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The European Reformation(ヨーロッパの宗教改革) cover

歴史学

歴史学

The European Reformation(ヨーロッパの宗教改革)

Euan Cameron

英語原題: The European Reformation

ユーアン・キャメロンによる、16世紀ヨーロッパ全域の宗教改革を扱う学術的総合書。改革者たちが何を説いたのか、その主張がなぜ聖職者、都市民、貴族、君主を納得させたのか、新しい教会がどのように設立されたのかを説明し、神学と宗教変動が起きた社会的・政治的状況の双方に同じ比重を置く。

前提知識: 近世ヨーロッパ史または宗教改革の入門講義。キリスト教教義の基礎知識があると読みやすい。

難易度レベル
上級
学術レベル
学部
reformationearly modern europeprotestantismreligious historysixteenth century

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Cameron, E. (2012). The European Reformation (2nd ed.). Oxford University Press.

章の要約

1991年に初版が出た本書は、アイスランドからハンガリー、バルト海からピレネー山脈にいたる西ヨーロッパと中央ヨーロッパが、プロテスタントとカトリックという別個のアイデンティティと運動に分かれていった過程について、統合的な説明を示す。出版社の紹介が議論の輪郭を述べている。中世末のカトリシズムは一様に退廃していたわけではないが、神の恩寵を媒介するという主張が問われるとき、批判に弱かった。ルターが神による罪の赦しについて示した新しい理解は、儀礼、特別な聖職者身分、国際的な教会を不要に見せ、決定的な「宗教改革の瞬間」に、この考えが精神的・政治的・共同体的な生活のなかで燃え上がった。第二版は序論と、四つの部にわたる二十二の章からなり、最後の章が結論である。

序論:宗教改革とヨーロッパ

序論は主題と本書の取り組み方、すなわち神学的な観念と政治文化の結びつけを示す。

第I部 背景:第1–6章

第I部は宗教改革前夜の教会を検討する。「ヨーロッパの民衆の宗教」「教会の脆弱性」「内部からの「改革」とその限界」「外部からの挑戦とその限界」「異端:もう一つの教会か」「教会とキリスト教徒の魂」である。出版社によれば、中世末の信仰に関する部分は、この版で全面的に再編成され、拡充された。

第II部 改革者たちとそのメッセージ:第7–13章

この部は「「ルター事件」とその文脈」「改革者たちの回心」「改革の拒絶」から始まる。続く四つの章が、改革者のメッセージを順に述べる。救済、聖書、教会、秘跡である。これらが合わさって、何が説かれたかについての本書の叙述を構成する。

第III部 改革教会の確立:第14–17章

「改革の大義への不成功に終わった「帰属」」は、改革の大義への帰属が成功しなかったことを扱い、「自治都市」と「侯国と王国」は、異なる政治的環境で改革がどう確立されたかを扱い、「宗教改革を確立する動機?」は、当局がなぜそのように動いたのかを問う。

第IV部 「宗教改革の瞬間」を越えて:一時的な連合から成長する共同体へ:第18–22章

最後の部は、その後の展開を追う。各章は「自発的に集まる運動は「連合」を拒む」「危機、存続、政治における妥協」「対立する改革者たち:「confessional(信仰告白体制)」の宗教改革」「改革者と信徒:宗教文化の形成」、そして「結論」である。出版社によれば、宗教改革の瞬間のあとの文化的変化、すなわち礼拝、民間信仰、家族と共同体の生活に関する部分は、再編成され拡充された。

主要概念

第I–II部

  • 宗教改革の瞬間:ルターの考えがヨーロッパ各地で燃え上がった短い時期。
  • 教会の脆弱性:恩寵を媒介するという主張が、ある種の批判にさらされやすくしたこと。
  • 改革者たちのメッセージ:救済、聖書、教会、秘跡という四つの教義の筋。

第III–IV部

  • 一時的な連合:初期の運動で一つにまとまり、のちに分かれた支持者たちの連携。
  • 信仰告白体制の宗教改革:改革者たちが対立し、別々の信仰告白が形を取る段階。
  • 宗教文化:改革の考えによって形づくられた礼拝、民間信仰、家族と共同体の生活。

批判的分析

長所

  • 神学と政治の両立。 出版社が強調する特色は、初版から受け継がれたもので、神学的観念と政治文化を明快に統合し、神学史と社会史の橋渡しをする点にある。
  • 明快な四部構成。 背景、メッセージ、確立、その後という順で、中世末の教会から生まれた諸教会へと進み、救済、聖書、教会、秘跡についての連続する四章が教義の内容を探しやすくしている。
  • 読者への補助。 出版社は図表の使用に触れ、本書には地図6点と図2点がある。
  • 実質的に改訂された版。 本文は書き改められて更新され、文献目録も改訂され、中世末の信仰と宗教改革後の文化的変化についての新しい材料が加わっている。

短所

  • 分量。 注と推薦文献を含めて592ページあり、相当の覚悟が要る。
  • 範囲。 扱うのは西ヨーロッパと中央ヨーロッパで、この地域の外への宗教改革の広がりは枠外にある。
  • 教義への取り組みが前提。 改革者の教義的メッセージを述べる四章があり、キリスト教神学になじみのない読者は、追うために努力が要る。

コースにおける位置づけ

近世史のコースでは、キャメロンは宗教改革についての詳しい学術的な叙述である。マーシャルの『宗教改革:ごく短い入門』(The Reformation: A Very Short Introduction)は最も簡潔な出発点で、宗教改革をプロテスタントとカトリックの諸要素をもつ長期の過程として扱い、エイアの『諸宗教改革』(Reformations)は、プロテスタント、カトリック、急進派の宗教改革を併せて扱う叙述的な歴史である。ヴィースナー=ハンクスの『近世ヨーロッパ、1450–1789』(Early Modern Europe, 1450–1789)と、ベアト・キューミン編でウォーリック大学に由来する教科書『ヨーロッパ世界1500–1800』(The European World 1500–1800)は、より広い政治・社会・経済の背景を与える。パーカーの『全地球的危機』(Global Crisis)は十七世紀を世界規模で見る、時代が後で種類も異なる本である。

キャメロンは、より短い叙述のあとに読み、教義上および政治上の理由を詳しく知るための本として最も適している。

本書の使い方

近世ヨーロッパまたは宗教改革の入門を修めた学生に向き、キリスト教の教義に関する知識があれば第II部が読みやすい。初めて読むなら、序論、第II部、結論を先に読み、背景として第I部、政治的な解決として第III部を加える。宗教改革の授業では、改革者のメッセージを扱う四章をひとまとまりとして指定できる。

巻末の注と推薦文献をたどれば、特定の地域や改革者についての専門的研究に進める。先にマーシャルの小著を読んでおくと、キャメロンの詳細をかける骨組みが得られ、年表と信仰告白の分布を示す地図を手元に置けば、第III部が追いやすくなる。