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A Brief History of American Literature(アメリカ文学小史) cover

文学

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A Brief History of American Literature(アメリカ文学小史)

Richard Gray

英語原題: A Brief History of American Literature

アメリカ合衆国の文学を専門とする Richard Gray による、起源から21世紀初頭までのアメリカの著述の簡潔な歴史で、同じ著者の大部の History of American Literature を簡約したもの。作家や運動をこの国の社会史・政治史と結びつけながら、一つの連続した叙述にまとめている。

前提知識: アメリカ文学やアメリカ史の予備知識は前提としない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Gray, R. (2011). A Brief History of American Literature. Wiley-Blackwell.

章の要約

本書は Richard Gray のより大部な History of American Literature の縮約版である。アメリカの書き物の歴史を五つの長い章で語り、各章は短い導入の節(「国家をつくる」「国家を再建する」など)で始まり、そのあと主題別の節に分かれる。巻末に索引があり、本文は約370ページである。Wiley は、本書が小説、詩、戯曲、ノンフィクションに加えて、民話、黒人霊歌、探偵小説、スリラー、SF をも扱い、過去20年間にアメリカ文学の理解がどう変わったかを反映していると説明している。Journal of American Studies(2012年)で本書を評した Judie Newman は、これを多元的なアメリカ文学像を推し進めてきた Gray の長年の仕事のなかに位置づけ、少なくとも部分的には知的な一般読者に向けて書かれていると述べている。

第1章:最初のアメリカ人たち:植民地期と独立革命期のアメリカ文学

Wiley が無料の抜粋として公開しているこの章は、「エデンを想像する」という節で始まる。そこでは、歴史の外にある新しい土地としてのアメリカというヨーロッパ人の夢と、それがそれ以前のアメリカの人々の生をいかに消し去ったかが論じられる。続いて、ピューリタンの物語(摂理の意味を探る試みとして読まれるブラッドフォードの『プリマス植民地について』とウィンスロップ)、アン・ハッチンソンのようなピューリタン体制への挑戦、『最後の審判の日』や『ベイ詩篇歌集』に始まる植民地期の詩、メアリー・ローランドソンの捕囚体験記、サラ・ケンブル・ナイトとウィリアム・バードの世俗的な旅日記、ピューリタニズムの二つの展開としてのジョナサン・エドワーズとベンジャミン・フランクリン、アビゲイル・アダムズのような独立革命の「もう一つの声」、ジュピター・ハモンやフィリス・ホイートリーら初期のアフリカ系アメリカ人詩人が順に扱われる。章の最後はチャールズ・ブロックデン・ブラウンで、その小説はポー、ホーソーン、メルヴィル、クーパーを先取りするものとして示される。

第2章:複数のアメリカを発明する:アメリカ文学の形成 1800–1865

「国家をつくる」という導入のあと、この章は四つの節からなる。アメリカの神話の形成、アメリカ的自己の形成、複数のアメリカの形成、そしてアメリカの小説と詩の形成である。索引によれば、エマソン、ダグラス、先住民の書き物、黒人霊歌と民謡、ポー、メルヴィル、ホイットマン、ディキンソンが扱われており、この時代の正典的作家が奴隷体験記などの声と並べて置かれている。

第3章:過去を再建し、未来を再想像する:アメリカ文学の展開 1865–1900

「国家を再建する」のあと、地方主義文学、リアリズムと自然主義、女性の書き物、そして再び「複数のアメリカ」の節が続く。索引では、ヘンリー・ジェイムズ、ケイト・ショパン、スティーヴン・クレイン、セオドア・ドライサーがこの章に位置づけられている。

第4章:新しくせよ:近代アメリカ文学の出現 1900–1945

約90ページのこの章は、「変わりゆく国民的アイデンティティ」から、「ヴィクトリア朝とモダニズムのあいだ」「モダニズムの発明」「伝統主義、政治、預言」「共同体とアイデンティティ」を経て「大衆文化と作家」に至る。パウンド、T. S. エリオット、スティーヴンズ、フィッツジェラルド、フォークナー、ヘミングウェイ、ヒューズ、ハーストンが登場し、先住民の声やハードボイルド探偵小説も扱われる。

第5章:アメリカの世紀と渡り合う:1945年以降のアメリカ文学

120ページを超える最も長い最終章は、「トランスナショナルな国家へ」で始まり、そのあと七つの節が続く。形式主義者と告白派、公的な歴史と私的な歴史、ビート派・預言者・唯美主義者、人種の芸術と政治、リアリズムとその不満、言語とジャンル、新しいアメリカの創造である。索引によれば、ロバート・ロウエルとプラス、ロス、デリーロ、コーマック・マッカーシー、エリソン、ボールドウィン、モリスン、テネシー・ウィリアムズ、ピンチョン、SF とウォルター・モズリー、マキシーン・ホン・キングストン、N・スコット・ママデイ、レスリー・マーモン・シルコウ、ルイーズ・アードリックがこの章で論じられる。

主要概念

植民地期から南北戦争まで(第1〜2章)

  • エデンとしてのアメリカ:歴史の外にある新しい土地というヨーロッパ人の観念。アメリカがどのように言葉で書き出されたかを形づくった。
  • 摂理の物語:あらゆる出来事を神の計画の一部として読むピューリタンの習慣。第1章はそれがアメリカの書き物に長く痕跡を残したと論じる。
  • 捕囚体験記:ローランドソンのような、先住民に捕らえられた体験の記録。初期アメリカの文学形式。
  • 複数のアメリカ:先住民やアフリカ系アメリカ人の声をはじめ、支配的文化の外にある集団の書き物を扱うために Gray が繰り返し用いる見出し。

再建期から現在まで(第3〜5章)

  • 地方主義、リアリズム、自然主義:南北戦争後に続いた文学運動。
  • モダニズム:20世紀初頭の「発明」。伝統主義的・政治的な書き物と対比される。
  • 大衆文化とジャンル:探偵小説や SF のような大衆的形式も歴史の一部として扱われる。
  • トランスナショナルな国家:人種の政治や新しいエスニック文学を含む、1945年以降の書き物の枠組み。

批判的分析

長所

  • 始まりから現在まで一続きの叙述:五つの章が植民地期の書き物から21世紀までの物語を運ぶ。Wiley が掲載する Andrew Hook、Paul Giles、Susan Castillo の推薦文は、その範囲の広さと、全体を見渡す読みやすい扱いを称賛している。
  • 多元的な歴史:どの章も「複数のアメリカ」に場所を与え、先住民、アフリカ系アメリカ人、女性、エスニックの書き物が正典的作家と並ぶ。Newman はこの多元主義を Gray の仕事を貫く糸とみている。
  • ジャンル文学を真剣に扱う:霊歌、民謡、探偵小説、スリラー、SF が、付録としてではなく文学史の一部として登場する。
  • 議論をもつ読みやすい文章:見本の章は方法をよく示している。短い伝記的・歴史的な枠づけ、個々の作品への細かな注意、そしてブロックデン・ブラウンの読解に見られるような、後の書き物への影響についての主張である。

短所

  • 縮約版であること:より長い文学史を凝縮しているため、個々の作家にはしばしば数ページしか割かれない。より深く知りたい読者は完全版の History of American Literature に当たるとよい。
  • 主題別の節が年代を横切る:各時代が主題で分けられているため、一人の作家が複数の箇所に現れることがあり、一人の書き手を追うには索引を使うのが最もよい。
  • 終わりの部分の古さ:2011年刊行の本書は21世紀最初の10年で終わっており、より最近の文学は範囲外である。

コースにおける位置づけ

アメリカ文学のコースのなかで、本書は二冊の短い文学史のうち、より詳しいほうである。Mario Klarer の A Short Literary History of the United States は、時代と運動ごとに整理され用語集を備えた、より簡潔な概説である。方向をつかむためにまず Klarer を読むか、手早い復習に使い、作家と作品についての連続した議論には Gray を使うとよい。Gray の各章は、テクストそのものを提供する The Norton Anthology of American Literature とも自然に組み合わさる。アンソロジーの各単元を読む前に、Gray の対応する節を読むとよい。

リストにある個々の作品も Gray の章に収まる。索引によれば、Moby-Dick は第2章の「アメリカの小説と詩の形成」の節で、Richard Wright の Black Boy は第4章の「共同体とアイデンティティ」の節で、Toni Morrison の Beloved は第5章の「人種の芸術と政治」の節で論じられている。Leo Marx の The Machine in the Garden は牧歌的理想についての持続的な批評的議論であり、エデンとしてのアメリカという夢を扱う Gray の冒頭の節はその有益な背景となる。

本書の使い方

本書はアメリカ文学とアメリカ研究の学生、および一般読者に向けられており、アメリカ文学や歴史の予備知識は前提としない。概説の授業では、各章の冒頭の節で時代の枠組みをつかみ、その週に読む作家を扱う主題別の節を読むとよい。一人の作家について章をまたいで述べられていることを集めるには索引を使う。

文体が自分に合うかどうかは、Wiley のウェブサイトにある無料の見本章で確かめられる。レポートを書く際には Gray を地図と出発点として扱い、彼が時代のあいだに引く結びつき(たとえばブロックデン・ブラウンからポーやホーソーンへ)を書き留め、一次テクストで確かめ、より詳しい批評研究で掘り下げるとよい。2010年以降の文学については、より新しい資料が必要である。