01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Bourdieu, P. (1977). Outline of a Theory of Practice (R. Nice, Trans.). Cambridge University Press. (Cambridge Studies in Social Anthropology, 16.)
章の要約
英語版は、Esquisse d'une théorie de la pratique, précédée de trois études d'ethnologie kabyle(Librairie Droz、1972年)に改訂を加えた翻訳である。短い訳者序文、四つの章、そして長い巻末注から成り、議論の本体は四つの章が担う。章の長さそのものが手がかりになる。第1章は約70ページ、第2章はわずか約25ページ、第3章は約60ページ、第4章は約40ページで、そのほかに約40ページの注がある。
訳者序文
リチャード・ナイスによる序文は短く(vii–viii頁)、議論に先立つ。フランス語原文の英訳版への訳者による導入である。
第1章:客観主義の客観的限界(The Objective Limits of Objectivism)
最も長い章で、超然とした観察者の立場に対する批判を展開する。出版社は本書全体を「社会科学の方法と姿勢への批判であると同時に、人間の行為をどう理解すべきかについての一般的な説明」と紹介しており、この章はその前半を担う。アンソニー・シェルトンの同時代の書評は、この章から(25頁)、メッセージがどう受け取られるかは、相互行為する行為者たちの客観的な位置に大きく左右される、という主張を引用している。章はまた、出版社によれば理論的命題を例証するアルジェリア・カビリアでのフィールドワークも用いる。
第2章:構造とハビトゥス(Structures and the Habitus)
最も短い章で、本書を最も有名にした概念を導入する。出版社の言葉では、ハビトゥスとは「客観的構造と実践のあいだを媒介する原理」であり、これによってブルデューは社会世界についての思考を形づくってきた二項対立を超えることができる。二度読む価値のある章である。
第3章:生成図式と実践の論理:限界内での創出(Generative Schemes and Practical Logic: Invention within Limits)
第3章は議論の実践的な側面に向かう。出版社の紹介は、婚姻戦略および儀礼と神話の役割についての詳細な研究、そして構造が人に組み込まれ、ハビトゥスが行為のなかで対象化されることで社会構成体が自らを再生産する傾向をもつ、という弁証法的過程を挙げている。シェルトンはこの章から(96頁と109頁)、観察者に向けられた光景として社会世界を捉える客観主義の見方と、象徴体系の実践的な整合性について引用している。後者は、整合的であると同時に「使いやすい」原理に従う実践から生じるという。
第4章:構造、ハビトゥス、権力:象徴権力の理論の基礎(Structures, Habitus, Power: Basis for a Theory of Symbolic Power)
最終章は再生産から支配へと進む。出版社は、「厳密で一貫した唯物論的アプローチ」が象徴資本の理論の基礎を築き、さまざまな支配様式の分析を通じて象徴権力の理論に至る、と説明している。
主要概念
第1–2章
- 客観主義:社会生活を外部の観察者にとっての光景として扱う立場。第1章の題名はこれに限界を認めている。
- ハビトゥス:出版社の表現では、客観的構造と実践を媒介する原理。
第3–4章
- 実践の論理/生成図式:第3章の題名に示され、「限界内での創出」が強調される。
- 象徴資本と象徴権力:出版社によれば、終章の唯物論的な支配分析が基礎づけようとする概念。
批判的分析
長所
- 具体的な民族誌の事例に支えられた理論。 出版社は、理論的命題がブルデューのカビリアでのフィールドワーク(婚姻戦略、儀礼と神話の役割を含む)によって例証されると強調している。抽象的な語彙が資料に結びつけられている。
- 人類学の方法に対する再帰的な批判。 シェルトンの書評は、本書をソシュール的構造主義への批判として、また親族の系譜を聞き取ったり、情報提供者から「総覧的な暦」を作ったりする人類学者が、利害に導かれた実践を閉じた体系に変えてしまうことへの批判として読んでいる。彼は本書を人類学の実践批判への重要な貢献と評価し、その影響をリーチのPolitical Systems of Highland Burmaに比した。また、フランス的な文体のなかに優雅さと統一性があると称賛した。
- 簡潔な構成。 四つの章からなり、ハビトゥスが第2章の早い段階で導入されるため、実践理論への道筋が明確である。
短所
- 要求水準の高い文体と用語。 シェルトンは文体がところどころ冗長だと感じ、本書が批判対象である構造主義の用語から完全には自由になっていないと指摘した。
- 中心概念への疑問。 同じ書評は、「ハビトゥス」を初読では不明確と感じ、それが閉じた体系の分析の境界を引き直しただけではないかと疑い、変化の余地がほとんどない静的で自己調整的な体系を含意するのではないかと示唆している。読者はこれらの異論を自分で検討してみるとよい。
- 実践の研究ではなく実践についての理論。 シェルトンの評価では、本書が示すのは人類学の実践の姿ではなく抽象化された実践理論であり、一部の一般化は大づかみである。
- 前提知識。 議論は構造主義、現象学、ソシュール言語学を論敵として進められるため、これらに触れたことのある読者のほうがはるかに追いやすい。
コースにおける位置づけ
人類学理論のコースでは、ブルデューの本は概説書ではなく一次文献である。学問の歴史を扱う本(エリクソンとマーフィーのA History of Anthropological Theory、エリクセンとニールセンのA History of Anthropology、モバーグのEngaging Anthropological Theory)が最初に読むのに自然で、理論書を位置づけやすくする学問的背景を与えてくれる。ギアツのThe Interpretation of Culturesは一覧のなかのもう一つの主要な一次文献であり、対照として有用である。ギアツは文化を意味の網の目として理解することを提案し、ブルデューはその意味の背後にある客観的条件を主張する。マーカスとフィッシャーのAnthropology as Cultural Critique(1986年)は、人類学の方法についての自己批判的な議論を引き継いでいる。
儀礼の人類学に進む読者は、実践理論に再び出会うだろう。キャサリン・ベルのRitual Theory, Ritual Practiceは序論で、「実践理論」が思考と行為の二分法を超えようとする際の困難についての議論を予告している。
本書の使い方
構造主義の伝統をすでに知っていて、行為と構造についての中核的な文献を求める人類学・社会学の大学院生や上級の学部生に向く。出版社は本書を人類学と社会学の基礎に関する主要な理論書として紹介している。
実際の順序としては、訳者序文を読み、第2章を単独で読んでハビトゥスを最も短い形で知り、次に第1章でその概念が何に対置されているかを確認し、それからカビリアの資料と象徴権力の理論が展開される第3章と第4章に進む。主要な用語が最初に現れるところでどう定義されるかをメモしておくとよい。巻末注は長いので、とくにカビリアの資料が論じられる箇所で、選んで参照するのがよい。
対象地域についての一次的な民族誌があればそれと並べて読み、またシェルトンの書評など公刊された批判と照らして、本書の中心概念を異論に対して試してみるとよい。
