01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Dixon, M., Bignell, J., & Hopkins, N. (Eds.). (2024). Megarry & Wade: The Law of Real Property (10th ed.). Sweet & Maxwell.
章の要約
第10版は34章と2つの付録からなる。出版社は本書を、イングランドの不動産法の全体を、不動産譲渡、賃貸借、遺言と無遺言相続といった関連主題とともに1巻にまとめたものと紹介している。初版は1957年で、法を歴史的な文脈の中に置く。まず実体的な領域を紹介し、そのうえで競合する権益の間に生じる優先関係の問題を扱う。以下は目次の順に、主題ごとにまとめた。
第1–4章:Introduction;Tenures and estates;Estates;Possession of land
冒頭の章が、この分野の枠組みを示す。序論、保有(tenure)と地産権(estate)の理論、地産権そのもの、土地の占有である。出版社は、本書が土地法の発展を歴史的な文脈に置くと述べており、その土台はここから始まる。
第5–7章:Unregistered conveyancing: titles and incumbrances;Registration of title;Adverse possession and limitation
権原がどう証明され保護されるかを扱う。未登記の不動産譲渡、登記された土地、そして逆占有と時効による権利の取得である。
第8章:Perpetuities and accumulations
永久拘束と収益の累積に関する規則を扱う章。出版社は、これを他の書籍が扱わない主題として挙げている。
第9–13章:The use of trusts in the law of real property;Creating trusts of land;The Trusts of Land and Appointment of Trustees Act 1996;Co-ownership;Wills and intestacy
土地と信託を結びつける5章。不動産法における信託の利用から、土地信託の設定、1996年法、共有、そして遺言と無遺言相続へと進む。
第14–15章:Contracts of sale;Proprietary estoppel
土地売買契約と、財産的エストッペル。
第16–22章:The nature and creation of leases;Determination of tenancies;Common obligations of landlord and tenant;Leasehold covenants;Leasehold conveyancing;Security of tenure;Fixtures
長い賃貸借の部分。賃貸借の性質と設定から、終了、賃貸人と賃借人の義務、賃借権に関する約款、賃借権の譲渡、賃借の保護へと進み、最後は付合物(fixtures)で終わる。
第23–25章:The nature and creation of mortgages and charges;The rights of the parties under a mortgage or charge;Priority of mortgages
抵当権と担保権を3段階で扱う。性質と設定、当事者の権利、優先順位である。
第26–30章:The nature of easements and profits;The creation of easements and profits;Enforcement and extinguishment of easements and profits;Species of easements and profits;Other incorporeal hereditaments
地役権と収益権について5章(性質、設定、実現と消滅、種類)、そのあとに他の無体の相続可能財産が続く。
第31–34章:Freehold covenants;Commonhold;Licences;Legal incapacity
最後の章は、自由保有権の約款、コモンホールド、使用許諾(ライセンス)、法的無能力を扱う。
付録A–B
付録Aは、地産権、権益、所有権、占有に関する歴史的資料を収める。付録Bは継承的権益、すなわち信託設定地(settled land)を扱う。出版社は本書を、他では容易に見つからない歴史的資料の宝庫と述べている。
主要概念
地産権と権原(第1–8章)
- 保有と地産権:イングランドの土地保有の歴史的な基礎。
- 未登記と登記の権原:権原を証明し保護する二つの制度。
- 逆占有と時効:占有による権利の取得。
- 永久拘束と収益の累積:将来の権益の存続期間に対する制限。
信託、共有、取引(第9–15章)
- 土地信託:1996年法の章の主題。
- 共有:土地の共同所有。
- 売買契約と財産的エストッペル:合意や行為から権利が生じる仕組み。
賃貸借、抵当、より小さな権利(第16–34章)
- 賃借権の約款と賃借の保護:賃貸借の中の義務と保護。
- 抵当権の優先順位:競合する抵当権の順位づけ。
- 地役権と収益権、自由保有権の約款、使用許諾:所有権には至らない、土地に関する権利。
- コモンホールド:第32章で扱われる所有の形態。
批判的分析
長所
- **1冊で全体を見渡せる。**34章が、地産権と登記から賃貸借、抵当、地役権、約款、使用許諾まで分野全体を覆い、遺言・無遺言相続や付合物といった関連主題も加える。
- **珍しい主題も含む。**出版社は、遺言と永久拘束の章、そして信託設定地や地代負担に関する資料を、他の書籍が扱わない側面として挙げている。付録には地産権と信託設定地に関する歴史的資料も残されている。
- **権威。**出版社は、裁判所でしばしば引用され、議会の立法起草者にも用いられると述べている。編者は2人の研究者と、実務弁護士の Janet Bignell KC である。
- **多数の判例引用。**出版社によれば、法が実務でどう適用されるかを示す判例の引用が豊富で、競合する権益の優先関係に生じる問題も取り上げている。
短所
- **専門書であって、最初の教科書ではない。**構成は法の区分に従い、保有と地産権から始まるので、土地法の授業をすでに終えていることが前提になる。
- **分量。**34章と2つの付録があり、通読するのではなく主題ごとに参照する本である。
- **歴史的な比重。**出版社は歴史的資料を強調している。法がなぜそう発展したかを問う問題には役立つが、現代の土地法の多くの問題には必要以上である。
コースにおける位置づけ
不動産法・土地法の書目の中で、最も大きく詳細な本である。Land Law Directions と Modern Land Law は入門的な教科書で、前者は平易な言葉で図や設例を備え、後者は簡潔な叙述型であり、最初の土地法の授業に属する。Elizabeth Cooke の Land Law は連続した文章で書かれた短い入門書で、細部に入る前にこの分野の輪郭をつかみたい読者に合う。Land Law: Text, Cases, and Materials は抜粋と解説を組み合わせ、登記された土地とエクイティに特に注意を払っており、第2段階の授業に自然に合う。
Gray 夫妻の Elements of Land Law は財産の概念について長く考察する学術的な専門書で、理論に関心のある読者に向く。Megarry と Wade は、規則とその歴史をより完全に述べる。教科書のあとで、小論文や卒業論文が法の正確な記述を必要とするときに使うとよい。
本書の使い方
本書は、土地法の小論文や卒業論文を書く最終学年の学部生、大学院生、学生用教科書より正確な記述を必要とする実務修習生に向く。土地法の授業を修了していることが、妥当な出発点である。
実用的な読み方:
- **通読しない。**目次か制定法の表から入り、該当する章を通して読み、脚注から判例に進む。
- **多くの授業の中核となる章:**第2–7章(地産権、登記、逆占有)、第10–12章(土地信託と共有)、第15–16章(エストッペルと賃貸借)、第23–25章(抵当)、第26–30章(地役権と収益権)。
- **専門的な章:**第8章(永久拘束)、第13章(遺言)、第22章(付合物)、第32章(コモンホールド)、そして問題が歴史的・技術的な細部にかかるときの付録。
- **教科書と照合する:**専門書による規則の記述を主教材と比べ、法がなぜ現在の形になったのかを問われたときには、歴史的資料を使う。
