01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Cane, P., & Goudkamp, J. (2018). Atiyah's Accidents, Compensation and the Law (9th ed.). Cambridge University Press.
章の要約
第9版は約530ページで、「Law in Context」叢書の一冊である。ケンブリッジ大学出版局は、人身傷害法における最近の継続的な展開を、関連する法原則に社会的文脈を適用して探究する本だと説明している。不法行為法の教義を言い直すものではなく、過失責任法が負傷者を補償する他の方法とどう比べられるか、そして制度全体が何を達成しているかを問う。十八章は六つの部にまとめられ、以下に目次の章題とともに示す。
第1部、第1章:Introduction: surveying the field
第1部は一章のみで、部の題は「The Issues in Perspective」。この分野を概観し、本書が以後追究する問いを提示する。
第2部、第2–7章:The Tort System in Theory
第2部は、不法行為法を事故被害者を補償する制度として検討する。章は「Fault as a basis of liability」「The scope of the tort of negligence」「Departures from the fault principle」「Causation and remoteness of damage」「Damages for personal injury and death」「An appraisal of the fault principle」である。過失原理から、その限界、因果関係と損害賠償の規則を経て、批判的評価へと進み、本書の評価的な姿勢に法的な土台を与える。
第3部、第8–10章:The Tort System in Operation
第2部が規則を見るのに対し、第3部は請求が実際にどう進むかを見る。章は「Claims and claimants」「Tortfeasors and insurers」「Settlements and trials」である。出版社によれば、本版の更新には、補償額の算定と請求の方法の変化、人身傷害訴訟の資金調達の変化、請求管理業界の変動が含まれ、これらはこの主題の実務的な側面に属する。
第4部、第11–14章:Other Compensation Systems
第4部は不法行為制度を代替手段と並べる。第11章は「First-party insurance」、第12章は「Compensation for criminal injuries」、第13章は「The social security system」、第14章は「Other forms of assistance」である。出版社の紹介は、社会保障、私的保険、犯罪被害補償を比較される制度に挙げている。
第5部、第15–17章:The Overall Picture
第15章「A plethora of systems」は、さまざまな制度をまとめる。第16章「The cost of compensation and who pays it」は制度の費用と資金を検討し、第17章「The functions of compensation systems」は、補償が何を達成しようとしているかを扱う。
第6部、第18章:The Future
最終章「Accident compensation in the twenty-first century」は将来を見通す。出版社は、論じられる原則が抜本的な改革を必要としていると述べ、最終章は制度全体の将来を見据える。
主要概念
第2部:理論上の不法行為制度
- 過失原則:被告の過失に基づく責任。責任の根拠として検討され、第7章で評価される。
- 過失(ネグリジェンス):その範囲と、過失原則からの逸脱。
- 因果関係と遠隔性:回復できる範囲の限界。
- 人身傷害と死亡の損害賠償:補償額の算定。
第3部:運用されている不法行為制度
- 請求と請求者:実際に誰がどのように請求するか。
- 不法行為者と保険者:誰が支払うかにおける責任保険の役割。
- 和解:大半の請求が裁判によらずに終わる仕組み。
第4–6部:他の制度と全体像
- 第一者保険、犯罪被害補償、社会保障:負傷者への金銭の主な非不法行為的な源。
- 補償の費用:制度全体を誰が資金供給し、誰が負担するか。
- 補償制度の機能:事故被害者を補償する目的。
批判的分析
長所
- **教義的な科目への文脈的アプローチ。**不法行為を保険、社会保障、犯罪被害補償と並べることで、教義中心の教科書が答えない問いに答える。実際に支払われる補償のうち、不法行為による補償はどれだけか。
- **構成に組み込まれた評価。**過失原則の評価、補償の費用の検討、補償制度の機能の論述は、制度全体を判断する根拠を与え、理論、実務、文脈のバランスをとるという出版社の説明と一致する。
- **実務への注意。**請求、保険者、和解が実際にどう機能するかに一つの部全体を充てており、規則にとどまらない。
- **新しい執筆者。**第9版はPeter CaneとJames Goudkampによるもので、出版社によれば新しい立法、研究、判例を取り入れ、議論は2018年まで更新されている。
短所
- **年代。**本版は2018年の刊行なので、それ以降の資金調達、請求実務、法の変化は扱われていない。
- **範囲。**Google ブックスの頻出語記録は、犯罪被害補償制度、国民保険、ピアソン委員会といった英国の機関を指しており、比較の対象は英国の制度である。
- **改革の主張。**出版社は原則が抜本的な改革を必要としていると述べている。本書は論証をともなう評価として扱い、その結論を他の見解と比べるべきである。
- **教義の教科書ではない。**読者がすでに過失と損害賠償を知っていることを前提とし、不法行為法の教科書の代わりにはならない。
コースにおける位置づけ
不法行為法のグループは、主として一般的な教科書からなる。HorseyとRackleyのTort Law、McBrideのTort Law、そして規則を述べるStreet on Torts、Winfield and Jolowicz on Tort、Markesinis and Deakin's Tort Lawなどである。より専門的な著作もある。StevensのTorts and Rightsは不法行為を権利の保護として理解する理論的な研究書であり、Gatley on Libel and Slanderは単一の分野についての体系書である。
不法行為法が、より広い事故補償の制度の中で何をしているのかを問うなら、Atiyahの本を読むべきである。不法行為法の講義を終え、過失と損害賠償になじんだ後に読み、過失原則、補償の改革、あるいは不法行為と保険・社会保障の相互作用についてのレポートに用いる。Stevensの理論的な説明が不法行為とは何かを問うのに対し、この本はそれが何を達成するかを問うので、両者は補い合う。
本書の使い方
出版社によれば、本書は不法行為法の授業を受ける学部生と大学院生向けに書かれており、過失と損害賠償を含む不法行為の講義を終えていることを前提とする。
実際的な進め方は次のとおり。
- まず第1章を読み、本書が立てる問いを確認する。
- 第2部は教義の復習として使い、過失、因果関係、損害賠償を復習し、過失原則の評価である第7章を規則から評価への転換点として読む。
- **第3部・第4部は比較のために読む。**実務で何が起こり、どんな代替手段があるかがわかり、補償制度についてのレポートの材料になる。
- 第5部と第18章で締めくくり、全体的な評価と改革の主張を知る。
- 併読として、本版が2018年のものであるため、資金調達や請求に関する最近の動向を把握しておく。
