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Reformations: The Early Modern World, 1450–1650(諸改革:近世世界 1450–1650年) cover

歴史学

歴史学

Reformations: The Early Modern World, 1450–1650(諸改革:近世世界 1450–1650年)

Carlos M. N. Eire

英語原題: Reformations: The Early Modern World, 1450–1650

十六世紀から十七世紀初頭にかけての宗教的激動を、プロテスタント、カトリック、急進派の諸改革をまとめて扱う形で描いた通史。宗教上の変化を社会・政治・知的文脈のなかに置き、その帰結を十七世紀まで追っている。

前提知識: 中世ヨーロッパの知識やヨーロッパ史の概説科目の履修経験があると読みやすいが、必須ではない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
reformationearly modern europereligious historycatholic reformation教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Eire, C. M. N. (2018). Reformations: The Early Modern World, 1450–1650. Yale University Press.

章の要約

本書は非常に大部の単巻の歴史書で、イェール大学出版局は2018年のペーパーバック版を920頁、白黒図版155点と記している(2016年の旧版と電子書籍もある)。構成は4つの部とエピローグで、その後に注、参考文献、図版出典、索引が続く。イェールによれば、本書はグーテンベルクの印刷機と、それに続く思想の伝播の革命から、三十年戦争の終結までの時代を叙述し、プロテスタントとカトリックの宗教改革を同じ叙述の中で結びつけている。またイェールは、懐疑主義と世俗主義、ヨーロッパの文化と宗教のアメリカ大陸とアジアへの拡大、宗教的変化が世俗世界を変えたありさまも取り込んでいると述べている。

第1部:瀬戸際にて(On the Edge)(1–130頁)

冒頭の部は約130頁で、プロテスタントとカトリックを扱う部の前に置かれている。本書全体についての出版社の説明は、その年代記を1450年頃のグーテンベルクの印刷機から始めている。

第2部:プロテスタント(Protestants)(131–366頁)

約236頁で、4つの部のうち最も長い。出版社によれば、エアは多様なプロテスタントの伝統と教会に等しく注意を払っており、この部でそれらが扱われる。

第3部:カトリック(Catholics)(367–522頁)

約156頁の第3部は、カトリックに充てられている。出版社は、本書がプロテスタントとカトリックの宗教改革を結びつけていると述べており、目次は両者にそれぞれ一つの部を与えている。

第4部:帰結(Consequences)(523–740頁)

約218頁の第4部は「Consequences」と題され、2番目に長い。出版社の本書全体の説明は、ヨーロッパの文化と宗教のアメリカ大陸とアジアへの拡大、そして西洋の世俗世界の変容を、その主題に挙げている。

エピローグ:宗教改革の評価(Assessing the Reformations)(741–758頁)

本書は、宗教改革全体についての短い評価で閉じられ、その後に注(759頁から)と参考文献(783頁から)が続く。

主要概念

議論の構造

  • 複数形の宗教改革(Reformations):書名の語で、本書が合わせて扱うプロテスタント、カトリックなどの運動を指す。
  • プロテスタントとカトリック:第2部と第3部の主題で、並行して扱われる。
  • 帰結(Consequences):宗教的変化の影響で、第4部の主題。

出版社が挙げる主題

  • 印刷機と思想の伝播:本書の出発点にあるグーテンベルク。
  • 懐疑主義と世俗主義:諸教会と並べて扱われる。
  • ヨーロッパの文化と宗教の拡大:特にアメリカ大陸とアジアへ。

批判的分析

長所

  • 難しい題材の明快な説明:Eamon Duffy は First Things で、エアが難解な神学的観念や複雑な政治的変化を説明する際の明晰さと、冷静で公平な判断を取り上げた。Ulrich Lehner は Theology Studies で、その文章を、各章がすいすい進むほど明晰で魅力的だと評した。
  • 単一のテーゼではなく物語:John Wilson は National Review で、細部に富んだ交差する叙述であって、テーゼ主導の本ではないと述べた。全体像を求める読者に向いている。
  • プロテスタントとカトリックを合わせた歴史:イェールは、プロテスタントの伝統、カトリック、懐疑主義、世俗主義への等しい注意を強調しており、本書の構成もプロテスタントとカトリックにそれぞれ一つの部を与えている。
  • 評価:イェールによれば、本書は2017年のPROSE賞のヨーロッパ・世界史部門と人文学優秀賞、そして宗教の優れた書に与えられるペリカン賞を受賞した。これは出版社の記述である。

短所

  • 大きさ:イェールが引用する評者は、本書を「enormous」(Michael Massing、New York Times Book Review)、「massive」(Benjamin Guyer、Reviews in History)と呼ぶ。920頁あり、取捨選択なしに1学期で通読することはできない。
  • 通説とずれた解釈者:Nicholas Terpstra は Renaissance and Reformation で、近年のエアは部外者の立場をとり、その解釈が支配的な通説とずれていると述べた。そのため本書は他の叙述と併せて読むのがよい。
  • 宗派別の構成:プロテスタントとカトリックが別の部になっているので、ある年や地域をヨーロッパ全体で追いたい読者は、部の間を行き来することになる。

コースにおける位置づけ

近世史のコースの中で、Eire は宗教改革の長大な物語である。Marshall の The Reformation: A Very Short Introduction は、宗教改革をプロテスタントとカトリックの流れを持つ長い過程として扱う簡潔な入門で、予習に向く。Cameron の The European Reformation は、神学と社会的・政治的背景に等しい比重を置く16世紀の学術的な総合で、Eire の1450–1650年より時期を絞った、より焦点の絞られた代替である。

Wiesner-Hanks の Early Modern Europe, 1450–1789 と Kümin の The European World 1500–1800 は宗教を他の主題の中に置くので、Eire は、それらの宗教に関する内容をより深く扱うものとして読める。Parker の Global Crisis は17世紀を世界規模で取り上げ、1650年で終わる Eire の時期の後半と重なる。

本書の使い方

イェールは、本書が学生と専門外の読者を念頭に作られたと説明しており、長い本を読む意欲のほかに前提条件は要らない。宗教改革や近世史の授業を受ける学生と一般の読者に向いている。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 予習:Marshall の入門書を読み、次に背景として第1部を読む。
  • 中心:第2部と第3部を合わせて読む。本書はプロテスタントとカトリックの運動を結びついたものとして扱っているからである。
  • 次に:帰結と本書全体の評価を知るために、第4部とエピローグ。
  • 時間が限られているなら:シラバスに合う部を読み、注と参考文献をさらに読むための案内として使う。
  • 批判的に読む:エアがその時々の通説から離れているという評者の指摘を念頭に置いて、Cameron の叙述と比べる。