増え、小さな定理に短い名前がつけられた。第3版に寄せた David Tall の推薦文は、よく選ばれた問いの連なりと、全体像を築くまとめを評価している。European Mathematical Society Newsletter は、本書をわかりやすくかつ正確だと評した。
- 歴史を道しるべにする。 歴史的な注が全体に通っている。序文は、学校の微積分はおおむね18世紀の厳密さの水準で営まれているので、19世紀の発展をたどり直すことが現代の解析学への自然な道筋になると論じる。
短所
- 拾い読みはできない。 800題を超える問いが理論の大部分を担っているため、問題を解かない読者が得るものは少ない。
- 標準的でない選択がある。 無限小数の収束としての完備性、数列による連続性の定義、指数と弧長から組み立てる指数関数と円関数は、多くの講義の定義とは異なる。著者自身、これらの道筋の一部が長くなることを認めている。学生は自分の授業の定義と結びつける必要がある。
- 執筆当時の前提。 初版の序文は関数電卓とグラフ描画ソフトウェアの利用を前提としている。また英国のシックスフォーム(大学進学準備課程)の微積分を背景として想定しており、他の教育制度の読者は適宜読み替える必要があるかもしれない。
コースにおける位置づけ
このコースの本の中で、Burn の本は手を動かすために作られた一冊である。Lara Alcock の How to Think About Analysis は定義と証明の読み方を説明する学習ガイドだが、Burn は問題を通じて学生にそれらを組み立てさせる。二冊は、最初の解析学の授業の前か授業中に組み合わせるとよい。思考の習慣には Alcock、同じ話題についての継続的な練習には Burn という分担である。
最初の厳密な授業の主教科書としては、Stephen Abbott の Understanding Analysis が理論を完全な証明つきの通常の文章で提示しており、多くの学生はその最初の数章の準備や補強に Burn の問いを使うだろう。Bartle と Sherbert の Introduction to Real Analysis はより包括的な教科書である。Walter Rudin の Principles of Mathematical Analysis は、後の学習のための形式的な古典である。Victor Bryant の Yet Another Introduction to Analysis は、同じ中核内容を扱うもう一つの入門書である。著者は本書を、距離空間、点集合位相、多変数の微積分へ進むための踏み台と位置づけている。
本書の使い方
本書は、学校の微積分から大学の解析学へ移る学生、著者の言葉でいえば、学校で微積分を学び、それを厳密に見直す準備ができた読者に向けられている。前提は学校の代数と微積分、そして紙とペンで取り組む意欲である。
- すべての問いを順に解く。 理論は問いの中にある。簡潔な解答を確かめる前に各問いに取り組み、まとめを使って理解を固める。
- 依存関係の図に従う。 序文には章どうしの依存関係を示す図がある。帰納法と不等式に自信のある学生は第1〜2章を飛ばしてよい。第3、4、5章は数列、完備性、級数の中核をなす。第6章は第3章だけを必要とし、第7、9、10章は完備性を用いる。
- 自分の授業に合わせる。 数列と級数の授業なら第3〜5章に集中する。連続性、微分、積分なら第6〜10章に取り組む。初等関数の第11章と一様収束の第12章は自然な発展であり、序文が指摘するように、一様収束を2年次に回す授業もある。
- グループで使う。 問いはワークショップやペアでの学習に向いており、付録3には探究と討論のための問いがある。
