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Psychopathology: Science and Practice(精神病理学:科学と実践) cover

心理学

心理学

Psychopathology: Science and Practice(精神病理学:科学と実践)

Ronald J. Comer; Jonathan S. Comer

英語原題: Psychopathology: Science and Practice

コマー父子による長年の異常心理学教科書の現行版で、心理的障害の科学とその治療の実践に焦点を当てることを示すために改題されました。主要な障害カテゴリー、それらを説明するモデル、治療に関する証拠を概観し、豊富な事例と多文化的視点を備えています。

前提知識: 心理学の入門科目を履修していれば十分で、臨床経験は前提としません。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
abnormal psychologypsychopathologyclinical psychologymental disorderstreatment教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Comer, R. J., & Comer, J. S. (2024). Psychopathology: Science and Practice (12th ed.). Worth Publishers (Macmillan Learning).

章の要約

本書はComer父子による長く続く教科書の第12版で、出版社は「旧 Abnormal Psychology」と説明している。18章が6つの部にまとめられており、基礎の部、障害を扱う4つの部、そして法と社会についての結びの章から成る。Macmillan Learningによれば、この版はDSM-5-TRに合わせて全面的に改訂され、COVID-19パンデミックが精神保健とその治療に与えた影響についての記述が加わり、共感的なアプローチ、多文化的な視点、理論モデルの統合、豊富な事例という著者たちの特徴を引き継いでいる。

第1〜4章:精神病理学の過去と現在;精神病理学の研究;精神病理学のモデル;臨床的アセスメント、診断、治療

最初の部は以降のすべての基礎を築く。心理的な異常がこれまでどのように理解され治療されてきたか、どのように研究されるか、それを説明するために用いられる理論モデル、そして臨床家がそれをどのようにアセスメントし、診断し、治療するかである。出版社によれば、第4章はDSM-5-TRを扱い、この版では性別違和についての議論を、スティグマを避け健全なジェンダーの多様性への理解を促すために、性障害の章から第4章へ移している。

第5〜8章:不安と気分の問題

不安症、強迫症および関連症群;トラウマとストレスの障害;抑うつ障害と双極性障害;自殺。 障害を扱う最初のまとまりは、不安と強迫の問題、トラウマおよびストレス関連障害、抑うつ障害と双極性障害を扱い、続いて自殺について1章を丸ごと充てている。出版社は、DSM-5-TRに沿って第6章で遷延性悲嘆症を新たに扱ったことを挙げている。

第9〜12章:心と身体の問題

身体症状を特徴とする障害;摂食障害;物質使用および嗜癖性障害;性障害。 この部は、身体症状、摂食、物質使用、性機能が中心となる状態をまとめている。

第13〜14章:精神病の問題

統合失調症および関連障害;統合失調症とその他の重度精神障害の治療。 精神病には2章が充てられ、1章は障害そのもの、もう1章はその治療(他の重度精神障害の治療を含む)に充てられている。

第15〜17章:生涯発達にわたる問題

パーソナリティ障害;子どもと青年に多い障害;加齢と認知の障害。 この部はパーソナリティ障害、児童期・青年期の障害、そして老年期と認知の障害を扱う。出版社は、この版の当事者の視点の1つとして、自閉症とADHDについての神経多様性の視点を新たに取り上げたことを挙げている。

第18章:法、社会、精神保健の専門職

結びの章は、個々の障害から、精神保健の仕事を取り巻く法的・社会的な環境と専門職そのものへと視点を移す。

主要概念

基礎(第1〜4章)

  • 精神病理学のモデル:心理的障害を説明するために用いられる理論的視点。出版社によれば、本書はこれらを1つずつ切り離して示すのではなく統合している。
  • 臨床的アセスメントと診断:臨床家が情報を集め障害を分類する方法。本書ではDSM-5-TRに基づいて扱われる。
  • 精神病理学の研究:障害の原因と治療を研究するための方法。

障害の章(第5〜17章)

  • DSM-5-TRの分類:障害の章は、不安症と強迫症、トラウマおよびストレス関連障害、抑うつ障害と双極性障害といった診断上のまとまりに従っている。
  • 遷延性悲嘆症:DSM-5-TRで追加された診断で、第6章で新たに扱われている。
  • 重度精神障害の治療:統合失調症の章の中の節としてだけでなく、1章全体(第14章)の主題となっている。
  • 生涯発達の視点:障害を、それが最も多く見られる人生の段階ごとに、子ども時代から老年期まで整理する。

結び(第18章)

  • 法、社会、専門職:精神病理が診断され治療される際の、法的・社会的・専門職的な枠組み。

批判的分析

長所

  • 診断実務に即した最新性。 出版社によれば、本書はDSM-5-TRに合わせて全面的に改訂され、全体を通じて診断チェックリストが更新され、遷延性悲嘆症が新たに扱われている。
  • 文化と多様性への注目。 Macmillan Learningは、文化に応じた治療、セラピストの文化的謙虚さ、コミュニティ参加型研究、健康格差、交差性、歴史的トラウマ、診断上のバイアス、差別と偏見の心理的影響についての議論の拡充を挙げている。繰り返し登場するPsychWatchというコラムは、文化が障害と治療に与える影響に焦点を当てている。
  • 治療に独自の場を与えている。 第4章での治療の扱いに加えて、統合失調症とその他の重度精神障害には独立した治療の章があり、出版社は新しい書名で科学と並んで「実践」を強調している。
  • 批判的思考を促す仕組み。 出版社によれば、各章の本文中にCritical Thoughtの問いがあり、コラム(Trending、MindTech、InfoCentralのインフォグラフィック)が現在の論争、技術、データを取り上げている。
  • 経験豊かな著者陣。 Ronald Comerはプリンストン大学で長年にわたり精神病理学を教えてきた。Jonathan Comerは臨床研究者であり臨床心理士として実践も行い、学術誌 Behavior Therapy の編集者を務めている。

短所

  • 1つの診断体系と特定の時期に結びついている。 障害の章はDSM-5-TRのカテゴリーに従っており、新しい内容の一部はCOVID-19パンデミックに関するものである。ICD-11で訓練を受けるアメリカ国外の学生は体系間の読み替えが必要になり、パンデミック期の知見はいずれ古くなりうる。
  • 深さより広さ。 1冊の入門書で18章を使ってすべての主要な障害群を扱う以上、個々の障害の扱いは概観にとどまらざるをえない。詳しい臨床プロトコルが必要な学生は治療マニュアルを併用する必要がある。
  • 主要な学習ツールはオンライン。 仮想患者を使ったClinical Choicesの演習、動画コレクション、LearningCurveの適応型クイズはAchieveプラットフォームで提供され、印刷版には含まれない。

コースにおける位置づけ

本書はこのコースにおける心理的障害の主要な概説書であり、各障害がどのようなものか、どう説明され、どう治療されるかを扱う。Susan LlewelynとKatie Aafjes-van Doornの Clinical Psychology: A Very Short Introduction と、Tom Burnsの Psychiatry: A Very Short Introduction は、これらの障害に関わる2つの専門職についての短い概説であり、どちらも数時間で読めるので、第1章の前か第18章と並行して読むとよい。Andrew Pomerantzの Clinical Psychology: Science, Practice, and Diversity は、障害ではなく臨床心理学という専門職(訓練、アセスメント、心理療法)についての教科書なので、Comerの本と重複するのではなく補い合う関係にある。

さらに先へ進む本が2冊ある。James MadduxとBarbara Winsteadの Psychopathology: Foundations for a Contemporary Understanding は、精神病理がどのように定義され分類されるかを問い直す大学院レベルの編著であり、本書が用いるカテゴリーそのものを検討したい学生にとって、第1〜4章の後の自然な次の一歩となる。David Barlowの Clinical Handbook of Psychological Disorders は、エビデンスに基づく療法の開発者たちによる治療マニュアルであり、本書の障害の章の治療に関する節が要約するにとどまる内容を、セッションごとに示している。

本書の使い方

本書は心理学入門の履修を前提とし、臨床経験は前提としない。異常心理学や精神病理学を履修する学部生、そして精神障害の体系的な概観を必要とする看護、ソーシャルワーク、関連分野の学生に向いている。

実践的な計画:

  • まず中核: 第1〜4章。以降のすべての章は第3章で導入されるモデルと第4章のアセスメントと診断の概念に依拠しているので、どの障害の章よりも先に読むべきである。
  • 部ごとに障害の章を読む: 各部は1つの単位として読める。1学期の講義なら、第5〜8章(不安、トラウマ、気分、自殺)の大半と第13〜14章(精神病とその治療)を扱い、そのうえで心身の部と生涯発達の部から選ぶことができる。
  • 第18章で締めくくる。 それまでの内容を法的・専門職的な文脈の中に位置づける章である。

障害ごとに、同じ行をもつ簡単な学習表を作るとよい。症状と診断基準、各モデルによる説明、治療とそのエビデンスである。同じ構造を繰り返すことで、障害どうしを比較し、どのモデルがどの状態をよりよく説明するかがわかりやすくなる。Critical Thoughtの問いは短い作文の課題として使える。講義でAchieveを使う場合、Clinical Choicesの演習で仮想患者の症状を見分ける練習ができる。出版社がAchieveとセットで提供する Case Studies in Abnormal Psychology は、より長い事例を補ってくれる。アメリカ国外の学生は、読み進めながら各診断がICD-11でどう扱われているかを確認するとよい。