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Torts and Rights(不法行為と権利) cover

法学

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Torts and Rights(不法行為と権利)

Robert Stevens

英語原題: Torts and Rights

Robert Stevens による研究書で、不法行為法は権利の法として理解するのが最もよいと論じる。不法行為とは損害を違法に生じさせることではなく、ある人が他者に対してもつ権利の侵害であるという主張を、イングランドの判例との綿密な対話を通じて展開する。

前提知識: 不法行為法の科目を修了し、ネグリジェンス、経済的不法行為、主要な救済について十分な知識があること。

難易度レベル
上級
学術レベル
上級
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Stevens, R. (2009). Torts and Rights. Oxford University Press. ペーパーバック版。ハードカバー版の初版は2007年。

章の要約

Torts and Rights は、不法行為法に関する、一つの主張に貫かれた全16章の研究書である。出版社の説明では、出発点は、不法行為法が一次的権利の侵害から生じる二次的義務を扱うというもので、この一見単純な命題によって、コモン・ローの不法行為法を理解できるとする。本書は主にイングランドの資料に依拠しつつ、他のコモン・ロー法域も大いに参照し、不法行為法の講義でなじみのある中心的な素材を一つの主張を支えるために用いる。冒頭にはLord Hoffmannの序文が置かれている。章題は以下のとおり。

第1–2章:Introduction; Rights

序論が議論の口火を切り、第2章のRightsがモデルの下地を整える。不法行為法を、一次的権利が侵害されたときに生じる二次的義務の法として捉える。

第3–4章:Loss; Remedies

LossとRemediesは、権利が侵害された場合に請求者が何を示す必要があり、その後に何が生じるかを扱い、損失と救済的措置を権利に基づく説明のなかに位置づける。

第5–7章:Fault; Remoteness; Causation

不法行為責任のなじみ深い要素である過失、遠因性、因果関係を、権利に基づく説明のなかで論じる3章。

第8–9章:Privity; Concurrent Liability

契約の相対性と競合責任、すなわち不法行為と契約が交わるところで生じる問題を取り上げる章。

第10–12章:Attribution; Accessories; Public Bodies

帰責、共犯的関与、公的機関を扱う3章。他人の行為に対する責任、他人の不法行為に関わる責任、公的機関の地位が論じられる。

第13–16章:Policy; Classification; Comparison; Conclusion

終わりの章は、政策、分類、比較を扱い、結論で終わる。ここで本書は、自らのモデルを不法行為法についての他の考え方と並べる。

主要概念

第1–4章

  • 一次的義務と二次的義務:権利を侵害しない義務と、侵害から生じる義務。
  • 権利:その侵害を不法行為法が扱う一次的権利。
  • 損失と救済:権利に基づく説明のなかでの損失と救済的措置の扱い。

第5–9章

  • 過失、遠因性、因果関係:不法行為責任のなじみ深い要素を、権利に基づく説明のなかで論じたもの。
  • 契約の相対性と競合責任:不法行為と契約の関係。

第10–16章

  • 帰責と共犯的関与:他人の行為に関わる責任。
  • 公的機関:公的機関の不法行為責任。
  • 政策と分類:政策論の位置づけと、この分野の分類の仕方。

批判的分析

長所

  • 分野全体を貫く一つの主張。 一つの理論モデルを展開し、それを要素、被告、救済に当てはめるので、この分野を考え直すための包括的な枠組みとして機能する。
  • なじみのある素材に根ざす。 出版社は、不法行為法を理解している学生や実務家になじみのある中心的な素材に依拠すると強調しており、章題も過失、遠因性、因果関係、公的機関など、見慣れたものである。
  • 比較の広がり。 イングランドの判例を使いつつ、他のコモン・ロー法域を大いに参照する。
  • 反響。 主要な法律雑誌の書評が取り上げた。Peter CaneはModern Law Reviewで、広い読者に値すると書き、John MurphyはOxford Journal of Legal Studiesで、貴重な洞察に満ちていると評し、Sarah GreenはCambridge Law Journalで、提示の一貫性を否定できる人は少ないと書いている。
  • 読みやすい文体。 出版社は挑発的で親しみやすい文体と説明し、Philip BrodieはEdinburgh Law Reviewで、論争の味わいを加えて法を学びたい人に勧めている。

短所

  • 異論の余地のある主張。 Sarah Greenの書評は、読者がすべての結論に同意するとは限らないと述べており、一つの理論を主張するという意味で立場の明確な本である。
  • 実務家向けのテキストではない。 Brodieは、法廷でそのまま使える形に整えられた法を求める実務家向けの本ではないかもしれないと指摘している。
  • 時期的な制約。 初版が2007年であるため、その後の最高裁判決とそれに続く議論より前の書物である。
  • 入門書ではない。 出版社が想定する読者は、比較法、不法行為法、法理論の研究者と学生であり、議論は不法行為法の最初の説明ではなく、その中心的な素材から出発する。

コースにおける位置づけ

不法行為法のリストのなかで、理論的な研究書にあたる。HorseyとRackleyの Tort Law、Nicholas McBrideの Tort Law、Lunneyの Tort Law: Text and Materials、Christian Wittingの Street on Torts、Markesinis and Deakin、Winfield and Jolowiczの各書は、過失責任やその他の不法行為を扱い、不法行為法に初めて触れる読者向けの教科書である。Peter CaneとJames Goudkampの Atiyah's Accidents, Compensation and the Law は、不法行為を他の補償制度と並ぶ一つの制度として政策的・文脈的に捉えており、Stevensの権利に基づく説明と対照をなす。Gatley on Libel and Slander は名誉毀損の専門書である。Stevensは、標準的な不法行為法の教科書のあと、規則が何かという問いから、それらがどう組み合わさるかという問いに移るときに読むのが最もよい。

本書の使い方

不法行為法の科目を修了し、過失、因果関係、救済を知っている、私法理論に関心をもつ上級の学部生、大学院生、研究者に向く。

実際の読み方の例は次のとおり。

  • 核: モデルを扱う第1章と第2章、続いて損失と救済を扱う第3・4章。
  • 法解釈学的な章: 過失、遠因性、因果関係を扱う第5–7章を、それぞれについての標準的な教科書の説明と並べて読む。
  • 選択的に: 契約の相対性と競合責任を扱う第8・9章、公的機関を扱う第12章。
  • 結びの章: 政策、分類、比較を扱う第13–16章で、より広い議論を知る。
  • 併用するもの: Cane、Neyers、Greenらの書評を読み、StevensをCaneとGoudkampの補償に基づく見方と並べて検討する。