01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Lesky, A. (1996). A History of Greek Literature (J. Willis & C. de Heer, Trans.). Hackett Publishing. (Reprint of the Methuen translation of 1966, made from the second German edition.)
章の要約
本書は約920ページの、一巻本のギリシア文学史である。ドイツ語版は1958年に初版が出て、1963年の第2版で大幅に書き改められた。ジェームズ・ウィリス(James Willis)とコルネリス・デ・ヘール(Cornelis de Heer)の翻訳はこの版に基づき、1966年にメシュエン(Methuen)から最初に出版された。出版社の説明は、本書をギリシア文学全体の連続した叙述とし、扱う作品の丁寧な要約と、論争の激しい点についての慎重な学問的論争の紹介を備えるとしている。目録の内容は、第2版への序文、初版への序論、七つの章から成り、時代ごとに、各時代の中では作家とジャンルごとに配列されている。
序文と序論
冒頭に第2版への序文と初版への序論が置かれている。
第I章:ギリシア文学の伝承(The Transmission of Greek Literature)
最初の章は、ギリシア文学の伝承、すなわちテクストがどのように現在に伝わったかを、どの作家を論じるよりも前に扱う。
第II章:始まり(The Beginnings)
ギリシア文学の始まりを扱い、ホメロス以前の叙事詩についての節を含む。
第III章:ホメロスの叙事詩(The Homeric Epic)
四つの節が、『イリアス』と『オデュッセイア』、叙事詩環、ホメロス讃歌、ホメロスに帰せられるその他の作品を扱う。
第IV章:アルカイック期(The Archaic Period)
初期の章の中で最も長く、ヘシオドス、ヘシオドス以後のアルカイック叙事詩、初期抒情詩、民話、宗教文学、哲学の始まり、成熟したアルカイック抒情詩(テオグニス、エピグラムとスコリオン、アナクレオン、本土の詩人たち、合唱抒情詩)、アルカイック期末の哲学、科学と歴史記述の始まり、そして劇の始まりが順に論じられる。
第V章:ギリシアの都市国家の開花(The Flowering of the Greek City State)
この章は三つの節に分かれる。第一節は古典期の始まりと頂点で、アイスキュロス、ソポクレス、その他の詩の形式、ダモンと音楽理論、ヘロドトス、その他の歴史家、哲学を扱う。第二節は啓蒙とその反対者で、ソフィストと修辞学の始まり、エウリピデスとその他の悲劇作家、その他の詩、政治喜劇、政治的著作、トゥキュディデス、諸科学、ソクラテスを扱う。第三節はアレクサンドロスまでの前4世紀で、プラトンとアカデメイア、アリストテレスと逍遥学派、修辞術、歴史記述、劇、その他の詩の形式を扱う。
第VI章:ヘレニズム時代(The Hellenistic Age)
第一節はアテナイをたどり、新喜劇、アッティカ散文、哲学諸派を扱う。第二節は新しい中心地に移り、全般的特徴、カリマコス、テオクリトス、アポロニオス、エピグラム、劇、その他の詩、歴史記述、諸科学、偽ピュタゴラス文献、ユダヤ・ヘレニズム文学を扱う。
第VII章:帝国(The Empire)
最終章はローマ帝国下の文学を、詩と散文の二部で扱う。散文には、プルタルコス、第二ソフィスト思潮、歴史家と地誌家、散文ロマンスと書簡文学、後期の第二ソフィスト思潮、哲学、諸科学が含まれる。
主要概念
第I〜IV章
- 伝承:古代のテクストがどのように保存され、受け継がれたか。以後のあらゆる判断の基礎である。
- ホメロスの叙事詩と叙事詩環:ギリシア最古の大規模な詩群と、それに関連する詩。
- アルカイック抒情詩:第IV章で扱う初期の抒情詩。合唱抒情詩、エピグラム、スコリオンを含む。
- 劇の始まり:第V章で扱うジャンルの起源。
第V〜VI章
- 古典期の劇と歴史記述:アテナイの悲劇、喜劇、歴史の叙述。
- ソフィストと修辞学:教育、論証、弁論の理論を結びつける思想運動。
- ヘレニズム時代:古典期の都市国家の後の時代。目録では、カリマコス、テオクリトス、アポロニオスがアテナイと新しい中心地の項に置かれている。
第VII章
- 第二ソフィスト思潮:ローマ帝国の修辞文化。
- 散文ロマンス:目録で書簡文学と並べられている、小説に似た散文の物語。
批判的分析
長所
- 一巻本での連続した網羅。 目録はテクストの伝承から始まり、ホメロス、アルカイック期と古典期、ヘレニズム期を経て、ローマ帝国に至る。作家とジャンルを一つの叙述の中でたどることができる。
- 作品の要約。 出版社によれば、取り上げる作品の丁寧な要約があり、すべてのテクストを読んでいるわけではない読者に向いている。
- 学問上の論争の紹介。 出版社はまた、論争の激しい点についての慎重な論争紹介にも触れており、読者は証拠がどこで争われているかを知ることができる。
- 評価の定着。 モーゼス・ハダス(Moses Hadas)は『The Classical World』で、ギリシア文学を学ぶ者が本棚にテクスト、辞書、文法書のほかに一冊しか置けないなら、それはレスキーであるべきだと書いた。『Saturday Review』はこれを傑作と呼んだ。
短所
- 20世紀半ばの著作。 英語版は1963年のドイツ語版と1966年の翻訳に由来し、1996年のハケット版は復刊である。その後の研究は反映されておらず、読者はより新しい資料が必要になる。
- 時代区分による構成。 本書は時代ごと、さらに作家ごとに配列されているため、悲劇や歴史記述のような一つのジャンルを知りたい読者は、複数の章をまたいでたどる必要がある。
- 大きさと詳しさ。 約920ページで詳細な要約を含むため、最初の入門書というより参照すべき本である。
コースにおける位置づけ
古典文学のリストの中で、レスキーはギリシア側の大規模で権威ある文学史である。アランの Classical Literature: A Very Short Introduction とラザフォードの Classical Literature: A Concise History は、ギリシアとローマの文学をより短く概観するもので、どちらも最初に読むのに適している。ラザフォードは時代ではなくジャンルで本を編成し、英訳を多く引用している。Latin Literature: A History はローマ側に対応する本格的な文学史で、レスキーと合わせれば両方の文学を詳しく扱える。
リストにある『イリアス』と『オデュッセイア』は、レスキーの第III章が要約し論じる作品に含まれる。『アエネーイス』はローマ側に属する。まず短い概説を読み、次に該当する原典、そしてレスキーの対応する箇所へ進むとよい。
本書の使い方
主要なギリシアのテクストを翻訳で読み、古代史の一般的な知識を持つ古典学・比較文学の学生に向いている。ギリシア語は役に立つが必須ではない。
最初から通読しないこと。章と節の見出しを参照用に使う。『イリアス』『オデュッセイア』を読むときは第III章を、抒情詩の選集にはアルカイック期の各節を、学んでいる悲劇・喜劇・歴史には第V章を添える。第I章と第II章は、文学がどう残ったかの背景として早めに読む。要約はまだ読んでいない作品の位置づけに、論争の紹介は後の研究が取り組む問いを見つけるのに使う。
