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Language, Culture, and Society: An Introduction to Linguistic Anthropology(言語・文化・社会:言語人類学入門) cover

人類学

人類学

Language, Culture, and Society: An Introduction to Linguistic Anthropology(言語・文化・社会:言語人類学入門)

James Stanlaw; Nobuko Adachi

英語原題: Language, Culture, and Society: An Introduction to Linguistic Anthropology

Zdenek Salzmann が始め、現在は James Stanlaw と Nobuko Adachi が執筆する言語人類学の包括的な教科書である。言語の構造、言語の変異と変化、そして言語がアイデンティティ、思考、社会関係をどのように形づくり表現するかを、多くの言語と共同体の例を用いて紹介する。

前提知識: 言語学の予備知識は不要だが、人類学の入門科目を履修しているとよい。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
linguistic anthropologylanguage and culturesociolinguisticslanguage ideologyethnography of communication教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Stanlaw, J., & Adachi, N. (2025). Language, Culture, and Society: An Introduction to Linguistic Anthropology (8th ed.). Routledge.

章の要約

第8版は15章からなり、本文はおよそ450ページで、そのあとに文献目録と索引が付く。出版社は本書を、言語と権力、言語イデオロギー、言語的ディアスポラ、オンラインおよびデジタルのエコシステムといった新しい問題を取り上げる包括的な入門書と説明している。さらに、人種・ジェンダー・セクシュアリティの扱いを捉え直したこと、言語学が考古学や生物人類学にどう役立つかを論じる章や節を加えたこと、言語と真実、倫理、戦争と政治の関係についての考察を加えたことも挙げている。この版の教育的な仕掛けには学習目標が含まれる。

第1〜2章:Introducing Linguistic Anthropology(言語人類学への導入);Methods of Linguistic Anthropology(言語人類学の方法)

冒頭の2章(約18ページと19ページ)は、この分野を定義し、言語人類学者がどのようにデータを集め、分析するかを述べる。

第3〜4章:The "Nuts and Bolts" of Linguistic Anthropology I: Language Is Sound(言語人類学の「基本」I:言語は音である);The "Nuts and Bolts" of Linguistic Anthropology II: Structure of Words and Sentences(言語人類学の「基本」II:語と文の構造)

この2章は合わせて約54ページで、記述言語学を扱う。まず言語の音、次に語と文の構造である。

第5章:Communicating Nonverbally(非言語的コミュニケーション)

話し言葉に頼らないコミュニケーションを扱う約24ページの章。

第6〜7章:Language and Evolution(言語と進化);Acquiring and Using Language(s)(言語の習得と使用)

第6章は約44ページと比較的長い章で、言語の進化を扱っており、生物人類学とのつながりについての出版社の説明と合致する。第7章は約14ページで、第一言語、第二言語、さらに複数の言語とともに生きることを扱う。

第8章:Language Through Time(時間をたどる言語)

言語が時間とともにどう変化するかを扱う約17ページ。

第9章:Linguistics for Archaeologists(考古学者のための言語学)

言語学が考古学に何を提供できるかを論じる約37ページの章で、この版が言語学の考古学への貢献についての内容を加えたという出版社の説明と一致する。

第10章:Languages in Variation and Languages in Contact(変異のなかの言語と接触のなかの言語)

共同体の内部で言語がどのように異なるか、異なる言語の話者が出会うと何が起こるかを扱う約18ページ。

第11〜12章:Culture as Cognition, Culture as Categorization: Meaning and Language in the Conceptual World(認知としての文化、範疇化としての文化:概念世界における意味と言語);Language, Culture, and Thought(言語・文化・思考)

この2章は、意味、範疇化、言語と思考の関係を扱う。それぞれ約16ページと23ページである。

第13〜14章:Language, Identity, and Ideology I: Variations in Class, Race, Ethnicity, and Nationality(言語・アイデンティティ・イデオロギーI:階級、人種、民族、国籍による変異);Language, Identity, and Ideology II: Variations in Gender and Sexuality(言語・アイデンティティ・イデオロギーII:ジェンダーとセクシュアリティによる変異)

本書でもっとも長い章で、約68ページと59ページあり、言語が社会的アイデンティティやイデオロギーとどう関わるかを扱う。両者を合わせると本文の4分の1を超える。

第15章:The Linguistic Anthropology of a Globalized and Digitalized World(グローバル化とデジタル化の世界の言語人類学)

最終章は約43ページで、題名はグローバル化とデジタルな場を指しており、出版社がこの版で強調する話題(言語的ディアスポラ、オンラインおよびデジタルのエコシステム)と合っている。

主要概念

第1〜5章:分野、方法、言語の構造

  • 言語人類学:文化や社会との関係における言語の研究。
  • 方法:言語人類学者の研究の進め方で、独立した章で扱われる。
  • 音韻と文法:「基本」の見出しのもとで紹介される音、語、文の構造。
  • 非言語コミュニケーション:話し言葉の外にあるコミュニケーション。

第6〜10章:進化、習得、変化、変異

  • 言語の進化:人間の言語の起源と発達。
  • 言語習得:第一言語とそれ以外の言語を学ぶこと。
  • 言語変化:言語の歴史的な変化。
  • 言語接触:言語や話者が出会うときに起こること。

第11〜15章:思考、アイデンティティ、現代世界

  • 範疇化:言語と文化が概念世界を組織する仕方。
  • 言語と思考:話すことと考えることの関係。
  • 言語イデオロギー:言語とその話者についての信念で、出版社が焦点の一つとして挙げている。
  • 言語的ディアスポラとデジタルのエコシステム:第8版で強調される現代的な場。

批判的分析

長所

  • 幅広さ。 15章は、音と構造から非言語コミュニケーション、進化、習得、変化、変異、認知、アイデンティティ、デジタル世界にまで及ぶ。この分野を一冊で見渡す概説である。
  • 更新された話題。 出版社は、言語と権力、言語イデオロギー、言語的ディアスポラ、デジタルのエコシステム、人種・ジェンダー・セクシュアリティの扱いの見直し、考古学や生物人類学との結びつきを新しい内容として挙げている。
  • 教科書としての仕掛け。 学習目標、継続学習のための資料、言語人類学の事典への相互参照が、更新された特徴として説明されている。
  • 評価。 出版社のページは、体系的で読みやすく包括的だと評する書評者の言葉を引用しており、世界各地の言語の例を挙げているという。これらの引用には日付がないため、以前の版についてのものかもしれない。

短所

  • 概説の深さ。 約450ページの15章で広い分野を扱うので、言語の音と構造のような話題は合わせて約50ページにとどまる。より深く学びたい読者は専門書に進む必要がある。
  • アイデンティティに偏った配分。 ページの4分の1以上がアイデンティティとイデオロギーの2章に割かれている。言語と社会を扱う授業には合うが、ほかの話題は短くなる。
  • 以前の版との違い。 2018年版には「The Ethnography of Communication」という題の章があったが、新しい目次にはその名の章がない。古いシラバスを使っている教員は、その話題が今どこにあるかを確認する必要がある。
  • 新しい版で、独立した書評が少ない。 第8版についての独立した書評は見つからなかったため、改訂が授業でどう機能するかはまだ記録されていない。

コースにおける位置づけ

このコース一覧のなかで、Stanlaw と Adachi は幅広い概説の教科書である。Claire Kramsch の Language and Culture は、言語が文化的現実をどう表し象徴するかを扱う短い入門書で、最初に素早く読むのに向く。Laura Ahearn の Living Language は概念を軸にした入門書で、言語を社会的行為として扱い、言語イデオロギー、実践、指標性といった中心的な考え方を示す。本書の第13〜15章と並べて読むとよい。

Alessandro Duranti の Linguistic Anthropology は、文化的実践としての発話を軸にこの分野を定義した大学院レベルの教科書であり、Asif Agha の Language and Social Relations はレジスターと再帰性についての理論的モノグラフである。どちらも、本書が与えるような基礎の上に立つ。Ahearn の Invitations to Love は、一つの共同体で言語人類学を適用したエスノグラフィーのモノグラフである。

本書の使い方

本書は、言語人類学の最初の授業を受ける学部生や、自分の分野の言語的側面を必要とする考古学・生物人類学・社会学の学生に向く。言語学の知識は前提とされないが、人類学の入門科目を履修しているとよい。

1学期の授業の実践的な読み方は次のとおりである。

  • 中核: 第1〜2章、続いて第3〜4章(授業が必要とする範囲の音声学と文法)、そして変異、思考、アイデンティティを扱う第10〜14章。
  • 関心に応じて: 非言語コミュニケーションは第5章、進化・習得・変化は第6〜8章、考古学の学生は第9章、デジタルでグローバルな文脈は第15章。
  • 流し読みでよい部分: すでに言語学を学んだ学生は第3〜4章を素早く読める。

各章のあとで学習目標を使って理解を確認する。アイデンティティの章は Ahearn の Invitations to Love のようなモノグラフと組み合わせ、構造の章では自分が話す言語の書き起こした例で練習するとよい。