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Principles of Health Interoperability: FHIR, HL7 and SNOMED CT(医療相互運用性の原理:FHIR・HL7・SNOMED CT) cover

生体医工学

生体医工学

Principles of Health Interoperability: FHIR, HL7 and SNOMED CT(医療相互運用性の原理:FHIR・HL7・SNOMED CT)

Tim Benson; Grahame Grieve

英語原題: Principles of Health Interoperability: FHIR, HL7 and SNOMED CT

医療情報システムがデータを交換し活用するための標準規格を解説する教科書。FHIR の主任設計者である Grahame Grieve を共著者に迎え、相互運用性がなぜ難しいのか、メッセージ型およびリソース型の標準がどう機能するのか、臨床用語体系が交換されたデータに共通の意味をどう与えるのかを説明する。

前提知識: 医療業務の流れと、XML や JSON などのデータ形式についての基礎知識。FHIR の章はプログラミング経験があると理解しやすい。

難易度レベル
中級
学術レベル
大学院
health informaticsinteroperabilityfhirhl7snomed ct教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Benson, T., & Grieve, G. (2020). Principles of Health Interoperability: FHIR, HL7 and SNOMED CT (4th ed.). Springer.

章の要約

第4版は23章、約475ページで、「Health Information Technology Standards」シリーズに属する。出版社によれば、本版は全面的に再編成され、5つの部に分かれている。核となる原則、FHIRの詳しい検討、今も広く使われている古いHL7標準、SNOMED CTやLOINCを含む臨床用語、そしてプライバシー、モデル、XMLとJSON、標準化団体、HL7 v3を扱う最後の部である。ページ番号は第4章と第5章、第11章と第12章、第14章と第15章、第18章と第19章の間で途切れており、これは5つの部の区切りと一致する。

第1–4章:医療情報革命/相互運用性はなぜ難しいか/臨床用語/安全性

冒頭の部は原則を述べる。医療における情報革命から始め、システム間で情報を交換することがなぜ難しいのかを問う。第3章は臨床用語を、標準を扱う章よりも前に早い段階で導入し、第4章は安全性に取り組む。この約70ページが、どの標準も説明される前に問題の枠組みを定める。

第5–6章:FHIRの原則/FHIR API

第2部は、FHIR(Fast Health Interoperability Resources)の拡張された扱いを始める。出版社はFHIRを世界で最も重要な医療相互運用性標準と呼んでいる。第5章はFHIRの原則を、第6章はそのAPIを示す。出版社は、FHIRがHL7のv2、v3、CDAの最良の特徴を組み合わせ、最新のウェブ標準と臨床用語を活用し、実装に強く焦点を当てていると述べている。

第7–8章:リソースの基礎とデータ型/主要なリソース

これらの章は、FHIRの構成要素を扱う。リソースとそのデータ型の基礎、そして個々のリソースの選択である。

第9–11章:適合性、用語、プロファイル/FHIRの実装/FHIRにおけるセキュリティと完全性

FHIRの部の残りは、適合性、FHIRでの用語の扱いとプロファイルの利用、実装、そしてセキュリティと完全性を扱う。

第12–14章:HL7バージョン2/CDA──臨床文書アーキテクチャ/IHE XDS

第3部は、出版社によれば今も広く使われている古い標準を扱う。HL7バージョン2のメッセージング、臨床文書アーキテクチャ(CDA)、IHE XDSである。

第15–18章:分類/SNOMED CT/LOINC/用語の利用

用語の部は、分類、SNOMED CT、LOINCを扱い、続いて用語が実際にどう使われるかを述べる。SNOMED CTの章は約32ページで、本書で最も長い章である。

第19–23章:プライバシーと同意/モデル/UML、XML、JSON/標準化団体/HL7 v3

最後の部は、プライバシーと同意、モデル、UML・XML・JSON、標準化団体、そして最後にHL7 v3を扱う。

主要概念

第1–4章:原則

  • 相互運用性とその難しさ:構造や意味の異なるシステム間で医療情報を交換すること。
  • 臨床用語:データに共通の意味を与えるコード化された語彙。
  • 安全性:冒頭の原則の中に置かれた話題。

第5–11章:FHIR

  • FHIRのリソースとデータ型:FHIRの構成要素。
  • FHIR API:FHIRのシステムがリソースを交換する方法。
  • プロファイルと適合性:標準の使用を制約し、確認すること。
  • セキュリティと完全性:FHIRのやり取りを保護すること。

第12–23章:古い標準、用語、関連する話題

  • HL7 v2、CDA、IHE XDS:今も広く使われている古い標準。
  • SNOMED CTとLOINC:主要な臨床用語と、分類およびその実際の利用。
  • プライバシーと同意:最後の部で扱われる。
  • 標準化団体:標準がどのように作られるか。

批判的分析

長所

  • 標準に近い著者。 Grahame Grieve はHL7のFHIR製品ディレクターでFHIRの創始者と紹介されている。Tim Benson は、SNOMED CTの2つの源の1つであるRead Codesの開発に関わり、HL7教育委員会の共同議長を務めた。本書は標準のコミュニティの内側から書かれている。
  • FHIRに最も多くの紙幅。 7章(第5–11章)が475ページのうち約130ページを占める。出版社は、この版がFHIRの議論を拡大したと述べており、この部は原則とAPIから、リソース、プロファイル、実装を経て、セキュリティに至る。
  • 従来の標準と用語も含む。 HL7 v2、CDA、IHE XDS、HL7 v3の各章と、分類、SNOMED CT、LOINC、用語の利用についての4章により、古い標準が使われ続けている環境にも本書は有用である。
  • 明確な内部構造。 5部構成への再編成により、FHIRの実装や用語の作業など、1つの課題をもつ読者は、関連する部へ直接進める。

短所

  • 記法の説明が後ろにある。 UML、XML、JSONは巻末近くの第21章で扱われるが、FHIRに初めて触れる読者は、もっと早くそれらを必要とするかもしれない。これらの形式に慣れていない読者は、FHIRの章の前に第21章を参照するとよい。
  • 動く標的。 出版社は、FHIRが急速に最も重要な標準になったと述べており、2020年刊行の本の後も仕様は変化し続ける。読者は現在公表されている仕様を確認すべきである。
  • 独立した評価が少ない。 第4版についての独立した書評は見つからず、出版社の説明は演習問題に触れていないため、本書は問題中心のコースよりも、自主的な学習に向いているように見える。

コースにおける位置づけ

医療情報学の本の中で、本書は標準に焦点を当てた専門的な教科書である。Coiera の Guide to Health Informatics は幅広い概念的な基礎で、臨床スキル、健康記録、意思決定支援、用語を扱うが、メッセージング標準の章はなく、最初に読むのに自然な本である。Hersh の Health Informatics: Practical Guide はもう1つの入門的概観であり、Wachter の The Digital Doctor は、医療が電子記録を導入したときに何が起きたかを伝える取材に基づく記述で、相互運用性が重要になる背景を知るのに役立つ。

Shortliffe らの Medical Informatics は、臨床データ、意思決定支援、記録を扱うシステム志向の教科書であり、Hersh の Information Retrieval: A Biomedical and Health Perspective は、生物医学情報の検索を扱う。Benson と Grieve は、システムがデータを交換できるようにする標準について、これらより深く掘り下げており、相互運用可能なシステムの構築や調達に関わるときに、入門書のあとで読むのに適している。

本書の使い方

本書は、医療の相互運用性を理解または実装する必要のある読者、すなわち情報学の学生、ソフトウェア開発者やアナリスト、統合プロジェクトを発注する臨床家や管理者に向けられている。医療のプロセスの基本的な知識と、XMLやJSONといったデータ形式の知識があると役に立つ。後者については、第21章を先に読んでもよい。

まず第1〜4章で原則を読む。その後は目的に応じて選ぶ。FHIRなら第5〜11章を順に、従来のインターフェースと文書交換なら第12〜14章、用語なら第3章と第15〜18章、プライバシーとガバナンスなら第19章と第22章である。HL7 v3を扱う第23章は最後にあり、主に既存のシステムでそれに出会う読者にとって重要になる。FHIRの章を読む間は、現在のFHIR仕様と、可能であればテストサーバーを手元に置いておくとよい。