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ヨーロッパ:一つの歴史 cover

歴史学

歴史学

ヨーロッパ:一つの歴史

Norman Davies

英語原題: Europe: A History

先史時代から現代までのヨーロッパを一巻で描く通史で、多くの概説書よりも東ヨーロッパに紙幅を割いている。各章は特定の時点の大陸全体を見渡すスナップショットで終わり、章中には個別の話題を扱う短いカプセルが挿入されている。

難易度レベル
上級
学術レベル
学部
ヨーロッパ史大陸史文化史政治史社会史中世ヨーロッパ現代ヨーロッパ東ヨーロッパ

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Davies, N. (1996). Europe: A History. Oxford University Press.

章の要約

デイヴィスは、先史から現代までのヨーロッパの歴史を1,365ページの一巻で語り、通史がしばしば与えない位置をヨーロッパ東部に与える。出版社の紹介は、本書をヨーロッパのドラマが演じられる時間と地理の格子として、また意図的に変化に富む読書体験として示している。各章には、年代の流れを横切るより狭い主題を例示する短い「カプセル」がいくつか含まれ、各章は、大陸全体を特定の瞬間で切り取る広角の「スナップショット」で終わる。目次には十二の章が並び、そのあとの付録の部分は1057ページ付近から始まる。

第1章(1–46ページ)

冒頭の章は時間の幅が最も広い。出版社によれば、歴史的なヨーロッパが始まる前の、この大陸の最初の五百万年の進化を探る。

第2–10章(47–758ページ)

中間の章は物語を時間順に進める。各章は十二のスナップショットの一つで閉じられ、出版社はそれを象徴的な瞬間に画面を静止させるものと述べる。例として挙がるのは、紀元前1628年のクノッソス、紀元330年のコンスタンティノープル、1945年のニュルンベルクである。評者のセオドア・ラブは、これらの章末が、紀元前212年のシラクサ包囲戦のような特定の出来事に六ページ以上を割いていると記している。

第11–12章(759–1056ページ)

最後の二章は二十世紀を扱い、本書で最も長い章である。出版社によれば、本書は第1章の遠景から、これら二章の近景へと寄っていく。デイヴィスは二十世紀を、自ら「連合国の歴史図式」と呼ぶものに対置して扱い、東ヨーロッパを軽視する「西洋文明」の偏りを全体を通じて避けようとする。

「カプセル」と付録

カプセルは一段落から二ページ余りまでの挿入である。ラブは301を数えたが、出版社の紹介は201とし、約三百とする記述もある。カプセルの題はしばしば洒落ており、相互参照が密である。叙述のあとには一連の付録が続き、文献の出典は1137ページから始まる。

主要概念

構成

  • カプセル:叙述に挿入される自己完結的な短文。「ルフィヌス」(オックスフォード大学出版局についての一編)から「フィリベグ」(キルト)や宿屋の名前まで、題材は幅広い。
  • スナップショット:各章を締めくくる十二の全景的な概観。
  • 年代の格子:カプセルとスナップショットがぶら下がる、連続した叙述。

取り組み方

  • 東ヨーロッパを視野に入れる:デイヴィスが「西洋文明」の偏りと呼ぶものを意図的に正すこと。
  • 国家なき民族:出版社の表現。国民国家とともに、国家をもたない民族にも注意を払うこと。
  • 連合国の歴史図式:デイヴィスが挑む、第二次世界大戦とその帰結についての通念的な叙述の呼び名。

批判的分析

長所

  • 範囲と構成。 大陸全体とその全歴史を扱い、カプセルとスナップショットという仕掛けが変化を与え、独立した入り口にもなる。ラブは、十字軍やハンザ同盟のような主題の優れた短い概観を評価した。
  • 東方への注目。 ラブは、デイヴィスがポーランド史の専門家であり、この種の概説で重視されることの少ない分野だと指摘している。本書は東ヨーロッパや少数集団に通例より多くの紙幅を割く。
  • 商業的・読者面での成功。 ロンドンのベストセラーのリストに数か月のあいだ載った。

短所

  • 正確さ。 ラブは『ニューヨーク・タイムズ』の書評で厳しく、自分の数え方では平均して一ページおきに誤りが見つかり、そのため情報源としては成り立たないと述べた。読者は他の著作で事実を確かめるべきである。
  • 論争を呼ぶ判断。 アン・アップルボームの書評は、デイヴィスが先行する歴史家を強い言葉で攻撃していると指摘する。オトヴォツクの警察大隊の犯罪を、戦後の共産党の保安機関へのユダヤ人の関与と並べたことも批判を招いたが、デイヴィスは等置ではなく並置だと応じた。スティーヴン・ウィートクロフトは、スターリン期の弾圧に関する彼の数字に異議を唱えた。
  • 分量と個人的な文体。 ラブは、学生には個人的で暗示に頼りすぎ、一般読者には冗長すぎ、索引も不十分だと見た。また視覚芸術の扱いが薄いとも述べた。

コースにおける位置づけ

近現代ヨーロッパ史のコースでは、デイヴィスは最も長く、最も個性的な声をもつ通史である。メリマンの『近現代ヨーロッパ史』(A History of Modern Europe)はルネサンスから現代までの包括的な通史で、メイソンの『近現代ヨーロッパ小史』(A Concise History of Modern Europe)は自由・平等・連帯を軸にした簡潔な通史、エヴァンズの『権力の追求』(The Pursuit of Power)は、ペンギン版ヨーロッパ史の一巻として1815–1914年を深く扱う。ドイルの『フランス革命:ごく短い入門』(The French Revolution: A Very Short Introduction)は一つの転換点の短い叙述であり、『ザ・メイキング・オブ・ザ・ウェスト』(The Making of the West)と『ウェスタン・シヴィライゼーションズ』(Western Civilizations)は、より広い「西洋」の枠組みをもつ教科書である。

デイヴィスは、背景を得るため、個別の主題についてのカプセルを読むため、東ヨーロッパの視点を知るための幅広い併読書として最も役に立ち、一つの事実を確かめるための唯一の権威としてはあまり適さない。

本書の使い方

パノラマ的で主張のはっきりしたヨーロッパ史を読みたく、批判的に読む用意のある読者に向く。順に読み通す教科書ではない。授業に合う章を選んで読み、スナップショットを時代の概観として使い、カプセルを短いエッセイとして読む。近現代ヨーロッパの授業では、学ぶ時期を扱う章が中核で、冒頭の章は任意の背景である。

本書は検証すべき議論として扱うとよい。ある主題についての説明を標準的な教科書と比べ、レポートに使う前に日付や人名を確かめ、本書をめぐる論争を示すラブとアップルボームの書評を読むこと。