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Beginning Postcolonialism(はじめてのポストコロニアリズム) cover

文学

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Beginning Postcolonialism(はじめてのポストコロニアリズム)

John McLeod

英語原題: Beginning Postcolonialism

Manchester University Press の Beginnings シリーズに属する、ポストコロニアルの文学・文化研究への入門書で、初めてこの分野に触れる学部生向けに書かれている。McLeod は、ポストコロニアリズムが学問としてどのように生まれたかを説明し、確立した批評的アプローチと近年の展開を示し、その鍵となる考え方を文学テクストを読む際にどう応用できるかを示す。

前提知識: ポストコロニアル理論の予備知識は前提としない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
postcolonial literaturepostcolonial theorycolonial discoursediasporanationalism入門

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

McLeod, J. (2010). Beginning Postcolonialism (2nd ed.). Manchester University Press. Beginnings series.

章の要約

マンチェスター大学出版局の「ビギニングズ」シリーズの一冊である第2版は約350ページで、第2版への序文、序論、8つの章、ラドヤード・キプリングの詩「陸路郵便(山地への徒歩便)」を再録した付録、読書案内、索引からなる。出版社は本書を、ポストコロニアル研究の学部課程を初めて履修する学生向けに書かれ、この分野の主要な関心事を「明快で、取り組みやすく、整理された仕方で」示すものと説明している。本書は、ポストコロニアリズムが一つの学問分野として成立した経緯を概観し、その確立された批評的アプローチと最近の新しい取り組みを検討し、主要な考え方をテクストを読む際にどう応用できるかを示す。その目的は、学生が「ポストコロニアル批評の可能性と落とし穴」について自分で考えられるようにすることだとされる。

序論

序論は、この分野に初めて触れる読者に向けて本書を開く。出版社は、アプローチの多様さと批評用語のために、新しい学生が足場を見つけにくいことがあると述べている。

第1章:「コモンウェルス」から「ポストコロニアル」へ

題が示すとおり、最初の章はこの学問分野の成立を、「コモンウェルス」文学の研究からポストコロニアル研究へとたどる。ポストコロニアリズムがいかに一つの分野となったかを概観するという出版社の説明に対応する章である。

第2章:植民地言説を読む

この章は植民地言説、すなわち植民地権力が書き物の中でどのように表象され正当化されたか、そしてそうしたテクストをどう読むかに向かう。付録に収められたキプリングの詩は、読者が練習に使える植民地時代のテクストとなる。

第3–4章:ナショナリズムによる表象、問い直される国民

国民をめぐる2つの章で、国民はポストコロニアルの著作と批評の中心的な関心事である。前者はナショナリズムによる表象を取り上げ、後者は題が示すとおり国民という観念そのものを問いに付す。こうして2章は、ナショナリズムからその批判へと進む。

第5章:英文学を読み直し、書き直す

この章は正典的な英文学をポストコロニアルの視点から扱う。以前の作品の批判的な読み直しと、それらを書き直す後の著作の両方である。

第6章:ポストコロニアリズムとフェミニズム

この章は、ポストコロニアル批評とフェミニズム批評の関係を検討する。

第7章:ディアスポラのアイデンティティ

ここで焦点は移住と、ディアスポラ共同体のアイデンティティへと移る。

第8章:ポストコロニアリズムの限界?

問いの形をとった最終章は、この分野の限界を考察する。ポストコロニアル批評の可能性だけでなく落とし穴にも学生の目を向けさせるという本書の目的に沿った章である。

主要概念

序論と第1–2章

  • ポストコロニアリズム:文学・文化研究の一分野で、本書はそれが学問分野として成立した経緯をたどる。
  • コモンウェルス文学:旧英国植民地の著作を研究するための以前の枠組みで、第1章で「ポストコロニアル」と対置される。
  • 植民地言説:植民地主義が表現され正当化された言語と表象。

第3–5章

  • ナショナリズムによる表象:ナショナリズムが国民とその人々を表象する仕方。
  • 国民を問い直す:ポストコロニアルの著作の枠組みとしての国民に対する批判的な吟味。
  • 読み直しと書き直し:英文学の正典を読み直し、それに応答して書くこと。

第6–8章

  • ポストコロニアリズムとフェミニズム:二つの批評の伝統が出会う地点。
  • ディアスポラ:故郷から離れる移住によって形づくられた共同体とアイデンティティ。
  • ポストコロニアリズムの限界:この分野が何をなしえず、何を説明できないかをめぐる議論。

批判的分析

長所

  • この分野に初めて触れる人向けに書かれている。 出版社は本書を、ポストコロニアル研究に初めて触れる学部生向けと位置づけ、明快さと整理を強調している。「ビギニングズ」シリーズはまさにこの目的のために作られている。
  • 理論と読解の結びつき。 出版社は、本書がポストコロニアルの考え方をテクストにどう応用できるかを示す点を強調しており、付録はまさにそうした練習のための短い植民地時代の詩を提供している。
  • 一貫した順序。 章題は、学問分野の歴史から、植民地言説と国民を経て、正典、ジェンダー、ディアスポラへと進み、分野の限界についての問いで終わる。授業にとってわかりやすい順序である。
  • 自立した判断を促す。 本書の紹介は、その目的を、一つの立場を受け入れさせることではなく、学生がポストコロニアル批評について自分の考えを育てられるようにすることとしている。

短所

  • 2010年の版。 ここに挙げられている第2版は2010年に出たもので、それ以降のこの分野の議論は含まれない。
  • 深さより広さ。 8章で広い分野を扱うので、各主題(国民、フェミニズム、ディアスポラ)には1章ずつしか割かれず、特定の領域について書く学生には、より専門的な研究が必要となる。
  • アンソロジーではなく入門書。 一次テクストはキプリングの詩一篇だけなので、論じられる文学作品や理論的著作は別に読まなければならない。

コースにおける位置づけ

ポストコロニアル文学・エスニック文学のコースで、マクラウドは最初に読むべき本であり、この分野の歴史、概念、論争への案内である。エレケ・ボーマーの『植民地文学とポストコロニアル文学 移住する隠喩』は自然な次の一歩で、帝国の文学からポストコロニアルの小説や詩に至る英語の著作を、精読とともに批評的・歴史的に説明する。ビル・アシュクロフト、ガレス・グリフィス、ヘレン・ティフィンの『ポストコロニアルの文学』とエドワード・サイードの『文化と帝国主義』は、マクラウドの各章が準備する基礎的な理論書であり、正典的テクストについてのサイードの対位法的読解は、英文学の読み直しを扱う章と直接関わる。グロリア・アンサルドゥーアの『ボーダーランズ/ラ・フロンテラ』とモニク・トゥルンの『塩の本』は、ナショナリズム、フェミニズム、ディアスポラに関する章を応用できる一次作品である。

本書の使い方

本書は、ポストコロニアル研究を始める学部生や、整理された入門を求める読者に向いており、ポストコロニアル理論を学んだ経験は前提としない。

  • 最初は順に読む。 各章は学問分野の歴史からその論争へと積み上がっていくので、序論と第1–2章を他の章より先に読むのがよい。
  • 付録で練習する。 第2章の後でキプリングの詩を読み、植民地言説へのアプローチを試してみる。
  • 章とテクストを組み合わせる。 第3–4章は国民を扱う小説と、第5章は英文学の正典的テクストとそのポストコロニアルな書き直しと、第6–7章は『ボーダーランズ/ラ・フロンテラ』や『塩の本』と並行して読む。
  • 読書案内を使う。 それをたどって本書が紹介する理論家へ進み、その後ボーマー、アシュクロフトらの著作、サイードへと移る。
  • 第8章で締めくくる。 分野の限界という問いには、判断するのに十分な材料がそろった授業の終わりに戻るとよい。