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読書ガイド
引用
Kotler, P., Keller, K. L., & Chernev, A. (2021). Marketing Management (16th ed.). Pearson.
章の要約
第16版は2021年9月に刊行され、Philip Kotler と Kevin Lane Keller に加えて、ノースウェスタン大学の Alexander Chernev が第三の著者となった。内容は七つの部に分かれ、第13版の八部22章よりも整理された構成になっている。出版社は、本書が管理者志向、分析的アプローチ、学際的視点、普遍的な適用、バランスの取れた範囲を兼ね備えていると述べ、この版では構成の整理、内容の更新、近年の市場動向を反映した新しい事例があるとしている。
第1部:マーケティング・マネジメントの基礎
二つの章:「新しい現実のためのマーケティングの定義」と「マーケティングの計画と管理」。現在の状況でマーケティングが何を意味し、どう計画・管理されるのかを示す。
第2部:市場を理解する
三つの章:「消費者市場の分析」「企業市場の分析」「マーケティング・リサーチの実施」。消費者市場と企業市場の買い手と、それを知るための調査を扱う。
第3部:勝てるマーケティング戦略を開発する
二つの章:「市場セグメントと標的顧客の特定」と「顧客価値提案とポジショニングの構築」。戦略はここでセグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングから組み立てられる。
第4部:価値を設計する
提供物に関する四つの章:「製品の設計と管理」「サービスの設計と管理」「強いブランドの構築」「価格設定と販売促進の管理」。
第5部:価値を伝える
三つの章:「マーケティング・コミュニケーションの管理」「デジタル時代の統合マーケティング・キャンペーンの設計」「人的販売とダイレクト・マーケティング」。中央の章の題はデジタルへの重点を示している。
第6部:価値を届ける
二つの章:「流通チャネルの設計と管理」と「小売の管理」。
第7部:成長を管理する
五つの章:「競争市場での成長の推進」「新しい市場提供物の開発」「顧客ロイヤルティの構築」「グローバル市場への進出」「社会的責任のあるマーケティング」。この部は社会への責任で終わる。
主要概念
第1〜3部
- マーケティングの計画と管理:意思決定のための管理上の枠組み。
- 消費者市場と企業市場:本書が別々に分析する二種類の買い手。
- セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング:顧客価値提案とともに戦略の土台となる。
第4〜6部
- 製品・サービス・ブランド・価格の意思決定:価値の設計に関する四つの章。
- 統合マーケティング・キャンペーン:デジタル時代の調整されたコミュニケーション。
- 流通チャネルと小売:価値がどう顧客に届くか。
第7部
- 新しい市場提供物:新しい製品やサービスを開発し投入する過程。
- 競争市場での成長:成長という戦略上の課題。
- 顧客ロイヤルティ:顧客を長期的に維持すること。
- グローバル市場と社会的責任:本書を閉じる外向きの二つの主題。
批判的分析
長所
- 管理者の仕事の順序。 七つの部は、市場の理解から、戦略、価値の設計・伝達・提供、成長へと進み、マーケティング管理者が意思決定に出会う順序に合っている。
- 明示された分析的・管理的志向。 出版社は本書を分析と実務的管理の組み合わせと位置づけており、目次には計画のほか、調査、セグメンテーション、ポジショニング、価格設定の専用の章がある。
- モジュールとして使える部。 各部がまとまったブロックなので、授業は全体を順に読まなくても、第2部(市場分析)、第3部(セグメンテーションとポジショニング)、第5部(コミュニケーション)だけを課せる。
- 構造に組み込まれたデジタル。 キャンペーンの章は明示的にデジタル時代を扱い、冒頭の章は「新しい現実」を軸にしている。
- よく知られた著者陣。 本書は長年 Kotler と Keller が執筆し、今回 Chernev が加わった。Pearson は紙版、電子教科書、オンライン講座版を提供している。
短所
- 分量。 完全なマーケティング・プログラムを扱う総合的な管理テキストは、一つの入門講義で使い切れる範囲を超え、取捨選択が必要である。
- 理論より管理。 志向は管理実務であり、学問としてのマーケティングの理論的基礎を求める読者は別の論考が必要である。
- 版による違い。 第16版は第13版より部の数が少なく、章の分け方も異なる(たとえば社会的責任のあるマーケティングの章とデジタル・キャンペーンの章がある)ため、古い資料の章番号やページ参照は引き継げない。
コースにおける位置づけ
Marketing Management は、このコースの総合的な管理テキストである。Kotler と Armstrong の Principles of Marketing と OpenStax の Principles of Marketing は、最初の授業に向く入門書である。Jobber の Principles and Practice of Marketing は、基本概念から戦略までを扱う英国・欧州の教科書である。Marketing Strategy: Text and Cases は簡潔な計画の章と企業事例を組み合わせ、Hunt の Marketing Theory は学問としてのマーケティングの基礎に関する論考である。
マーケティングが初めてなら、まず入門書を読み、その後 Kotler、Keller、Chernev を詳細な管理者向け参考書として使う。応用の練習には事例集を、理論には Hunt を加える。
本書の使い方
MBA の学生と学部上級生、およびマーケティングの意思決定のための包括的な枠組みを求める実務者に向く。
実用的な読み方:
- 中核: 第1〜3部が市場理解と戦略の土台を与える。順に読む。
- 設計と提供: 製品、サービス、ブランド、価格の第4部、続いてコミュニケーションと流通の第5・6部。
- 成長: 第7部。成長、新提供物、ロイヤルティ、グローバル市場、社会的責任の各章は授業の必要に応じて選ぶ。
- 練習: 各章を実在の企業に適用し、第3部の後に短いポジショニング文を、第5部の後にキャンペーンの概要を書く。
- 短い授業: 一学期の授業なら、第1〜4部と第5部のコミュニケーションの章が実用的な中核となり、第7部から成長とロイヤルティを拾い読みできる。
