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The European World 1500–1800: An Introduction to Early Modern History(ヨーロッパ世界 1500–1800:近世史入門) cover

歴史学

歴史学

The European World 1500–1800: An Introduction to Early Modern History(ヨーロッパ世界 1500–1800:近世史入門)

Beat Kümin (editor)

英語原題: The European World 1500–1800: An Introduction to Early Modern History

Beat Kümin が編集し、専門家のチームが執筆した近世ヨーロッパに関するテーマ別の教科書で、ウォーリック大学の学部授業から生まれた。ルネサンスとフランス革命のあいだの時代を、それ自体として躍動的な時代として扱い、ヨーロッパをより広いグローバルなつながりの中に位置づける。

前提知識: 近世史の予備知識は不要である。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Kümin, B. (Ed.). (2023). The European World 1500–1800: An Introduction to Early Modern History (4th ed.). Routledge.

章の要約

本書は編著の教科書であり、専門家チームによる38の章が6つの部に配され、冒頭の序論と、エピローグに当たる「Europe in 1800」で締めくくられる。出版社は、ルネサンスからフランス革命までの数世紀を扱う簡潔な教科書であり、近世ヨーロッパを単なる過渡期ではなく、それ自体として躍動する時代として提示すると説明している。第4版には、環境と飲食文化についての二つの新しい章が加わったとされる。各章は1人から3人の著者名が明記され、出版社によれば本書は学部の授業をもとにしている。

第I部:出発点(第1–2章)

第1章「Introduction」(Beat Kümin)と第2章「Europe in 1500」(Humfrey Butters)が、時代を枠づけ、出発点におけるヨーロッパ大陸を描く。

第II部:社会と経済(第3–9章)

この部は、「Environments」(John Morgan)、「Gender and Family」(Bernard Capp)、「Rural Society」(Steve Hindle)、「Urban Society」と「Marginals and Deviants」(いずれも Penny Roberts)、「Sickness and Health」(Claudia Stein)、「The Early Modern Economy」(Steve Hindle)を扱う。新しい環境の章はここに置かれている。

第III部:宗教(第10–15章)

第10章「Church and People at the Close of the Middle Ages」(Beat Kümin と Peter Marshall)に続いて、「The Long Reformation」という前置きと、宗派ごとの3つの章、すなわち「The Long Reformation: Lutheran」(Henry J. Cohn)、「The Long Reformation: Reformed」(Penny Roberts)、「The Long Reformation: Catholic」(Anne Gerritsen、Kevin Gould、Peter Marshall)が置かれる。部の終わりは「Religious Culture in Early Modern Europe」(Peter Marshall)と「Jews and Muslims」(Henry J. Cohn)である。

第IV部:より広い世界(第16–21章)

6つの章が、ヨーロッパを他の社会の中に位置づける。「Beyond Europe c. 1500」、「European Relations with the Ottoman World」、「Expanding Horizons」、「Europe Overseas」、「The Global Exchange of Goods」、「Europe and the World, c. 1800」である。著者には Anne Gerritsen、Anthony McFarlane、James E. Baldwin、Giorgio Riello らが名を連ねる。

第V部:文化(第22–29章)

8つの章が、「The Renaissance」、「Arts and Society」、「From Pen to Print – a Revolution in Communications?」、「Food and Drink Cultures」(もう一つの新しい章で、Rebecca Earle と Beat Kümin による)、「Popular Culture(s)」、「Witchcraft and Magic」、「The Scientific Revolution」、「Enlightenment」を扱う。

第VI部:政治(第30–37章)とエピローグ(第38章)

この部は二つの節からなる。概観の章は、「The Theory and Practice of Politics and Government, 1500–1800」、「Dynastic Politics, Religious Conflict and Reason of State c. 1500–1650」、「European Politics from the Peace of Westphalia to the French Revolution c. 1650–1800」である。主題別の章は、「Courts and Centres」、「Centre and Periphery」、「The Impact of War」、「Riot and Rebellion」、「Revolution: England and France」である。エピローグの第38章は「Europe in 1800」(Humfrey Butters)である。

主要概念

社会と宗教(第II–III部)

  • 周縁者と逸脱者(Marginals and deviants):近世の共同体の周縁に追いやられた人々で、第7章で扱われる。
  • 長い宗教改革(The Long Reformation):宗教変化を捉える本書の枠組みで、ルター派、改革派、カトリックの三つの流れに分けられる。
  • 宗教文化:第14章の主題で、宗派別の3つの章とは別に扱われる。

グローバルな変化と文化(第IV–V部)

  • 財の地球規模の交換:ヨーロッパとより広い世界の交易のつながりで、第20章。
  • 印刷とコミュニケーション:印刷は革命といえるのかという問い。第24章の題名に示されている。
  • 科学革命と啓蒙:それぞれ独立の章が与えられた二つの知的運動。

政治(第VI部)

  • 国家理性(Reason of state):第31章の題名に挙げられた概念。
  • 中心と周縁:中央政府と周辺地域の関係で、第34章。
  • 暴動と反乱:民衆の抵抗を扱う第36章で、イングランドとフランスの革命を扱う章の直前に置かれている。

批判的分析

長所

  • 専門家による主題の幅広さ:6部構成は、社会、宗教、世界とのつながり、文化、政治を同等に扱い、各章はそのテーマの専門家が署名している。
  • 学習の支援:出版社によれば、ゼミでの議論や文献案内の提案、一次史料からの抜粋、地図と図版、主要用語集、人名・地名・事項索引、そして付属のウェブサイトが備わっている。
  • 評者の評価:出版社のページは、時代を独自の時代として描く点についての Bart Lambert(ヨーク大学)の言葉と、教育的によく作られており、単純化せずに読みやすいという Wolfgang Reinhard の Zeitschrift für Historische Forschung での評を引いている。これらは出版社が選んだ抜粋である。

短所

  • 単一の物語ではなく主題別構成:連続した一つの物語を求める読者にとって、年代順の流れは主に政治の概観章(第30–32章)に見られる。大半の章は一つの主題を3世紀全体にわたって追う。
  • 論争は別の本:出版社は、史学史上の論争について手助けが欲しい読者に、姉妹編の Interpreting Early Modern Europe を案内している。そのため本書は、本格的な史学史を扱う場ではない。
  • 長さ:38章、約518頁で、1学期のうちに通読するには長く、教員も学生も取捨選択が必要になる。

コースにおける位置づけ

近世史のコースの中で Kümin は主題別の教科書であり、Wiesner-Hanks の Early Modern Europe, 1450–1789 が、政治、宗教、経済、社会、文化の変化を軸に一人の著者が書いた概説書であるのと対照的である。この二冊は代替として読むこともできるし、まず Wiesner-Hanks の連続した叙述を読み、Kümin を主題ごとに使うこともできる。

宗教については、Kümin の第III部は概観であり、より焦点の絞られた3冊と並ぶ。Marshall の The Reformation: A Very Short Introduction(簡潔な入門)、Eire の Reformations(プロテスタント、カトリック、急進派の宗教改革をまとめて扱う長い叙述)、Cameron の The European Reformation(神学と社会的背景の両方を重んじる学術的な総合)である。Parker の Global Crisis は17世紀という一つの世紀を世界規模で論じる研究で、Kümin の第IV部のグローバルな内容に関連する。

本書の使い方

本書は、初めて近世ヨーロッパに触れる学部生に向いている。事前の学習は要らない。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 第1章と第2章から始め、次に年代順の見取り図として政治の概観章(第30–32章)を読む。
  • 授業に合わせて主題の道筋を選ぶ:社会と経済(第II部)、宗教(第III部)、より広い世界(第IV部)、文化(第V部)。
  • 付属の仕掛けを使う:各章を本文だけで済ませず、ゼミ向けの提案、一次史料の抜粋、用語集に取り組む。
  • 専門的な本へ進む:特に重要な主題については、例えば宗教改革なら Eire や Cameron、史学史なら Interpreting Early Modern Europe へ。