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A Course in Game Theory(ゲーム理論講義) cover

経済学

経済学

A Course in Game Theory(ゲーム理論講義)

Martin J. Osborne; Ariel Rubinstein

英語原題: A Course in Game Theory

応用の羅列ではなく、中心概念の基礎と解釈を重視した大学院向けの簡潔なゲーム理論入門です。著者は定義を厳密に述べ、主要な結果を証明し、解概念が何を意味するかに特に注意を払うため、読者は理論がどのような場合に適用できるかを批判的に理解して読み終えることができます。

前提知識: 厳密な中級ミクロ経済学や実解析の授業に相当する数学的成熟度が必要です。ゲーム理論の予備知識は不要です。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
game theorynash equilibriumextensive gamescoalitional games大学院教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Osborne, M. J., & Rubinstein, A. (1994). A Course in Game Theory. The MIT Press.

章の要約

本書は四つの部に分かれた15章からなり、前に序文、後ろに結果の一覧、参考文献、索引がある。分量は約350ページで、各章の終わりに「注記」の節がある。著者は、大学院生と学部上級生を対象とし、厳密な定義と完全な証明を与え、その代わりに一般性を抑え、範囲を絞っていると説明している。

第1章:序論

著者はゲーム理論を、相互に作用する意思決定者を研究するための分析道具の集まりとして示し、それを数学の一分野ではなく社会科学として扱うと述べる。この章は、非協力モデルと協力モデル、戦略形ゲームと展開形ゲーム、完全情報と不完全情報のゲームを区別しており、四つの部はこれにしたがって編成されている。続いて、ゲーム理論を競争均衡と対比し、合理的行動、解の定常状態的解釈と演繹的解釈、限定合理性、用語と記法を論じる。

第I部:戦略形ゲーム(第2〜5章)

第2章「ナッシュ均衡」は戦略形ゲームとナッシュ均衡を定義し、例と存在定理を示し、厳密に競争的なゲームとベイジアンゲームを扱う。第3章「混合均衡、相関均衡、進化的均衡」は、混合戦略均衡とその解釈、相関均衡、進化的均衡を扱う。第4章「合理化可能性と劣位な行動の逐次消去」は、合理化可能性と、強い劣位および弱い劣位の行動の消去を扱う。第5章「知識と均衡」は、知識と共通知識をモデル化し、人は「意見の不一致に合意」できるかを問い、知識を解の概念と結びつけ、電子メールゲームで終わる。

第II部:完全情報の展開形ゲーム(第6〜10章)

第6章は、完全情報の展開形ゲームと部分ゲーム完全均衡を定義し、戦略の解釈、注目すべき二つの有限期間ゲーム、弱い劣位の戦略の逐次消去を論じる。第7章「交渉ゲーム」は、交互提案の交渉とその部分ゲーム完全均衡を、変種とともに調べる。第8章「繰り返しゲーム」は、無限回と有限回の繰り返しゲームを区別し、機械としての戦略と、さまざまな基準(平均の極限、追い越し、割引)の下でのフォーク定理の系列を示す。第9章「繰り返しゲームにおける複雑さの考察」は、機械ゲームとその均衡の構造を導入する。第10章「遂行理論」は、遂行問題、そして支配戦略、ナッシュ均衡、部分ゲーム完全均衡における遂行を扱う。

第III部:不完全情報の展開形ゲーム(第11〜12章)

第11章は、不完全情報の展開形ゲームを定義し、展開形ゲームの同値性の原則、フレーミング効果、混合戦略と行動戦略、ナッシュ均衡を論じる。第12章「逐次均衡」は、戦略と信念、逐次均衡、行動が観察可能なゲームにおける完全ベイズ均衡、精緻化、震える手完全均衡を展開する。

第IV部:提携形ゲーム(第13〜15章)

第13章「コア」は、移転可能効用をもつ提携形ゲーム、コアとその非空性の条件、移転可能効用をもつ市場、移転不可能な効用のゲームと交換経済を定義する。第14章「安定集合、交渉集合、シャープレイ値」は、これらの解の概念を示す。第15章「ナッシュ解」は、交渉問題、公理による定義、交互提案ゲームとの関係、そして厳密な遂行を扱う。

主要概念

第1〜5章

  • 戦略形ゲームとナッシュ均衡:同時に行動するモデルと、どのプレイヤーも逸脱して得をしない戦略の組。
  • 混合均衡と相関均衡:確率的に選ぶ均衡と、それについて著者が与える解釈。
  • 合理化可能性:他者の信念についての逐次的な推論を経ても残る行動。
  • 共通知識:プレイヤーが知っていること、他者が知っていると知っていること、以下同様。解の概念におけるその役割。

第6〜10章

  • 部分ゲーム完全均衡:どの履歴の後でも最適であり続ける均衡。
  • フォーク定理:無限回繰り返しゲームで維持できる結果の集合。
  • 機械ゲーム:戦略の複雑さが問題になる繰り返しゲーム。
  • 遂行:均衡の結果が望ましい社会的選択と一致するようにルールを設計すること。

第11〜15章

  • 逐次均衡と完全ベイズ均衡:情報集合上の信念を伴う均衡。
  • 震える手完全性:小さな誤りに対する頑健性。
  • コア、安定集合、交渉集合、シャープレイ値:提携形ゲームの解。
  • ナッシュ解:二人交渉問題の公理的な解。

批判的分析

長所

  • 基礎と解釈の重視。 著者は、基礎と基本概念の解釈を重視すると述べており、第1章は、定常状態的な読み方と演繹的な読み方、限定合理性を含め、「解」が何を意味するかをきわめて明示的に論じている。第3.2節と第6.4節は、それぞれ混合戦略と展開形ゲームの戦略の解釈にあてられている。
  • 正確でコンパクト。 定義と結果は正確に述べられ、完全な証明が付く。四つの部からなる理論全体が約350ページに収まり、参照用に結果の一覧もある。
  • 理論の幅広い網羅。 戦略形、展開形、提携形のゲーム、繰り返しゲーム、遂行理論、知識、有限の複雑さの戦略が一冊に収まっている。
  • 著者による支援。 著者のサイトは英語版の正誤表を維持し、解答集を提供している。

短所

  • 純粋理論。 著者は、ほぼ完全に「純粋」理論の領域にとどまっていると述べ、モデルを現実の状況に当てはめる技法は別の本に譲っている。
  • 簡潔さ。 著者は厳密さと範囲のために一般性を犠牲にしており、形式的なゲーム理論を見たことのない読者にとって、やさしい入口ではない。
  • 強調点が時代的。 著者は、不完全情報のゲームのモデルが集中的に発展したのは1980年代であり成熟していなかったために、その扱いを軽くしている。1994年刊の本書には、その後の発展は含まれない。

コースにおける位置づけ

このコースの他の書籍は、より易しいところから始まる。Dixit、Skeath、McAdamsの Games of Strategy とDixitとNalebuffの The Art of Strategy は、ほとんど数学を使わず例を通じて戦略的思考を教え、Binmoreの Game Theory: A Very Short Introduction は、形式化をごく少なくした短く生き生きとした入門書である。Gibbonsの Game Theory for Applied Economists は、書名が応用経済学者向けであり、この一覧にあるもう一冊の上級書である。

これらの入門書の背後にある定義と証明を知りたいとき、そして各解の概念が何を意味するかを批判的にとらえたいときに、OsborneとRubinsteinに進む。応用的あるいは直観的な授業の後に読み、理論の参考書として使うとよい。

本書の使い方

本書は、定義と証明を読むだけの数学的成熟度を持つ大学院生と学部上級生を対象とする。事前に応用的あるいは直観的な授業を受けておくと、抽象的な内容を理解しやすい。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 中核: 第1章、第2〜4章(戦略形ゲーム)、第6章(展開形ゲームと部分ゲーム完全性)、第11〜12章(不完全情報と逐次均衡)。
  • 次に: 第7章(交渉)、第8章(繰り返しゲーム)、第13章(コア)。
  • 任意: 第5章(知識)、第9〜10章(複雑さと遂行)、第14〜15章(提携形ゲームの他の解)。

各章末の注記で文献を確認し、結果の一覧で命題を探し、著者の正誤表も参照する。