01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Boyer, P. S. (2012). American History: A Very Short Introduction. Oxford University Press. (Very Short Introductions.)
章の要約
本書は、最初の人類の移住から21世紀初頭までのアメリカ合衆国を描く短い解釈的通史で、1章約15ページの年代順の9章(本文約138ページ)からなり、参考文献、章ごとに整理された読書案内、索引が続く。各章は区切られた期間を扱い、初めは数世紀、後になると20年ほどの幅になる。出版社の説明によれば、本書はポピュラー・カルチャーや宗教を含む社会史・思想史・文化史へのボイヤーの関心と、逆説と皮肉が大きな位置を占める彼個人のアメリカ史観を反映している。肯定的な業績が、掲げた理想に国が応えられなかった失敗と天秤にかけられ、本書は暴露本でも称賛の賛辞でもないことをめざしている。
第1章:始まり――先史時代から1763年まで
少なくとも1万5000年前にシベリアから渡ってきた人々による大陸への最初の定住から、1500年までに推定700万から1000万人に達した北米の人口を経て、ヨーロッパの進出と植民、そして七年戦争の終結まで。出版社は、植民が入植者、先住民、奴隷とされたアフリカ人にとってまったく異なる意味をもったことを強調しており、章は奴隷制の導入をたどる。
第2章:1763–1789年――革命、憲法、新しい国家
1763年以後の帝国間の抗争、群衆暴力、戦争、政治危機。1776年の独立への動きの引き金となったトマス・ペインの『コモン・センス』。そして戦争が続く中での自治という課題と、13年のうちに新しい国家が生まれるまでを扱う。
第3章:1789–1850年――国家であることの約束と危うさ
独立後の最初の60年。政治、人口増加・領土拡大・交通網に支えられた経済成長、改革運動、宗教的覚醒、文化的創造性。そのすべてが奴隷制という現実を背景にしている。
第4章:1850–1865年――奴隷制と南北戦争
南部経済と国政の中心にあった奴隷制、連邦を救うためのリンカーンの戦争、そして奴隷制廃止論者の圧力と北軍の陣営へ逃れた奴隷たちの行動を通じて戦争目的として浮上した奴隷解放。章は、完全な平等の実現にははるかに長い時間がかかったことに触れている。
第5章:1866–1900年――工業化とその帰結
出版社の説明が主題を示している。産業の拡大と巨万の富の一方での、移民のスラムの劣悪な状況と搾取された労働力である。
第6章:1900–1920年――改革と戦争
20世紀初頭の改革の時代と、それを締めくくる戦争の時期。出版社による本書の説明は、世紀初頭のフィリピンから始まる合衆国の軍事力の海外への投射をたどっており、この主題は後の章へと続いていく。
第7章:1920–1945年――対立から世界的大国へ
世界情勢の周縁にいた田舎じみた社会が、卓越した国際的大国へと変わる過程。1920年代の繁栄、大恐慌、第二次世界大戦を扱い、戦争の長期的に最も大きな影響は世界的な力の均衡の変化であったとする。
第8章:1945–1968年――豊かさと社会不安
物質的豊かさと大衆文化が入り混じった戦後、反共主義の不安とくすぶる人種的不正義、続いて1960年代の改革立法、公民権運動の抗議、反戦デモ、そして1968年の保守的反動。
第9章:現在へ
1960年代後半から執筆時までの時期で、ニクソン、レーガン、ジョージ・H・W・ブッシュの各政権を経てオバマの時代で終わる。出版社の説明は、移民とそれが引き起こした敵意、アメリカのポピュラー・カルチャーの世界的な魅力、イラクに至る軍事介入といった主題を挙げている。ジム・カレンの書評は、最後の数章を覆う暗い雰囲気が、アメリカの回復力についてのボイヤーの言明によって部分的にしか和らげられていないと述べている。
主要概念
第1–3章:植民地から国家へ
- 植民の多様な意味:同じ入植の歴史が、入植者、先住民、奴隷とされたアフリカ人によってまったく異なって経験されたこと。
- 革命と憲法:植民地の抗議から独立と自治への移行。
- 約束と危うさ:自由の上に築かれながら奴隷制に依存した国家における成長、拡大、改革。
第4–6章:南北戦争から20世紀初頭まで
- 奴隷制と奴隷解放:経済と政治における奴隷制の位置と、奴隷解放がどのように戦争目的となったか。
- 工業化:経済の拡大と、労働者や移民にとってのその社会的代償。
- 改革:産業社会の帰結に取り組もうとした20世紀初頭の努力。
第7–9章:世界的大国から現在まで
- 世界的大国:1920年から1945年の間のアメリカの国際的地位の変化。
- 豊かさと不安:戦後の消費的豊かさと並行する抗議運動とその反動。
- 理想と現実:掲げた理想と実践との隔たりという、本書を貫く主題。
批判的分析
長所
- 簡潔さとバランス。 ヒストリー・ニュース・ネットワーク(2012年)で本書を評したジム・カレンは、本書をきびきびとして実際的と評し、合衆国史全体にわたって均整のとれた一定のペースを保っていると評価している。
- 解釈する声。 出版社は本書を、称賛と暴露の中間に位置する、逆説と皮肉に形づくられた個人的な見方として提示している。そのため学生は、中立的な事実の羅列ではなく、向き合うべき議論を得る。
- 視点の幅広さ。 出版社の説明が挙げる社会史・文化史・宗教史とポピュラー・カルチャーへのボイヤーの関心は政治の叙述を広げ、植民は入植者だけでなく先住民や奴隷とされたアフリカ人の視点からも示される。
- 参照用としての有用性。 カレンは、本書が印紙法や人民党についての手短な確認にも使える、よい索引付きの携帯用参考書になると述べ、事例研究を中心とする授業の背景として、概説教科書に代わる安価な選択肢になると勧めている。
短所
- 非常に圧縮されている。 カレンは、概説の授業を教えたことのある者が新たに学ぶことはほとんどないと述べている。各時代には約15ページしか割かれない。
- 終盤の古さ。 2012年刊行のため、最終章はオバマの時代で止まっており、それ以後の出来事や研究は扱えない。
- 個人的な力点。 カレンが指摘する終盤の暗い雰囲気は一つの解釈であり、読者は他の説明と比較して吟味すべきである。
コースにおける位置づけ
本書はアメリカ史の書目の中で最も短い概観であり、最初に読む本としても、常に参照する本としても適している。先住民社会から現在までを扱う、オープンライセンスで共同執筆された概説 The American Yawp と、自由の物語として語られるエリック・フォーナーの概説 Give Me Liberty! は、ボイヤーが圧縮した教科書的叙述の全体を与える。理想と現実の隔たりというボイヤーの主題は、自由に焦点を当てるフォーナーと自然に並び立つ。
ジェームズ・マクファーソンの Battle Cry of Freedom は、ボイヤーの第4章を大きく広げる南北戦争期の本格的な一巻本の歴史であり、ダン・ジョージャカスとマーヴィン・サーキンの Detroit: I Do Mind Dying は、革命的黒人労働者同盟についての研究で、第8–9章の労働と公民権の主題に厚みを与える。エリック・フォーナーとリサ・マクガー編の American History Now は、各時代について歴史家の解釈がどう変わってきたかを概観するもので、学生が論争についていけるようになる概説の後に読むのがよい。
本書の使い方
アメリカ史を学んだ経験は不要である。1年生、手早く枠組みを必要とする他国や他分野の学生、より長い概説に取り組む準備をしている読者に向いている。
推奨プラン:
- 授業が始まる前に通読するか、長い概説と並行して週1章ずつ読む。章は授業の想定される年代順に沿っている。
- 中核: 9章すべて。各章は短く、解釈の筋道は全体を通して初めて見えてくる。
- 焦点を絞った授業では: 1865年までの授業には第1–4章、それ以後の授業には第5–9章。
カレンが勧めるように、本書を一次史料や詳しい事例研究を位置づけるための座標として使うこと。各章を一つの一次史料(たとえば第2章ならペインの『コモン・センス』)と、The American Yawp や Give Me Liberty! の対応する章と組み合わせる。章ごとの読書案内を研究の出発点とし、理想と失敗についてのボイヤーの主張を、他で読んだ証拠に照らして検証するとよい。
