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Unequal Childhoods: Class, Race, and Family Life(不平等な子ども時代:階級・人種・家族生活) cover

社会学

社会学

Unequal Childhoods: Class, Race, and Family Life(不平等な子ども時代:階級・人種・家族生活)

Annette Lareau

英語原題: Unequal Childhoods: Class, Race, and Family Life

社会階級が家族の日常生活と子どもの成人への道のりをどのように形づくるかを描いたエスノグラフィーである。中産階級、労働者階級、貧困層の家族を密着観察したデータに基づき、中産階級の計画的な「意図的養育」と、労働者階級や貧困層の家庭に見られる「自然な成長の達成」とを対比している。

前提知識: 社会学の予備知識は不要で、平易な文章で書かれている。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
social classfamilyethnographyeducationcultural capitalmonograph

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Lareau, A. (2011). Unequal Childhoods: Class, Race, and Family Life (2nd ed.). University of California Press.

章の要約

本書は、社会階級が家族生活をどう形づくるかについてのエスノグラフィーである。出版社の説明によれば、アメリカの黒人・白人の中流階級、労働者階級、貧困層の家族を詳しく観察し、中流階級の親の「協調的育成(concerted cultivation)」と、労働者階級や貧困層の親の「自然な成長の達成(accomplishment of natural growth)」を対比している。第2版では、序文、成人期に入った同じ家族を扱う三つの章からなる新しい第IV部、そして追加の付録が加わった。第3〜11章は、章題に子どもの名前を冠した個々の子どもを軸に組み立てられており、枠組みから事例研究へ、そして結論と追跡調査へと進む構成になっている。

第2版への序文、第1〜2章:協調的育成と自然な成長の達成、社会構造と日常生活

第1章は、本書の論点を成す二つの対照的な子育てのあり方を紹介する。第2章は家族をより広い社会構造のなかに位置づけ、事例研究の準備をする。第2版の序文は、後の章が何を加えたかを説明している。

第I部:日常生活の組織(第3〜5章)

時間と活動がどう編成されるかを扱う三つの章で、それぞれ一人の子どもを軸にしている。「協調的育成の慌ただしいペース――ギャレット・タリンジャー」「子どものペース――タイレック・テイラー」「子どもの遊びは子どものもの――ケイティ・ブリンドル」。題名は、忙しく組織された日程と、よりゆっくりしたペース、そして子ども自身の遊びを対比している。

第II部:言葉の使用(第6〜7章)

「子どもを育てる――アレクサンダー・ウィリアムズ」「社会生活の導管としての言語――ハロルド・マカリスター」は、家庭での言語の使われ方と、それが子どもに何を可能にするかに目を向ける。

第III部:家族と制度(第8〜12章)

四つの事例の章が、家族が学校などの制度とどう出会うかを見る。「組織的な場における協調的育成――ステイシー・マーシャル」「うまくいかなかった協調的育成――メラニー・ハンドロン」「教育者に任せる――ウェンディ・ドライバー」「ベルトで打たれ、『学校』を恐れる――リトル・ビリー・ヤネリ」。第12章「社会階級の力と限界」は、知見をまとめる。

第IV部:不平等な子ども時代と不平等な成人期(第13〜15章)

第2版で新たに加わった部。第13章は、親が若い成人に与える情報や介入の階級差を扱う。第14章は、縦断的エスノグラフィーと、調査に対する家族の反応を振り返る。第15章「文脈のなかの不平等な子ども時代――量的分析の結果」は、Lareau、Elliot Weininger、Dalton Conley、Melissa Velezの共著である。

あとがきと付録

あとがきの後に、方法論の付録A(「フィールドワークにおける持続するジレンマ」)、理論の付録B(「ピエール・ブルデューの仕事を理解する」)、表の二つの付録が続き、注と改訂版の文献表で終わる。

主要概念

第1〜2章

  • 協調的育成:組織された活動と注意を通じて、子どもの才能や技能を引き出そうとする中流階級の方法。
  • 自然な成長の達成:快適さ、食事、住まいが与えられれば発達は自然に展開すると考える、労働者階級や貧困層の方法。
  • 社会構造と日常生活:家族の位置と日々の営みとのあいだに本書が引く結びつき。

第I〜III部

  • 日常生活の組織:子どもの時間と余暇がどう編成されるか。
  • 言葉の使用:家庭での話し方がどう異なり、子どもに何を備えさせるか。
  • 家族と制度:親が学校その他の組織とどう関わるか。

第IV部と付録

  • 縦断的エスノグラフィー:同じ家族を時間をかけて追うこと。第14章で論じられる。
  • 階級と若い成人期:階級差が成人期への移行にも続くこと。
  • ブルデューの仕事:付録Bに示された理論的背景。

批判的分析

長所

  • 緻密な観察。 事例研究の章は、個々の子どもと家族への集中的な観察に基づいており、書評でも評価された。出版社は『American Journal of Sociology』誌の書評が階級不平等の「力強い描写」を評価したこと、『Social Forces』誌が多くの研究よりも深く子どもたちの生活に読者を導くと評したことを引用している。
  • 方法への率直さ。 同じ『American Journal of Sociology』誌の書評は、学術書がしばしば素通りする方法上・分析上のジレンマに率直に取り組む点を称賛しており、付録Aはフィールドワークのジレンマに充てられている。
  • 読みやすさ。 出版社が引用する『Social Forces』誌の書評は、階級・不平等・家族生活についての基本的な社会学の考え方が読みやすく明快に表現されており、学部の授業に最適だと述べている。
  • 知見を検証する追跡調査。 成人期の同じ家族を扱う第IV部と、量的分析の第15章により、当初の議論が時間を経ても成り立つかを確かめられる。出版社が引用する『Canadian Journal of Sociology』誌の書評は、子育てのパターンが持続していることを強調した。

短所

  • 小さな標本。 出版社が引用する『Canadian Journal of Sociology』誌の書評によれば、集中的な観察は12の家族に及んだ。概念は少数の事例から得られた知見として扱うべきであり、量的分析の章の追加もそのことを暗に認めている。
  • 時代と国の限定。 データ収集は1989年に始まり、主な観察は1993〜95年(同書評)、舞台はアメリカである。他国や後の時代との比較には、ほかの資料が必要になる。
  • 主なレンズは階級。 題名は人種にも触れているが、出版社は黒人・白人どちらの中流階級の親も同じ方法を取ると述べており、観察された家族については階級が人種より多くを説明することが示される。人種、ジェンダー、地域に関心のある読者には補う文献が要る。

コースにおける位置づけ

階級・不平等のコースで、Lareauは階級を家族という規模で示す本である。Mike Savageらの Social Class in the 21st Century は、経済的・社会的・文化的資本に基づく、サーベイによるイギリスの階級論で、Lareauのアメリカのエスノグラフィーと比べるのに役立つ。Dennis Gilbertの The American Class Structure in an Age of Growing Inequality は、アメリカの階級構造のモデルと、仕事・所得・資産のデータを提供し、Lareauの家族をそれに照らして位置づけられる。

Jeff ManzaとMichael Sauderの Inequality and Society と読本 Social Stratification は、社会科学全体にわたる不平等に関する古典と最新の文章を集めており、より広い文脈を与える。Erik Olin Wrightの Understanding Class は、マルクス主義、ウェーバー主義、階層論のアプローチを並べて論じる理論書で、ブルデューを紹介するLareauの付録Bと組み合わせられる。

本書の使い方

社会学の予備知識は不要で、出版社が引用する書評は読みやすいと評している。社会学、教育学、家族研究などの学部生や、階級が子ども時代をどう形づくるかに関心のある親・教師に向く。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 中核: 中心的な対比を示す第1章、続いて第2章、そして第I〜III部の事例の章。第12章が議論をまとめる。
  • 選択的な読み方: 事例の章はそれぞれ独立性が高く、各部から一つずつ、たとえば第3、7、8章を課すこともできる。
  • 第2版の新しい部分: 長期的な帰結に関心があれば第IV部を読む。第15章が量的な証拠を与える。
  • 方法と理論: 付録Aはエスノグラフィーの倫理と実践、付録Bは「文化資本」のブルデュー的背景。
  • 学習上の工夫: 読みながら二つの家族の短い比較を書き、時間、言葉、制度という、本書が証拠を整理する三つの見出しに注目する。