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Clinical Handbook of Psychological Disorders: A Step-by-Step Treatment Manual(心理障害臨床ハンドブック:ステップ・バイ・ステップの治療マニュアル) cover

心理学

心理学

Clinical Handbook of Psychological Disorders: A Step-by-Step Treatment Manual(心理障害臨床ハンドブック:ステップ・バイ・ステップの治療マニュアル)

David H. Barlow

英語原題: Clinical Handbook of Psychological Disorders: A Step-by-Step Treatment Manual

エビデンスに基づく心理療法の開発者たちが、特定の障害をどのように評価し治療するかを解説する編著の治療マニュアル。各章はまず障害と治療効果の証拠を概観し、続いて一つの事例を評価、ケースフォーミュレーション、各セッションの介入へとたどる。セラピストとクライエントのやりとりの記録が添えられることも多い。

前提知識: 学部レベルの精神病理学と臨床心理学の科目。診断分類と認知行動療法の原理についての理解。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Barlow, D. H. (Ed.). (2021). Clinical Handbook of Psychological Disorders: A Step-by-Step Treatment Manual (6th ed.). The Guilford Press.

章の要約

第6版は19章、約820ページである。出版社は各章を第一線の専門家が執筆していると述べており、紹介されている評者も、寄稿者の多くが記述される治療法の開発者であると指摘している。出版社の説明による共通の構成は、障害と現在の知見、介入の概念的・実証的基礎、そして本書全体の問い「どうやるのか」への答えを、詳しい事例を通して示すものである。Barlowは各章に短い導入を付け、その治療の特徴を示している。各章が同じ構成をとっているため、以下の要約では構成を繰り返さず、障害または方法と著者を示す。

第1章:Panic Disorder and Agoraphobia(パニック症と広場恐怖症)

著者はMichelle G. Craske、Kate Wolitzky-Taylor、Barlow。冒頭の章で、広場恐怖を伴う場合と伴わない場合のパニック症の治療を示す。

第2章:Posttraumatic Stress Disorder(心的外傷後ストレス障害)

著者はCandice M. Monson、Philippe Shnaider、Kathleen M. Chard。心的外傷後ストレス障害の治療を扱う。

第3章:Social Anxiety: A Process-Based Treatment Approach(社交不安:プロセスに基づく治療アプローチ)

著者はIdan M. AderkaとStefan G. Hofmann。出版社はこの章を今版の新規内容として挙げ、プロセスに基づく治療を社交不安に対する新しい第三世代のアプローチと説明している。

第4–5章:Obsessive–Compulsive Disorder(強迫症);Generalized Anxiety Disorder: An Acceptance-Based Behavioral Therapy(全般不安症:アクセプタンスに基づく行動療法)

第4章の著者はMartin E. FranklinとEdna B. Foa。第5章はLizabeth Roemer、Elizabeth H. Eustis、Susan M. Orsilloによるもので、標準的な認知行動療法のプロトコルではなく、アクセプタンスに基づく行動療法を示す。

第6章:Emotional Disorders: A Unified Protocol for Transdiagnostic Treatment(情動障害:診断横断的治療のための統一プロトコル)

著者はLaura A. Payne、Kristen K. Ellard、Todd J. Farchione、Barlow。診断ごとに別のプロトコルを用いるのではなく、複数の情動障害に用いる一つのプロトコルを説明する。

第7–9章:Cognitive Therapy for Depression(うつ病の認知療法);Interpersonal Psychotherapy for Depression(うつ病の対人関係療法);Behavioral Activation for Depression(うつ病の行動活性化)

同じ問題への三つのアプローチで、著者はそれぞれ、Aaron T. Beckを含むJeffrey E. Youngら、Kathryn L. BleibergとJohn C. Markowitz、Sona Dimidjian、Christopher R. Martell、Ruth Herman-Dunn、Samuel Hubleyである。三つを並べて読むと、エビデンスに基づく三つの治療が理論と技法でどう異なるかが分かる。

第10–11章:Borderline Personality Disorder(境界性パーソナリティ障害);Addressing Self-Injurious Thoughts and Behaviors within the Context of Transdiagnostic Treatment for Emotional Disorders(情動障害の診断横断的治療における自傷的思考と行動への対応)

第10章の著者はAndrada D. Neacsiu、Noga Zerubavel、K. Maria Nylocks、Marsha M. Linehan。第11章はKate H. Bentley、Joseph S. Maimone、Matthew K. Nockによるもので、出版社は自傷的思考・行動の診断横断的治療に関する新規の章として挙げている。

第12–13章:Bipolar Disorder(双極性障害);Schizophrenia and Other Psychotic Disorders(統合失調症とその他の精神病性障害)

著者はそれぞれDavid J. Miklowitz、およびNicholas TarrierとKatherine Berryで、重い精神疾患を扱う。

第14–16章:Alcohol Use Disorders(アルコール使用障害);Substance Use Disorders(物質使用障害);Treatment of Sleep Disturbance(睡眠障害の治療)

第14章の著者はBarbara S. McCradyとElizabeth E. Epstein、第15章はStephen T. Higgins、Sarah H. Heil、Kelly R. Peck、第16章はKatherine A. KaplanとAllison G. Harveyである。

第17章:Cognitive-Behavioral Therapy for Chronic Pain(慢性疼痛の認知行動療法)

著者はJohn D. Otis。出版社は慢性疼痛に関する章を今版の新規内容として挙げている。

第18–19章:Eating Disorders: A Transdiagnostic Protocol(摂食障害:診断横断的プロトコル);Couple Distress(カップルの苦悩)

第18章の著者はZafra CooperとRebecca Murphy、第19章はAndrew Christensen、Jennifer G. Wheeler、Brian D. Doss、故Neil S. Jacobsonである。巻末には著者索引と事項索引が付く。

主要概念

不安、トラウマ、強迫(第1–6章)

  • プロセスに基づく治療:第3章で示される、社交不安に対する新しい第三世代のアプローチを指す出版社の用語。
  • アクセプタンスに基づく行動療法:第5章で全般不安症の治療に用いられるモデル。
  • 診断横断的治療:複数の情動障害に一つのプロトコル(統一プロトコル)を適用すること。

気分、パーソナリティ、重い精神疾患(第7–13章)

  • うつ病への三つの治療:認知療法、対人関係療法、行動活性化。
  • 自傷的思考と行動:本書では情動障害の診断横断的治療の中の一つの課題として扱われる。
  • 境界性パーソナリティ障害の治療:Linehanらによる章。

物質使用、睡眠、疼痛、摂食、関係(第14–19章)

  • アルコールやその他の物質使用障害の治療。別々の章で扱う。
  • 睡眠障害の治療と、慢性疼痛の認知行動療法。
  • カップルの苦悩:個人の障害ではなく関係に焦点を当てた唯一の章。

批判的分析

長所

  • 開発者自身による治療の記述。 出版社はBarlowが「第一線の専門家」を集めたと述べ、出版社のページに引用されたSteven Hollonは、著者に介入の開発者が多く含まれると指摘している。目次にはBeck、Linehan、Foa、Barlow自身といった名前も見える。
  • 「ステップ・バイ・ステップ」の設計。 各章は、エビデンスの検討、治療の実施方法の説明、詳しい事例を組み合わせている。出版社が引用する第5版への『Journal of Clinical Psychiatry』の書評は、臨床の場面や逐語記録が、技法を硬直的に適用するのではなく個々に合わせて用いることを示している点を評価し、本書を臨床家が繰り返し開く「お気に入りのレシピ本」にたとえている。
  • 教育での利用。 出版社が引用する教員、ハーバード大学のRichard McNallyやコロンビア大学のAndré Ivanoffは、大学院の臨床課程で主要テキストとして使っていると述べている。Barlowの各章の導入は教育・訓練に役立つよう意図されている。
  • 一つの問題に複数の治療。 うつ病に三つの章があり、一冊の中でアプローチを比較できる。

短所

  • 扱う範囲が限られる。 19章は一般的な成人の問題を扱っており、目次には児童・青年期の障害や神経認知・神経発達の状態についての章はない。治療マニュアルであり、精神病理学の概説書ではない。
  • 前提となる訓練。 本書が教えるのは治療の実施方法であって、診断や障害そのものではない。読者には精神病理学と認知行動療法の原理の基礎が必要である。
  • 論集であること。 各章の執筆チームが異なるため、深さや文体にばらつきがある。共通の構成によりそれは軽減されるが、なくなりはしない。
  • 新しさ。 出版社は新版を2026年12月に刊行予定と述べており、本版はいずれ古くなる。
  • 読むことは訓練ではない。 事例や逐語記録は治療の例示であり、適切に実施するには指導のもとでの実践が必要である。

コースにおける位置づけ

このコースの書籍リストの中では、実務寄りの端にある。入門書を先に読むのがよい。Llewelyn と Aafjes-van Doorn の Clinical Psychology: A Very Short Introduction とBurnsの Psychiatry: A Very Short Introduction は二つの職業の短い概観で、Pomerantzの Clinical Psychology: Science, Practice, and Diversity は、評価や心理療法を含め、臨床心理士が何をするかを扱う学部向けの入門書である。

障害そのものについては、ComerとComerの Psychopathology: Science and Practice が主要なカテゴリー、説明モデル、治療のエビデンスを概観し、MadduxとWinsteadの Psychopathology: Foundations for a Contemporary Understanding は、障害の原因と治療を扱う大学院レベルの論集で、障害がどう定義・分類されるかを重視している。Barlowのハンドブックは、そのどちらかの後に読むのが自然である。障害が何で、どんな治療があるかを知った読者に、特定の治療が面接の水準でどう行われるかを示してくれる。

本書の使い方

臨床心理学、カウンセリングなどの分野の大学院生や実務家を対象とする。出版社が引用する評者は、大学院の心理療法の課程や、経験ある臨床家の参考書としての位置づけも述べている。診断カテゴリーと認知行動療法の基本は既に知っているものとされる。

実際的な読み方は次のとおり。

  • 障害ごとに読む。 通読ではなく、ケースや授業のテーマに合う章を選び、まずBarlowの導入でその治療の特徴を確認する。
  • 最初の治療学習の中核: 第1、2、4、7章(パニック、トラウマ、強迫症、うつ病の認知療法)。
  • 治療を比較する: 第7–9章をまとめて読み、第5章と第6章も併せて読む。それぞれが問題をどう定義し、クライアントに何を求めるかを考える。
  • 事例を活用する: 事例を評価、定式化、各セッションまでたどり、治療者の判断を章の理論的根拠で説明してみる。
  • 読了後: 指導のもとでの実践と、各章で参照されている治療プロトコルやマニュアル。