01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Conte, G. B. (1999). Latin Literature: A History (J. B. Solodow, Trans.; D. Fowler & G. W. Most, Rev.). Johns Hopkins University Press. (英語版の初版は1994年。)
章の要約
背景と議論
コンテの本は、彼のイタリア語の手引き書『Letteratura latina』の翻訳である。約830ページの英語版は、ラテン語の文字による記録の始まりから初期中世までの千年間を概観し、6世紀のトゥールのグレゴリウスと7世紀の尊者ベーダで終わる。出版社は本書を、参考図書、書誌案内、文学研究、そして読者のための手引きを兼ねたものと説明しており、人名、年代、校訂本の出典、詳しい要約を示し、百科事典の長所と批評的な議論を結びつけているという。構成は時代順の5つの部からなり、個々の作家に関する項目と、時代、ジャンル、運動に関する項目があり、付録と人名索引で終わる。
序論:文学史と史学史(Literary History and Historiography)
序論は、文学史がどのように書かれるのか、文学の史学史には何が含まれるのかを扱い、作家と時代の概観が始まる前の導入となっている。
第I部:初期・中期共和政(The Early and Middle Republics)
この部はラテン語の文字の起源から始まる。初期ローマ演劇とその劇作家たち(リウィウス・アンドロニクス、ナエウィウス、プラウトゥス、カエキリウス・スタティウス、テレンティウス、悲劇のパクウィウスとアッキウス)、古い時代の弁論と歴史叙述、エンニウス、カトー、エンニウスからウェルギリウスに至る叙事詩の発展、ルキリウス、そしてグラックス兄弟の時代からスッラの復古に至る政治と文化を扱う。
第II部:共和政後期(The Late Republic)
「カエサルの時代(前78–44年)」で始まるこの部は、新詩人派とカトゥルス、ルクレティウス、キケロ、共和政末期の文献学、伝記、好古趣味、カエサルとサッルスティウスを扱う。
第III部:アウグストゥスの時代(The Age of Augustus)
この部は前43年から後17年までの時代の特徴から始まり、ウェルギリウス、ホラティウス、悲歌詩人のティブルスとプロペルティウス、オウィディウス、リウィウスにあてられる。続いて、歴史叙述の方向、学問と技術的な分野、そして初期から帝政初期までの法文献を扱う。
第IV部:帝政前期(The Early Empire)
この部は帝政前期の文化と見世物から始まり、セネカ、ユリウス=クラウディウス朝の詩のジャンル、ルカヌス、ペトロニウス、風刺詩人のペルシウスとユウェナリス、フラウィウス朝の叙事詩、大プリニウスと専門的知識、マルティアリスと警句詩、クインティリアヌス、養子皇帝の時代、小プリニウス、タキトゥス、スエトニウスと小歴史家たち、アプレイウス、文献学、修辞学、文学批評と法、そして「ポエタエ・ノヴェッリ(新詩人たち)」に至る詩の展開へと続く。
第V部:帝政後期(The Late Empire)
最後の部は、セウェルス朝からディオクレティアヌスまで(193–305年)、およびコンスタンティヌスからローマ劫掠まで(306–410年)を扱い、続いてキリスト教文化の頂点、ホノリウスからオドアケルまで(410–476年)、中世の夜明けを扱う。
主要概念
序論と第I–II部
- 文学史と史学史:序論は、文学の歴史はどのように書かれるべきかを考える。
- 初期ローマ演劇:リウィウス・アンドロニクス、プラウトゥス、テレンティウス、悲劇の発展についての本書の説明。
- 新詩人派:本書がカトゥルスとともに扱う共和政後期の詩。
第III–IV部
- 時代としてのアウグストゥス期:本書は前43年から後17年を、独自の特徴をもつ一つの区間として扱う。
- 専門的・技術的な書き物:学問、法文献、大プリニウスの博識な仕事が、詩や歴史と並べられている。
- 元首政下の風刺:帝政前期のペルシウスとユウェナリス。
- ポエタエ・ノヴェッリ:第IV部の終わりで扱われる「新詩人たち」。
第V部
- キリスト教文化:帝政後期の部は、キリスト教文化の頂点を、西ローマ帝国の終わりと並べて扱う。
批判的分析
長所
- 包括的な網羅。 目次は、古い時代の演劇から帝政後期、初期中世まで及び、詩人や歴史家だけでなく、技術的な著作者、法学者、学者も含んでいる。
- 参照用に作られている。 出版社は人名、年代、校訂本の出典、要約を強調しており、目次を見ると巻内に書誌があり、人名索引もあるので、どの作家についても調べられる。
- 当時の最新の研究。 出版社によれば、ウェルギリウスやペトロニウスの項目の多くは、研究の最前線の成果を簡潔にまとめており、ほぼすべての項目が一般読者にも専門家にも興味深い。
- 目録にとどまらない文学研究。 出版社は、本書が百科事典の長所とコンテの批評的知性を結びつけていると述べており、項目は要約だけでなく判断も目指している。
短所
- 手引き書であって読本ではない。 本書は時代と作家によって編まれた歴史である。ラテン語の原典や翻訳を読むことの代わりにはならず、長い抜粋も載せていない。
- 書誌が古い。 英語版は1994年に、第3増補版が1993年に出たイタリア語の手引き書をもとに初めて刊行されたので、最近の研究は含まれていない。書誌に頼る前に、この分野の最近の研究を確かめること。
- 通読には重い。 800ページを超え、人名と年代が詰まっているので、通読より参照に向いている。
- 時代と作家による構成。 叙事詩、風刺、歴史叙述のような一つのジャンルを数世紀にわたって追う読者は、複数の部から項目を集める必要がある。もっとも、ジャンルの展開をたどる項目もある。
コースにおける位置づけ
古典文学のコースで、コンテはラテン語の書き物についての大きな参考書である。リチャード・ラザフォードの『Classical Literature: A Concise History』とウィリアム・アランの『Classical Literature: A Very Short Introduction』は、より親しみやすい出発点である。ラザフォードはホメロスからアウグスティヌスまでのギリシアとローマをジャンル別に扱い、アランは何がテクストを古典的にするのかを問う。アルビン・レスキーの『A History of Greek Literature』はコンテのギリシア側の対応物で、作家とジャンルの包括的な概観であり、二つの文学を同じ深さで知りたい読者に自然な組み合わせとなる。
コースの一次テクストは、コンテが論じる作家そのものを与えてくれる。ロバート・フィッツジェラルドの訳によるウェルギリウスの『アエネーイス』と、ローマの書き手たちが応答したギリシアの叙事詩、ホメロスの『イーリアス』と『オデュッセイア』である。コンテは、これらの作品のかたわらで、読んでいる作家の項目を、その作家を文脈に置き、参考文献の出発点を見つける場所として使うのが最も役に立つ。
本書の使い方
本書は、古典学や比較文学を学ぶ上級の学部生や大学院生、そして真剣な一般読者に向いている。ラテン語の知識があると助けになるが、必須ではない。
最初から最後まで通して読まないこと。序論と各部の冒頭を読んで枠組みをつかみ、そのあと、プラウトゥス、カトゥルス、ウェルギリウス、セネカ、タキトゥスなど、学んでいる作家の項目を参照する。書誌は校訂本や注釈書を探すために使い、人名索引は一人の作家を本全体にわたって追うために使う。いくつかの部を読んだあとで、目次全体の流れをざっと見直すと、ラテン文学の伝統がどうつながっているかがわかる。
