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Classical Mechanics(古典力学) cover

物理学

物理学

Classical Mechanics(古典力学)

John R. Taylor

英語原題: Classical Mechanics

物理学科の学生が基礎物理の後に履修する中級力学の授業のために書かれた教科書。ニュートン力学をより数学的に丁寧に学び直したうえで、ラグランジュ形式とハミルトン形式を展開し、振動、中心力、剛体、連成系に応用する。明快な文章と難易度別の多数の問題が特徴である。

前提知識: 微積分を用いる基礎物理の履修、多変数微積分、常微分方程式の初歩。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Taylor, J. R. (2005). Classical Mechanics. University Science Books.

章の要約

本書は約790ページで、2部からなる。11章の「基本事項(Essentials)」と5章の「発展的な話題(Further Topics)」に、数学の付録が1つ続く。各章の終わりには問題がある。

第1–4章:ニュートンの運動法則/放物体と荷電粒子/運動量と角運動量/エネルギー

最初の4章は、ニュートン力学を入門の段階を超えたレベルで改めて扱う。ニュートンの法則、放物体と場の中の荷電粒子の運動、そして運動量、角運動量、エネルギーの保存則である。

第5章:振動

H. R. Harrison の書評によれば、振動を扱う章は、例題の大半が摩擦のない系である本書の中で、1自由度系について粘性減衰が登場する箇所である。

第6–7章:変分法/ラグランジュ方程式

変分法は早い段階、第I部の半ばで導入される。変分法(第6章)のすぐあとにラグランジュ方程式(第7章)が置かれているため、第I部の残りではラグランジュの方法を使うことができる。

第8–9章:二体の中心力問題/非慣性系における力学

第8章は中心力のもとでの二体問題、つまり軌道運動の舞台を扱う。第9章は加速する座標系や回転する座標系から見た運動を扱い、Harrison の書評は例の1つとして潮汐の扱いに触れている。

第10–11章:剛体の回転運動/連成振動子と基準振動

第I部は剛体の回転と、連成振動子および基準振動で締めくくられる。本書唯一の付録である実対称行列の対角化は、主軸や基準振動が依拠する行列の手法を扱っている。

第12章:非線形力学とカオス

発展的な話題の最初の章である。出版社はこの章を本書の見どころとして挙げ、少数の単純な系を中心に構成することでカオスの中心的な考え方を理解しやすくしていると説明している。

第13–14章:ハミルトン力学/衝突の理論

第13章はラグランジュ形式に代わる定式化としてハミルトン形式を導入し、第14章は衝突を扱う。

第15章:特殊相対性理論

Harrison は、この章が明快かつ簡潔でありながら、理論の主要な概念をすべて押さえていると評した。

第16章:連続体力学

本書は連続体力学の入門で終わる。粒子と剛体から、広がりをもち変形する媒質へと進む唯一の章である。

主要概念

第I部:基本事項(第1–11章)

  • 保存則:運動量、角運動量、エネルギーの保存。最初の数章の土台となる原理。
  • 変分法:積分を停留させる経路を求める方法で、ラグランジュ力学の背後にある数学。
  • ラグランジュ方程式:一般化座標と一般化速度の1つの関数から導かれる運動方程式で、拘束のある系に便利である。
  • 非慣性系:加速する座標系や回転する座標系から運動を記述すること。そこでは見かけの力が現れる。
  • 基準振動:連成した系の独立な振動のパターンで、対称行列を対角化することによって求められる。

第II部:発展的な話題(第12–16章)

  • カオス:決定論的な非線形系が示す、初期条件に敏感で長期的には予測できない振る舞い。
  • ハミルトン力学:座標と運動量によって力学を定式化する方法。
  • 特殊相対性理論:光速に近い速さで運動する物体の力学。
  • 連続体力学:広がりをもち変形する媒質の力学。

批判的分析

長所

  • 文章の明快さ。 Harrison は The Aeronautical Journal(2005年4月)の書評で、本書は長いが重い読み物ではなく、有能な講師がその場にいるかのように感じられるほど叙述が明快だと書いている。出版社が American Journal of Physics のものとして引用する書評は、当時この授業で最も広く使われていた2冊、すなわち学生が簡潔すぎると感じる Fowles と、冗長すぎると感じる Marion と Thornton よりも、本書のほうがはるかに読みやすいと評した。
  • 大量の、難易度別に分類された問題。 出版社によれば、章末問題は744問あり、話題と大まかな難易度で分類され、簡単な練習からコンピュータを使う課題まで幅がある。Harrison はさらに、各章に多くの例題があり、問題の半数には答えが付いていると述べている。別冊の学生用解答集もある。
  • 早い段階でのラグランジュの方法。 目次は変分法とラグランジュ方程式を第6–7章、つまり中心力、非慣性系、剛体、基準振動より前に置いているため、第I部の後半ではラグランジュ的なアプローチを一貫して使える。
  • 取り組みやすい発展的な話題。 出版社はカオスの章が少数の単純な系に焦点を当てていることを強調し、Harrison は特殊相対性理論の章を称賛した。第II部は、授業に発展の選択肢を与えてくれる。

短所

  • 長い。 約790ページあり、1学期分を超える内容を含む。Harrison も長い本だと述べており、授業では第II部の章から選ぶ必要がある。
  • 物理学中心の応用。 Harrison によれば、応用は主に基礎物理学から取られ、例題の大半は摩擦を無視している。粘性減衰が現れるのは1自由度の振動だけで、2自由度と3自由度の系は減衰なしで扱われる。工学の学生は、散逸のある系については他の資料が必要になる。
  • 書評者が疑問を呈した具体的な箇所。 Harrison は、乾燥摩擦のある斜面を滑り下りるブロックの例に根本的な誤りがあるとした(仕事とエネルギーの方法の例として示されているが、彼の読みでは実際には運動方程式を積分して解いている)。また、地球–月系を公転する系ではなく直線的に加速する系として扱う潮汐の例を奇妙だと評した。この2つの例は批判的に読む価値がある。

コースにおける位置づけ

このコースのリストで、Taylor は2年生または3年生の古典力学の授業の主教科書として自然な選択である。より初歩的な2冊は、それぞれ別の形で本書の前に位置する。Chabay と Sherwood の Matter and Interactions は運動量原理と簡単な計算に基づく微積分を用いた入門課程であり、Taylor が前提とする1年次の力学にあたる。Susskind と Hrabovsky の The Theoretical Minimum は、ニュートンの法則からラグランジュ形式とハミルトン形式の考え方までを講義形式で手短にたどる本で、第6–7章と第13章の予習として使える。

David Morin の Introduction to Classical Mechanics は、同様の範囲を大量の問題と詳しい解答とともに扱う本とされており、Taylor と並行して、あるいはそのあとで、さらなる演習の供給源になる。Goldstein、Poole、Safko の Classical Mechanics はラグランジュ形式とハミルトン形式を大学院レベルで扱う本で、Taylor の第7章と第13章のあとの通常の次の一歩である。Alexander Smits の A Physical Introduction to Fluid Mechanics は、Taylor の連続体力学の1章が終わるところから先へ進む。

本書の使い方

出版社は本書を、「1年次の物理」のような入門物理の授業で力学をある程度学んだ学生向けとしている。読者は微積分に慣れている必要があり、付録は基準振動に使われる行列の対角化を扱っている。物理学専攻の2・3年生や、変分力学を丁寧に学びたい工学・数学の学生に向いている。

1学期の授業のための実践的な計画は次のとおりである。

  • 中核: 第I部を順に読む。入門の授業がしっかりしていた学生は第1–4章を速く進めてよいが、そこで扱う保存則が以後すべての土台になるので飛ばすべきではない。第5–7章、すなわち振動、変分法、ラグランジュ方程式が授業の中心である。
  • 中核の応用: 第8–11章(中心力、非慣性系、剛体、基準振動)。対称行列の対角化の付録は最後の2章に関係する。
  • 発展的な話題: 授業に合わせて第II部から1章か2章を選ぶ。量子力学へ進む学生には第13章、計算を重視するなら第12章、相対性理論を他で教えないなら第15章がよい。第II部の章は学期末の課題研究にも向いている。

問題は難易度の分類を使って選ぶとよい。各話題について易しめの問題をいくつか解いて理解を確かめ、そのあと難しめの問題に少数取り組む。コンピュータを使う問題にも、特にカオスの章では、いくつか挑戦したい。答えが付いているのは問題の半数だけなので、残りは学習仲間と確かめるか、極限の場合で検算するか、学生用解答集で確認するとよい。