01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Larsen, R. J., & Buss, D. M. (2024). Personality Psychology: Domains of Knowledge About Human Nature (8th ed.). McGraw Hill.
章の要約
第8版は20章からなり、副題にある「知識の領域」ごとに六つの部に配置され、冒頭の二つの章と結びの一章がそれを挟む。McGraw Hill の説明によれば、ラーセンとバスは、パーソナリティの伝統的な大理論を軸に本を組み立てる代わりに、パーソナリティ機能についての六つの知識領域を用いており、文化、ジェンダー、生物学を特に重視している。以下の要約は出版社の目次の題名に従っている。
第1–2章:Introduction to Personality Psychology(パーソナリティ心理学入門);Personality Assessment, Measurement, and Research Design(パーソナリティの評価、測定、研究デザイン)
この分野を示し、続いてパーソナリティがどのように評価・測定・研究されるかを示す二つの冒頭の章で、以降の部で使われる用語を提供する。
第1部 第3–5章:The Dispositional Domain(特性の領域)
Traits and Trait Taxonomies(特性と特性の分類);Theoretical and Measurement Issues in Trait Psychology(特性心理学における理論と測定の問題);Personality Dispositions over Time: Stability, Coherence, and Change(時間を通じたパーソナリティ特性:安定性、一貫性、変化)。これらの章は、特性がどう記述・整理されるか、測定をめぐる問題、特性が時間とともに保たれるかを扱う。
第2部 第6–8章:The Biological Domain(生物学の領域)
Genetics and Personality(遺伝とパーソナリティ);Physiological Approaches to Personality(パーソナリティへの生理学的アプローチ);Evolutionary Perspectives on Personality(パーソナリティへの進化的視点)。三つの章が、人々がなぜ異なるのかについて遺伝的、生理学的、進化的な説明を与える。
第3部 第9–11章:The Intrapsychic Domain(内的心理の領域)
Psychoanalytic Approaches to Personality(パーソナリティへの精神分析的アプローチ);Psychoanalytic Approaches: Contemporary Issues(精神分析的アプローチ:現代の論点);Motives and Personality(動機とパーソナリティ)。精神分析には、その立場を扱う章と現代の論点を扱う章の二つが当てられ、続いて動機の章がある。
第4部 第12–14章:The Cognitive/Experiential Domain(認知・経験の領域)
Cognitive Topics in Personality(パーソナリティにおける認知の話題);Emotion and Personality(感情とパーソナリティ);Approaches to the Self(自己へのアプローチ)。これらの章は、パーソナリティを思考、感情、自己と結びつける。
第5部 第15–17章:The Social and Cultural Domain(社会・文化の領域)
Personality and Social Interaction(パーソナリティと社会的相互作用);Sex, Gender, and Personality(性、ジェンダー、パーソナリティ);Culture and Personality(文化とパーソナリティ)。この領域は対人行動からジェンダー、そして文化的な多様性へと進む。
第6部 第18–19章:The Adjustment Domain(適応の領域)
Stress, Coping, Adjustment, and Health(ストレス、対処、適応、健康);Disorders of Personality(パーソナリティ障害)。本書の応用的な領域で、パーソナリティが対処や健康にどう関わるかと、パーソナリティ障害を扱う。
第20章:Summary and Future Directions(まとめと今後の方向)
各領域をまとめ上げる結びの章。
主要概念
第1–5章:基礎と特性の領域
- 知識の領域:一連の大理論に代わる本書の枠組み。
- 特性の分類:第3章で扱われる、特性を整理する体系。
- 安定性、一貫性、変化:第5章で、時間にわたるパーソナリティを記述する三つの観点。
第6–11章:生物学の領域と内的心理の領域
- 遺伝的、生理学的、進化的視点:生物学的な三つのアプローチ。
- 精神分析的アプローチとその現代的論点:内的心理の伝統についての二章構成の扱い。
- 動機:第11章の主題。
第12–20章:認知、社会、適応の領域
- 自己:第14章の主題。
- 性、ジェンダー、文化:第16章と第17章の話題。
- ストレス、対処、健康:第18章の主題。
- パーソナリティ障害:第19章の主題。
批判的分析
長所
- **理論家でなく問いに基づく枠組み。**出版社は、六つの領域がこの分野の主要な理論を整理し、研究を反映していると述べる。したがって読者は、各理論家が何を主張したかだけでなく、特性、生物学、動機、認知、文化、適応という各種の証拠がパーソナリティについて何を示すかを学べる。
- **生物学、ジェンダー、文化に独立した章がある。**第2部は遺伝、生理、進化に当てられ、第5部には性・ジェンダーと文化にそれぞれ一章があり、これらの分野を重視するという出版社の説明に沿っている。
- **理論の前に方法。**評価、測定、研究デザインの第2章が各領域の前にあり、第4章では特性心理学における測定の問題に再び戻る。
- **応用的な結び。**第6部はストレス、対処、健康とパーソナリティ障害を扱うので、本書はパーソナリティの実際的な帰結で終わる。
短所
- **伝統ごとの章がない。**本書は大理論でなく領域ごとに組まれているため、章題には精神分析の二章はあるが、人間性心理学や学習の伝統を冠した章はない。それらを専用の章で読みたい読者は、Funder の目次に見つけられる。
- **分量と幅広さ。**20章と結びの章は一学期で無理なく消化できる範囲を超えるため、授業では領域を選ぶ必要がある。
コースにおける位置づけ
本書は、Funder の The Personality Puzzle と並ぶこのコースの二つの主テキストの一つである。どちらも本格的な分量のパーソナリティ心理学の教科書で、Larsen と Buss は六つの領域で構成し、Funder(第9版)の17章は、研究法と評価から、特性、生物学、精神分析、人間性心理学、文化、パーソナリティ過程、自己を経て、関係、仕事、健康へと進む。選択は主に構成の違いによる。こちらは領域別、あちらは主要なアプローチを巡る旅である。
Gaines の Personality Psychology: The Basics は、どちらの教科書の前にも読める簡潔な入門書である。Nettle の Personality: What Makes You the Way You Are は、ビッグファイブを中心とした一般読者向けの読みやすい入門書である。さらに深めるには、Matthews、Deary、Whiteman の Personality Traits が特性についての研究に基づく解説であり、Jung の Psychological Types は、パーソナリティのタイプをめぐる考えの歴史に関心のある読者のための一次文献である。
本書の使い方
学部のパーソナリティ心理学の授業のための本格的な教科書である。まず第1–2章でこの分野とその方法を押さえ、その後は領域を順に読むか、授業が重視するものを選ぶ。特性なら第1部、生物学なら第2部、精神分析と動機なら第3部である。
一学期の授業では、第1–5章と第6–8章が自然な中核になり、精神分析の伝統のために第9–10章を加え、シラバスに合わせて第4–6部から一、二章を選ぶ。最後に第20章を読んで各領域を一望する。この分野に最初に触れる読者は、上に挙げたより短い入門書から始めてもよい。
