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Small Places, Large Issues: An Introduction to Social and Cultural Anthropology(小さな場所、大きな問題:社会・文化人類学入門) cover

人類学

人類学

Small Places, Large Issues: An Introduction to Social and Cultural Anthropology(小さな場所、大きな問題:社会・文化人類学入門)

Thomas Hylland Eriksen

英語原題: Small Places, Large Issues: An Introduction to Social and Cultural Anthropology

人類学の歴史と方法から古典的な主題を経て現代のグローバルな問題へと進む、大学レベルの社会・文化人類学の入門書。各章は中心となる概念と多くの地域の民族誌的事例を組み合わせ、小さな共同体を細かく調べることが、社会、文化、変化をめぐる大きな問いをどのように照らし出すかを示す。

前提知識: 前提知識は不要で、人類学を学び始める学生向けに書かれているが、社会科学の一般的な読書経験があると役立つ。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
social anthropologycultural anthropologyethnographykinshipglobalization教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Eriksen, T. H. (2023). Small Places, Large Issues: An Introduction to Social and Cultural Anthropology (5th ed.). Pluto Press.

章の要約

第5版は22の章と短いエピローグからなり、本文はおよそ440ページで、そのあとに文献目録と索引が付く。出版社の説明によれば、本書は親族、エスニシティ、儀礼、政治体系といった中心的な話題に焦点を当て、人類学の広がりを示す多くの例を挙げる比較の入門書であり、議論を説明するために主要な著作の書評を用いている。この版の新しい点は、医療人類学と気候変動の章、生態、自然、人新世についての節の書き直し、そしてジェンダーとデジタル化を全体を通してより体系的に扱っていることである。

第1〜3章:Anthropology: Comparison and Context(人類学:比較と文脈);A Brief History of Anthropology(人類学小史);Fieldwork and Ethnography(フィールドワークとエスノグラフィー)

最初の部分は学問分野の土台を築く。比較と文脈についての短い冒頭の章(約11ページ)、この学問の歴史(約19ページ)、そしてフィールドワークとエスノグラフィーの章(約23ページ)である。

第4〜6章:The Social Person(社会的人格);Local Organisation(地域組織);Person and Society(人と社会)

これらの章は社会生活の基本的な問い、すなわち人格、地域共同体の組織、個人と社会の関係に向かう。各章はおよそ15〜23ページである。

第7〜8章:Kinship as Descent(出自としての親族);Marriage and Relatedness(結婚と関係性)

約17ページと19ページの2章が親族を扱う。親族は出版社が中心的な話題の一つとして挙げているもので、前者は出自、後者は結婚と関係性を論じる。

第9〜10章:Social Differentiation 1: Gender and Age(社会的分化1:ジェンダーと年齢);Social Differentiation 2: Caste and Class(社会的分化2:カーストと階級)

この2章は、社会が人々をカテゴリーに分ける仕方を扱う。最初がジェンダーと年齢、次がカーストと階級である。出版社によれば、ジェンダーはこの版全体を通じてより体系的に扱われている。

第11〜12章:Religion and Ritual(宗教と儀礼);Language and Cognition(言語と認知)

儀礼は出版社が挙げるもう一つの中心的な話題である。この組の第2の章、言語と認知は、発話と思考の関係を扱う。

第13〜15章:Politics and Power(政治と権力);Political Identity 1: Ethnicity and the Politics of Identity(政治的アイデンティティ1:エスニシティとアイデンティティの政治);Political Identity 2: Nationalism and Minorities(政治的アイデンティティ2:ナショナリズムとマイノリティ)

政治体系、エスニシティ、ナショナリズムが3章のまとまりをなす。著者の以前の著書 Ethnicity and Nationalism は、出版社の著者紹介に挙げられている。

第16〜17章:Economic Anthropology 1: Exchange and Consumption(経済人類学1:交換と消費);Economic Anthropology 2: Production and Technology(経済人類学2:生産と技術)

経済を扱う章は、交換と消費、生産と技術に分けられている。

第18〜19章:Humanity and the Biosphere(人類と生物圏);Complexity and Change(複雑性と変化)

第18章の題名は、人間と自然環境の関係を指している。出版社は、生態、自然、人新世についての節が書き直されたと述べているが、どの章かは明らかにしていない。第19章は複雑性と変化を扱う。

第20〜22章:Medical Anthropology(医療人類学);Anthropology and the Paradoxes of Globalisation(人類学とグローバル化のパラドックス);The Anthropology of Climate Change(気候変動の人類学)

最後の3章は現代の問題を扱う。医療人類学(新設)と気候変動(新設)が、約27ページの長いグローバル化の章を挟んでいる。エピローグ「Making Anthropology Matter(人類学を意味あるものにする)」が3ページで本書を締めくくる。

主要概念

第1〜6章:基礎

  • 比較と文脈:個々の社会をより広い比較の枠組みに位置づけるという、この学問の方法。
  • フィールドワークとエスノグラフィー:この学問が拠って立つ調査方法とその文章化された成果。
  • 社会的人格と地域組織:分析の出発点としての個人と共同体。

第7〜12章:親族、分化、宗教、言語

  • 出自と結婚:親族と関係性を扱う2つの章。
  • 社会的分化:人々を序列づけ、分けるものとしてのジェンダー、年齢、カースト、階級。
  • 宗教と儀礼:出版社が挙げる中心的な話題の一つ。
  • 言語と認知:発話、思考、文化の関係。

第13〜22章:政治、経済、現代世界

  • 政治的アイデンティティ:エスニシティ、ナショナリズム、マイノリティ。
  • 交換と生産:経済人類学の二つの主な流れ。
  • 複雑性と変化:第19章の主題。
  • グローバル化、気候、医療:最後の章を構成する現代的な話題。

批判的分析

長所

  • 広い範囲が整った順序で並ぶ。 目次は、歴史と方法から、親族、分化、宗教、言語、政治、経済、変化を経て、現代の問題へと進む。そのため一冊で一つの授業を組める。
  • 主要な著作の活用。 出版社によれば、本文は主要な著作の書評で議論を説明しており、学生が古典的な文献に入る入口になる。
  • 現代の問題への更新。 医療人類学と気候の新しい章、人新世についての節の書き直し、ジェンダーとデジタル化のより体系的な扱いによって、この版は現在の状況に合っている。Ursula Rao、Tim Ingold、Vered Amit の推薦文は、本書を主要な考え方の要約、一冊で成り立つ図書館、見事な入門書と評している。
  • 一貫した著者。 出版社によれば、この分野で長い経歴をもつ一人の著者が執筆しており、25年以上にわたって学部レベルの入門書として使われてきた。

短所

  • 長さ。 22章、本文約440ページと、多くの1学期の授業で使える量を超えており、教員は取捨選択する必要がある。
  • 社会・文化人類学のみ。 目次には考古学や形質人類学の章がないので、これらの分野には別の資料が必要である。
  • 多くの話題が簡潔に扱われる。 いくつかの章(1、18、22章)は11〜13ページしかなく、事例ごとの分析ではなく概観になる。
  • 独立した書評が少ない。 第5版についての独立した学術誌の書評は見つからなかったため、評価は主に出版社のページと推薦文に基づく。

コースにおける位置づけ

このコース一覧のなかで、Eriksen は社会・文化人類学への、話題ごとに進む幅広い入門書である。Kenneth Guest の Cultural Anthropology: A Toolkit for a Global Age は、初めての授業のために学生を中心に据えた入門書で、エスノグラフィー研究を使って日常生活や公共的な問題を検討する。より手引きの多い教科書の形式を望む読者にとって自然な代替になる。Margaret Mead の Coming of Age in Samoa は1928年の古典的なエスノグラフィーで、社会的人格や、ジェンダーと年齢の章と並べて読む事例として役立つ。ただし歴史的なテクストであることを念頭に置く必要がある。

Alan Barnard の History and Theory in Anthropology は人類学の理論をたどるもので、Eriksen の単独の歴史の章よりはるかに理論に踏み込む。Eric Wolf の Europe and the People without History は、互いに孤立した時間を超えた社会という像を疑う歴史人類学の大著であり、本書のような入門書のあとに読むのがよい。

本書の使い方

本書は人類学を学び始める学生のためのものである。事前の学習は必要ないが、社会科学の読書経験があると役に立つ。

実践的な読み方は次のとおりである。

  • 中核: 学問分野と方法を扱う第1〜3章、続いて親族の第7〜8章、宗教と儀礼の第11章、政治とアイデンティティの第13〜15章。これらの話題は本書の残りの部分でも繰り返し現れる。
  • 授業の重点に応じて: 社会構造と分化は第4〜6章と第9〜10章、経済人類学は第16〜17章、言語と認知は第12章。
  • 現代の問題: 第18〜22章は最も新しく、更新が必要になる可能性が最も高い。現在の議論を知るために読む。

著者が人類学の関連性についてどのように結論づけているかを知るために、3ページのエピローグ「Making Anthropology Matter」を読むとよい。本書は主要な著作の書評を用いているので、取り上げられている本に注意し、主な話題ごとに少なくとも1冊は全体を読むとよい。本書は長いので、節ごとに割り当て、それぞれをコース一覧にあるエスノグラフィー1冊と組み合わせる。