01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Georgakas, D., & Surkin, M. (2012). Detroit: I Do Mind Dying: A Study in Urban Revolution (updated ed.). Haymarket Books. First published 1975.
章の要約
背景と論点
本書は、ダッジ革命的労働組合運動(DRUM)と革命的黒人労働者同盟(League of Revolutionary Black Workers)が、1967年から1970年代半ばにかけてデトロイトの自動車工場と地域社会からどのように成長したかを描く運動史である。マーヴィン・サーキンは同盟の中枢で活動しており、本書は歴史家であると同時に当事者でもある著者たちの手による。著者たちは、同盟が職場の闘争を、都市全体に及ぶ人種主義と資本主義への批判と結びつけたこと、そしてその経験が、既存の労働組合に代わる革命的な草の根の道の強さと限界の両方を示していることを論じている。
2012年版には、序文、第2版・第3版への序、1975年の初版序論が収められている。初版序論には1970年代半ばの急進主義という時代の刻印がある。12の章の前には短い序章が置かれている。最後の2章「Thirty Years Later」と「The Legacy of DRUM: Four Histories」は1998年版で加えられたもので、1975年の研究の本体はほぼそのまま残されている。
第1章:『インナーシティの声』(Inner City Voice)
出発点は新聞『Inner City Voice』である。1967年のデトロイト暴動の後に黒人の急進的活動家が始めたこの新聞は、不正を暴くだけでなく革命的行動の方針と政治教育を示そうとし、集会の場であると同時に工場内の組織者との結び目でもあった。
第2章:われわれの運動はDRUM(Our Thing Is DRUM)
この章は、ハムトラミック(ダッジ・メイン)工場でのダッジ革命的労働組合運動の結成をたどる。DRUMは、全米自動車労働組合(UAW)の苦情処理手続きでは解決されなかった危険な労働環境、スピードアップ、人種差別的な扱いを取り上げ、それらを市全体における黒人労働者の立場と結びつけた。1968年5月の山猫ストが頂点である。
第3章:強硬路線をとる(We Will Take the Hard Line)
運動がより戦闘的な方向へ転じたこと、そして要求に抵抗した経営側および組合指導部との対立を追う。
第4章:革命的黒人労働者同盟(The League of Revolutionary Black Workers)
ダッジでの成功は他工場に同様の組織を生み、同盟はそれらを調整するために設立された。この章は同盟の構造、目的、主要な人物、そして各工場の組織を一つの組織の下にまとめようとした試みを述べる。
第5章:Niggermation at Eldon
エルドン・アベニュー・ギア&アクスル工場を中心に、題名の造語が指した、組立ラインでの黒人従業員の扱いと、そこでの差別的慣行に対する同盟の直接行動を扱う。
第6章:『ついにニュースを得た』(Finally Got the News)
同盟が映画を通じて主張を広めたことが主題で、とりわけドキュメンタリー『Finally Got the News』が取り上げられる。これは工場の実態を知らせ、支持を得るための取り組みの一部であった。
第7章:黒人労働者会議(Black Workers Congress)
工場内での組織化に集中するか、より広い地域活動を行うかをめぐる対立が1971年の分裂を招き、一方は共産主義者同盟(Communist League)、他方は黒人労働者会議(Black Workers' Congress)を結成した。章は運動を全国へ広げようとした試みも扱う。
第8章:強盗を止め、安全な街を楽しめ:STRESS(Stop the Robberies, Enjoy Safe Streets: STRESS)
工場の外での同盟の関心が見える章で、中心はデトロイト市警のSTRESSと呼ばれる部隊への反対である。同盟はこれを人種を標的にした暴力と見ていた。
第9章:記録裁判所のマルクス主義判事ジャスティン・ラヴィッツ氏(Mr. Justin Ravitz, Marxist Judge of Recorder's Court)
急進的な判事ジャスティン・ラヴィッツを紹介し、司法制度内部の味方がこの種の運動のために何ができ、何ができなかったかを問う。
第10章:週54時間(The 54-Hour Week)
工場での長時間労働と過酷な条件、そして条件改善を求める運動の要求を扱う。
第11章:30年後(Thirty Years Later)
1998年版のために書かれたこの章は、デトロイト、自動車産業、同盟の元メンバーたちがその後どうなったかを検討する。1975年の本文より冷静な調子で、同盟の分析が国全体にますます当てはまると論じる。
第12章:DRUMの遺産:四つの歴史(The Legacy of DRUM: Four Histories)
デトロイトの4人(うち2人は女性)が、同盟との関わりと、それが自分たちの人生と街に残したものを振り返る。著者たちは、そのうちの一人の希望の言葉で本を結んでいる。
主要概念
第1〜4章:起源と組織
- 革命的組合主義:工場の条件を軸に労働者を組織しつつ、組合官僚機構と会社を、ともに挑むべき一つの体制の一部と見なすこと。
- 人種と階級の同時把握:都市における人種主義と工場での搾取は切り離して闘えないという、DRUMの中心的主張。
- コーカスから同盟へ:単一工場の運動から、各革命的組合運動を調整する連合組織への発展。
第5〜10章:運動と同盟者
- 工場での直接行動:山猫ストや特定の慣行への圧力が、運動の主要な戦術であった。
- 組織化としてのメディア:新聞とドキュメンタリー映画を用いた教育と勧誘。
- 地域での戦線:STRESSへの反対を含む、工場の門の外での同盟の活動。
第11〜12章:遺産
- 改良か革命か:革命的組織と改良を勝ち取る組織は何が違うのかという、著者たちが繰り返し問う問題。
- 運動のその後:メンバーのその後の人生と、変わった街。
批判的分析
長所
- 見過ごされた運動への当事者の洞察。 新聞、工場の組織、映画会社、地域のキャンペーンといった同盟の諸活動がどう組み合わさっていたかが詳しく描かれる。カレン・ミラーはH-NetのH-Labor(1999年)の書評で、黒人労働者の急進主義を真剣に扱う数少ない研究書の一つだと評している。
- 出来事だけでなく思想にも目を向ける。 ミラーは、著者たちが同盟内部の理論論争や、改良的行動と革命的行動の区別にかなりの紙幅を割き、この問題を多くの歴史家より先へ進めていると述べる。
- その後の記録。 1998年に加えられた2章と後の序文が、1975年の叙述をより長い時間の中に置き、参加者のその後も伝える。
短所
- 立場のはっきりした叙述。 ミラーによれば、著者たちは同盟の内部対立で一方に与し、同盟を革命的組織の模範として描く。独立した研究と併せて読むのがよい。
- 男性中心の像。 同じ書評によれば、女性はほとんど登場せず、登場しても活動家の妻として言及されることが多い。最終章の寄稿が部分的にこれを補っている。
- 追いにくい箇所がある。 おおむね時系列だが互いに絡み合う章立てのため、出来事の順序をつかみにくいことがあり、改良と革命の区別もやや曖昧なままである。
- 1970年代の見通し。 序論は資本主義への広範な幻滅を予期しているが、それは起こらなかった。1998年の章は状況の変化を認めている。
コースにおける位置づけ
アメリカ史のコースでは、多くの書物が国の歴史全体を扱う。Give Me Liberty!、The American Yawp、ボイヤーの短い入門書は全体を概観し、マクファーソンのBattle Cry of Freedomは南北戦争期を深く論じ、American History Nowは近年の研究を概観する。本書は20世紀の一つの社会運動に絞った唯一の個別研究であり、通史の1960〜70年代や労働・公民権の章を読んだ後の事例研究として適している。
通史では概略しか描けない黒人産業労働者の視点を補う。コースで使う通史の公民権運動、ブラックパワー、自動車産業史の章と並べて読むとよい。
本書の使い方
1960年代アメリカ史の大枠を知っていて、労働・人種・急進政治について運動レベルの詳しい叙述を求める学部生に向く。専門的な前提は不要だが、全米自動車労働組合、1967年のデトロイト暴動、ブラックパワーについて知っていると役に立つ。
短く読むなら、序論と第1、2、4、7、11章で、新聞からDRUMと同盟、分裂、その後の評価へという主線がたどれる。第5、6、8、9、10章は独立した事例で、個別に割り当てられる。第12章は回顧の声として最後に読む。1975年の本文を読む際は、ミラーの書評や他の研究を併せて、著者たちの立場を意識するとよい。
読みながらの問い:同盟は革命的組織をどう定義しているか。工場側と地域側の二つの翼を結びつけていたものは何か。運動はなぜ1971年に分裂したのか。
