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Games of Strategy(戦略のゲーム) cover

経済学

経済学

Games of Strategy(戦略のゲーム)

Avinash K. Dixit; Susan Skeath; David McAdams

英語原題: Games of Strategy

経済、政治、ビジネス、スポーツ、日常生活からの事例を通じて戦略的思考を教える、広く使われている学部向けゲーム理論の教科書である。主要な解概念を最小限の数学で導入し、交渉や投票からオークションとその設計まで、幅広い状況に応用している。

前提知識: 経済学入門と高校程度の代数があれば十分で、本書の大部分では微分積分を必要としない。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
game theorystrategic interactionnash equilibriumbargainingauctions教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Dixit, A. K., Skeath, S., & McAdams, D. (2025). Games of Strategy (6th ed.). W. W. Norton.

章の要約

第6版は4部17章で構成され、約800ページに及ぶ。W. W. Nortonは、本書がゲーム理論の予備知識を前提とせず、経済学原理水準の知識と高校水準の代数だけを必要とすること、また実証的な姿勢をとり、政治、経済、教育、スポーツ、日常生活から例を引いていることを説明している。著者はAvinash Dixit、Susan Skeath、David McAdamsである。

第1〜2章:基本的な考え方と例、戦略的ゲームの考え方

第I部「序論と一般原則」は、戦略的状況の基本的な考え方と例を示したあと、戦略的ゲームをどう考えるかを述べ、本書の残りの部分で使う用語を整える。

第3〜7章:逐次手番のゲーム、同時手番のゲーム:離散的戦略、同時手番のゲーム:連続的戦略・議論・証拠、逐次手番と同時手番の組み合わせ、混合戦略を伴う同時手番のゲーム

第II部「概念と技法」は技術的な中核である。まずプレーヤーが順番に手を打つゲームを扱い、次に同時に手を打つゲームを、最初は限られた戦略の集合で、続いて連続的な戦略で扱う。第5章の題名からは、こうしたゲームが実際にどのようにプレーされるかについての証拠も論じられていることがわかる。第6章は2種類の手番を組み合わせ、第7章は混合戦略を導入する。出版社は、この章にランダム性の3つの解釈に関する新しい内容があると述べている。

第8〜12章:戦略的行動、不確実性と情報、囚人のジレンマと繰り返しゲーム、集合行為ゲーム、進化ゲーム

第III部「戦略とゲームのいくつかの大きな類型」は、技法から大きな類型へと移る。プレーヤーがゲームの形を左右しようとする戦略的行動、不確実性と情報のあるゲーム、囚人のジレンマとその繰り返し版、集合行為の問題、そして進化ゲームである。

第13〜17章:瀬戸際政策:キューバ危機、インセンティブの設計、オークション・入札戦略・オークション設計、戦略と投票、交渉

第IV部「特定の戦略的状況への応用」は、具体的な場面に向かう。キューバ・ミサイル危機を例にした瀬戸際政策、インセンティブの設計、入札戦略とオークション設計に注目したオークション、投票、そして交渉である。出版社は、オークションの部分は本版で新しく、あらゆる専攻の学生に合う水準で書かれていると述べている。

主要概念

第I部:序論と一般原則(第1〜2章)

  • 戦略的ゲーム:各参加者の結果が、自分の選択だけでなく他者の選択にも左右される状況。

第II部:概念と技法(第3〜7章)

  • 逐次手番のゲーム:プレーヤーが順番に選択し、後に選ぶ側はそれ以前に起きたことを知っているゲーム。
  • 同時手番のゲーム:プレーヤーが他者の選択を知らないまま選択するゲームで、戦略は離散的な場合も連続的な場合もある。
  • 混合戦略:定められた確率で、複数の行動の中からランダムに選ぶこと。

第III部:戦略とゲームの大きな類型(第8〜12章)

  • 戦略的行動:他のプレーヤーの信念や選択を変えるためにとる行動。
  • 不確実性と情報:プレーヤーが知っている内容が異なるとき、ゲームがどう変わるか。
  • 囚人のジレンマと繰り返しゲーム:個々には合理的な選択が、全体としては望ましくない結果をもたらす問題と、繰り返しがそれをどう変えるか。
  • 集合行為ゲームと進化ゲーム:多数のプレーヤーの間の戦略的問題と、戦略が集団の中に広がる過程を通じて分析されるゲーム。

第IV部:応用(第13〜17章)

  • 瀬戸際政策:共有された破局のリスクを戦略的に利用すること。キューバ危機を通じて検討される。
  • インセンティブの設計:望ましい選択を促すように報酬と罰則を設計すること。
  • オークションと入札戦略:財を競争的に売るための規則と、入札者がそれにどう対応すべきか。
  • 投票と交渉:投票ルールのもとでの、また交渉における戦略的行動。

批判的分析

長所

  • 入門の敷居が低い。 出版社は、経済学原理水準の知識と高校水準の代数だけを前提とし、複雑なゲームを示すために全編で決定木を用いていると説明しており、経済学以外の学生にも開かれた本になっている。
  • 概念が先、応用が後。 第I部から第III部で用語と技法を決まった順序で築き、第IV部でそれらを一連の場面に応用する。キューバ・ミサイル危機を1章まるごと使って扱う章もある。
  • 証拠への配慮。 出版社はこの姿勢を実証的と説明しており、第5章の題名には証拠が含まれている。少なくともその章では、理論が観察された行動と照らし合わされていることがうかがえる。
  • 練習問題が組み込まれている。 各章の末尾に演習問題があり、出版社によればその約半数は学生を支えるために解答が付けられていて、残りの解答は教員向けの解答集に収められている。解答付きの問題があることで、独習にも使いやすい。
  • 新版での更新。 出版社は、新しい例(デジタル通貨、貿易関係、成績のインフレ、投票ルール、FRBと議会の相互作用)、改訂された問題、新しいオークション設計の内容を挙げている。

短所

  • 数学を意図的に最小限にしている。 高校水準の代数しか前提としないため、解概念や情報について形式的で証明に基づく扱いを求める読者は、その後でより上級の教科書が必要になる。
  • 最初の授業には長い。 約800ページ、17章であるため、1学期の授業では、第III部の各類型と第IV部の応用のなかから選ぶ必要がある。

コースにおける位置づけ

ゲーム理論の書目のうち、Games of Strategy は学部向けの主教科書である。Dixit と Nalebuff の The Art of Strategy は一般読者向けの非技術的な入門書で、物語と事例を軸とし、解答付きの事例研究を含む。先に読む本として適しており、Dixit が両書の著者であるため、考え方も重なる。Ken Binmore の Game Theory: A Very Short Introduction は短く生き生きとした概観で、形式的な数学はほとんど使わず、教科書に取りかかる前の最初の一読に役立つ。

Osborne と Rubinstein の A Course in Game Theory は簡潔な大学院向けの入門書で、定義を正確に述べ、主要な結果を証明し、解概念の解釈に特別な注意を払う。Gibbons の Game Theory for Applied Economists は、戦略的相互作用、均衡、繰り返しゲーム、不完備情報を扱うコンパクトな入門書とされている。形式的な扱いを求める読者には、Dixit、Skeath、McAdams の次の一冊としてどちらも自然である。

本書の使い方

出版社は、本書をどの専攻、どの準備段階の学生にも取り組みやすいものとして位置づけており、経済学、政治学、経営学の学生はもちろん、戦略的思考を体系的に学びたい人にも向いている。前提は、経済学原理水準の知識と高校水準の代数だけである。

実際的な進め方は次のとおりである。

  • 中核: 第1〜4章と第7章(逐次手番、離散的戦略による同時手番、混合戦略)に、2種類の手番を組み合わせる第6章を加える。これらが標準的な道具立てになる。
  • 次に: 戦略的行動の第8章、不確実性と情報の第9章、囚人のジレンマと繰り返しゲームの第10章。
  • 関心に応じて選ぶ: 連続的戦略と証拠なら第5章、集合行為と進化ゲームなら第11・12章。第IV部では、オークションなら第15章、投票なら第16章、交渉なら第17章、インセンティブなら第14章、そして第13章は拡張された事例研究として読める。

分析を読む前に、各例についてゲームの木や利得表を自分で描く。解答付きの問題から先に解き、解答のない問題に取り組む前に本書の答えと照らし合わせる。価格設定の判断や交渉といった現実の場面に考え方を当てはめてみることは、この分野を学ぶよい方法である。