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What Really Works in Inclusive Education: Using Evidence-Based Teaching Strategies(インクルーシブ教育で本当に効果のあること:エビデンスに基づく指導方略) cover

教育学

教育学

What Really Works in Inclusive Education: Using Evidence-Based Teaching Strategies(インクルーシブ教育で本当に効果のあること:エビデンスに基づく指導方略)

David Mitchell; Dean Sutherland

英語原題: What Really Works in Inclusive Education: Using Evidence-Based Teaching Strategies

特別な教育的ニーズや障害のある子どもを含む多様な学習者のための30を超える指導方略について、研究知見を統合した書。方略は行動的、社会的、認知的、混合型の四つのアプローチに分類され、学校での実践例、討議テーマ、学習活動が添えられている。旧版の書名は What Really Works in Special and Inclusive Education。

前提知識: 主なニーズの区分とインクルージョンの原則を扱う特別支援教育またはインクルーシブ教育の入門科目を履修していること。

難易度レベル
上級
学術レベル
上級
inclusive educationspecial educational needsevidence-based teachingteaching strategies教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Mitchell, D., & Sutherland, D. (2026). What Really Works in Inclusive Education: Using Evidence-Based Teaching Strategies (4th ed.). Routledge.

章の要約

第4版は43章、約480ページで、序文、導入章、三つの部から成る。出版社によれば、著者は「全人的」(whole-child)なアプローチをとり、多様な学習者のためのエビデンスに基づく30を超える指導方略を示している。方略は行動的、社会的、認知的、混合の四つのアプローチに分類されている。出版社は、これらの方略が複数の国の質の高い研究に基づき、インクルーシブ教育、神経科学、生態学、学習と指導のモデルを含む理論的根拠を持つと述べている。学校での方略の使用例、推奨動画、討論の話題、学習活動も収められている。

第1章:導入

三つの部の前に、導入の章が一つある。

第I部、基礎(第2〜8章):追加的ニーズのある学習者とその教育成果、エビデンスに基づく教育、神経科学、すべての人のための質の高い教育、生態学的モデル、学習と指導のモデル、進化から学ぶ

七つの章が土台を築く。最初の章は追加的ニーズのある学習者とその学校での成果を、次の章はエビデンスに基づく教育を扱う。続く章は、出版社が挙げる理論的枠組みである神経科学、生態学的モデル、学習と指導のモデル、進化の視点を示し、すべての人のための質の高い教育を扱う章もある。出版社はまた、著者が行動上の課題を進化の文脈で解釈していることにも触れている。

第II部A、行動的方略(第9〜13章)

五つの方略:行動の評価と行動的アプローチ、復習と練習、直接指導、形成的評価とフィードバック、学校全体でのポジティブな行動支援。

第II部B、社会的方略(第14〜22章)

九つの方略:協同学習グループ、ピア・チュータリングと仲間の影響、ソーシャルスキル・トレーニング、協働的指導、家族の関与と支援、学校文化、学級の雰囲気、社会性と情動の学習、機関間の連携。このグループは教室から学校、さらに家族や外部機関にまで及ぶ。

第II部C、認知的方略(第23〜28章)

六つの方略:認知方略の指導、自己調整学習、記憶方略、読解と音韻意識、包括的な読みのプログラム、包括的な数学プログラム。出版社によれば、最後のものは第4版で新たに加わった。

第II部D、混合方略(第29〜40章)

十二の方略:認知行動療法、支援技術(人工知能を含む)、拡大・代替コミュニケーション、自然環境、建築環境、視覚的な学習とコミュニケーション、早期介入、学校から卒業後の環境への移行、多層的支援システム、学びのユニバーサルデザイン、音楽、運動とダンス。

第III部、結論(第41〜43章):研究から実践へ、教育の未来:変革の旅、結論

最後の部は方略から実施へと向かう。研究から実践への移行を扱う章、教育の未来についての章、そして結論である。

主要概念

第1〜8章:基礎

  • エビデンスに基づく教育:研究に基づいて実践を選ぶという原則。
  • 生態学的モデルと学習と指導のモデル:第6章と第7章の理論的枠組み。
  • 全人的アプローチ:出版社が第4版の方向性を表すために用いる語。

行動的・社会的方略(第9〜22章)

  • 形成的評価とフィードバック、直接指導、復習と練習:行動的グループの指導方略。
  • 学校全体でのポジティブな行動支援:行動に対する学校全体のアプローチ。
  • 協同学習グループ、ピア・チュータリング、社会性と情動の学習:学級レベルの社会的方略。
  • 家族の関与と機関間の連携:教室を超えて広がる方略。

認知的・混合方略(第23〜40章)

  • 認知方略の指導と自己調整学習:学習者に学び方を教える。
  • 多層的支援システムと学びのユニバーサルデザイン:混合グループにおけるシステムレベルのアプローチ。
  • 支援技術と拡大・代替コミュニケーション:アクセスとコミュニケーションの支援。
  • 早期介入と学校からの移行:学校教育の両端。

批判的分析

長所

  • 方略ごとの構成。 32の方略にそれぞれ一章が充てられ、四つのアプローチに分類されている。特定の課題を抱える教師は、該当の章に直接進める。
  • 使うための付属要素。 出版社は、学校での方略の使用例、推奨動画、討論の話題、学習活動を挙げており、授業や校内の学習会に向いている。
  • 多様性の幅広い捉え方。 第4版は、障害のある学習者に加え、社会経済的に低い背景の学習者、民族的マイノリティ、LGBTQ+の学習者にも範囲を広げている。
  • 第4版での更新。 出版社によれば、新章は9つで、包括的な数学プログラム、音楽、運動とダンス、自然環境、教育の未来などがある。また、人工知能、食事と運動、多層的支援システムの扱いも拡充された。

短所

  • 深さより幅広さ。 43章で約480ページなので、各章は十数ページ程度である。一つの方略の詳細な手順を必要とする読者は、参考文献をたどる必要がある。
  • ニーズではなく方略で構成されている。 方略の章は障害の種別ごとに並べられていないので、種別ごとにニーズを知りたい読者は、特別支援教育の入門的な教科書を併用するとよい。
  • エビデンスの基盤が一様でない。 方略の一覧は、直接指導のような指導技術から、(自然・建築)環境、音楽、ダンス、運動にまで及ぶ。本書自身はすべてがエビデンスに基づくとしているが、これほど異なる方略では証拠の強さも異なると考えられ、読者は自分の状況に即して確かめるべきである。

コースにおける位置づけ

これはインクルーシブ教育のリストの中で、実践と方略に重点を置いた本である。Daniel Hallahan、James Kauffman、Paige Pullenの Exceptional Learners と、Turnbullらの Exceptional Lives は特別支援教育の入門教科書で、前者は特別なニーズの種別ごとに、後者は実在の生徒と家族を軸に構成されている。Marilyn FriendとWilliam Bursuckの Including Students with Special Needs は、通常教育の教師をインクルーシブな学級に備えさせるもので、法的枠組み、学習者のグループ、指導の調整を扱う。Brahm Norwichの Addressing Tensions and Dilemmas in Inclusive Education は、インクルージョンの実現がなぜ難しいかを分析する学術書で、そのジレンマは民主的な熟議によって解決すべきだと論じる。

まず入門教科書でニーズの種別と支援の枠組みを学び、次に本書で指導方略を選び比較するのがよい。インクルージョンの根底にある原則を批判的に議論するには、Norwichの本に当たる。

本書の使い方

出版社によれば、本書は教室の教師、学校のリーダー、教師教育者、教育心理士、特別なニーズの調整担当者、研究者、教員養成課程の学生を対象としている。特別支援教育またはインクルーシブ教育の入門的な知識があることを前提とする。

実際的な進め方:

  • まず基礎の章を読む。 特にエビデンスに基づく教育と、追加的ニーズのある学習者についての章。
  • 次に課題に応じて選ぶ。 四つのグループを使って、その学習者や学級に合う方略を探す。日課とフィードバックには行動的、人間関係・家族・学校の雰囲気には社会的、学習とリテラシーには認知的、技術・コミュニケーション・システム・環境には混合を使う。
  • 比較して試す。 関連する二、三の方略を一緒に読み、自分の場で小さな試行を計画し、討論の話題や学習活動を校内の学習会や授業で活用する。
  • 最後に第III部を読む。 研究から実践への移行についての章がある。