01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Conee, E., & Sider, T. (2014). Riddles of Existence: A Guided Tour of Metaphysics (New ed.). Oxford University Press.
章の要約
2014年の新版は序論と12章からなり、全体で約250頁である。各章の終わりに短い読書案内があり、巻末に用語・略語索引がある。二人の著者がそれぞれ6章ずつ執筆しており、序論で各章の執筆者が示されている。出版社は、生き生きとした気取らない文体と、偏見のない非独断的なアプローチを強調している。著者たちは、各章は短く互いに独立して使えること、最も取りつきやすい章が先に置かれていること、各章は扱う問題を選択的に論じ、主題を(そして読者を)疲れ果てさせることなく真剣に検討することを目指していることを説明している。哲学入門の授業で形而上学を扱う部分なら二、三章を、形而上学のコースならどの章でもすべての章でも使えるとしている。新版の序文によれば、形而上学の本性を論じる最後の二章、コニーの「形而上学とは何か」とサイダーの「メタ形而上学」が加えられた。
第1章:人格の同一性
あなたが子どもの頃の写真に写っている赤ん坊と同じ人物であるのはなぜか。この章は魂説を検討し、続いて記憶と性格が入れ替わる王子と靴職人というロックの話を、心理的な説明を支持する事例として取り上げる。さらに、身体の時空的連続性を、一つの脳が二つの身体に分けられるような事例に照らして検証する。こうした事例は、どちらの種類の理論にとっても複製の問題を引き起こす。
第2章:宿命論
すべてはまさに今あるとおりに定められているのか。この章は、予言が真であることから宿命論を導く議論を検討する。そこには、未来についての言明に排中律を認めないという応答も含まれる。そして、真なる予言が過去に存在したことが、これから起こることを確定させるのかを問う。読書案内は、神の予知と人間の自由に関する議論を紹介している。
第3章:時間
サイダーは、時間は流れるのか、流れるとしたらどれほどの速さなのかを問い、時間と空間の類比を検討する。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『ターミネーター』のようなタイムトラベルの物語を用いて、矛盾のないタイムトラベルの物語を語ることはでき、逆向きの因果やタイムトラベルに概念的な不可能性はないと論じる。
第4章:神
この章は神の存在をめぐる議論を論じ、特に、推論だけで神の存在を立証しようとする存在論的論証と、最大限に完全な存在者という概念に注目する。
第5章:なぜ無ではないのか
「なぜ無ではなく何かがあるのか」という問いは、何かを前提とする答えを一切許さないように見える。この章は、ある存在者が必然的に存在することを示そうとする「必然主義的」な答えを探り、必然的存在者を求める存在論的論証は最初の一歩でつまずくと判断し、善い可能性は現実になる傾向があるという提案を検討する。
第6章:自由意志と決定論
サイダーは、自由意志と、原因を探る科学の営みとの衝突を示す。彼は、硬い決定論、量子的な非決定性や行為者因果に訴えるリバタリアン的見解(行為者因果は、単に確率に従うだけなら自由に何も付け加えないと論じる)、そして衝突は自由の意味についての誤解に基づくとする両立論を検討する。
第7章:構成
彫刻家が粘土の塊から像をつくる。像と粘土は一つの対象なのか、二つなのか。この章は構成のパズルとその解決策を検討し、そのなかには、像と粘土が時間的部分を通じて関係するという四次元主義的な見解も含まれる。
第8章:普遍者
普遍者とは、似たものどうしが共有するもののことである。この章は普遍者実在論、多くの哲学者にそれを退けさせる疑念、そして唯名論や、各々のものがそれぞれ固有の形や色をもつとするトロープ説などの代替案を示す。
第9章:可能性と必然性
絶対的な可能性とは何か。この章は可能世界を導入し、それについてのデイヴィッド・ルイスの実在論を論じ、たとえば必然的なものとは定義によって真であるものだとする規約主義によって、ルイスの世界なしに可能性と必然性を脱神秘化できるかを問う。
第10章:倫理の形而上学
コニーは、道徳判断は何についての判断なのかを問う。道徳的評価は行為や人が実際にもつ実在的な性質を帰属させるという道徳的実在論と、道徳的事実の存在を否定する代替案を検討する。
第11–12章:形而上学とは何か/メタ形而上学
新しい二章は、十の異なる問題についての章を経たあとで、何がこの分野を一つにまとめているのかを問う。コニーは、序論が見いだすのが驚くほど難しいと述べる、この分野の統一的な特徴を探り、サイダーの章は形而上学そのものについての問いに向かう。どちらも、序文の言葉によれば、主要な答えに「好意的かつ批判的な注意」を向けている。
主要概念
第1–3章:人格の同一性/宿命論/時間
- 心理的連続性と身体的連続性:時間を通じて人が同じであることを何が成り立たせるかについての対立する説明。
- 複製の問題:一人の人が二人として存続するように見える事例で、人格の同一性の理論を脅かす。
- 宿命論:すべては定められているという見解で、ここでは予言が前もって真であることから論じられる。
- 逆向きの因果:タイムトラベルの物語のように、結果が原因より先に来ること。
第4–6章:神/なぜ無ではないのか/自由意志と決定論
- 存在論的論証:最大限に完全な存在者という概念だけから神の存在を証明しようとする試み。
- 必然的存在者:あらゆる可能な状況で存在するもので、なぜ無ではなく何かがあるのかへの答えとして求められる。
- 硬い決定論、リバタリアニズム、両立論:自由意志と因果的決定をめぐる三つの主要な立場。
- 行為者因果:機械論的な法則に支配されない、人が行使するとされる種類の因果。
第7–9章:構成/普遍者/可能性と必然性
- 構成:像のような対象と、それをつくっている素材との関係。
- 普遍者とトロープ:似たものどうしが共有する特徴と、各々のもののうちにある特徴の個別的な事例。
- 可能世界:物事がそうでありえた完全なあり方で、可能性と必然性を説明するのに用いられる。
第10–12章:倫理の形而上学/形而上学とは何か/メタ形而上学
- 道徳的実在論:実在的な道徳的事実と道徳的性質があるという見解。
- メタ形而上学:形而上学的な問いの本性、方法、意義を研究すること。
批判的分析
長所
- パズルを入口に。 各章は初学者でもその力を感じられる問いから始まり、王子と靴職人、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、像と粘土といった例は記憶に残る。
- 柔軟な構成。 短く独立した章が取りつきやすい順に並んでいるので、序論自身が示唆するように、さまざまなコースに合わせて使いやすい。
- 幅広い話題。 中核的な形而上学に加えて、宿命論、神、そもそもなぜ何かが存在するのかという問い、倫理の形而上学を扱い、新版では形而上学そのものの本性を論じる二章が加わった。
- 概観ではなく議論。 著者たちは紹介する見解を評価しており、たとえばタイムトラベルは概念的に可能だと論じ、ある形の行為者因果は自由に何も加えないと論じる。それによって、学生は立場をとるとはどういうことかを知ることができる。
短所
- 意図的に選択的。 著者たち自身が、各章は問題を選択的に扱うと述べている。各論争の立場を網羅的に知るには、別の文献が必要である。
- 難しさにむらがある。 後半の章、特に可能性と必然性の章と、形而上学そのものを扱う最後の二章は、冒頭の章より抽象的である。著者たちも、最も取りつきやすい章を先に置くことでそれを認めている。
- 学習用の仕掛けが少ない。 短い読書案内はあるが、目次から判断するかぎり、まとめ、学習用の問い、用語集はないので、授業と組み合わせて使うのが最もよい。
コースにおける位置づけ
本書は、このコースの形而上学のリストにある、軽めの最初の本二冊のうちの一冊である。スティーヴン・マムフォードの『Metaphysics: A Very Short Introduction』はより短く、身近なものについての十の素朴な問いを軸に構成されている。コニーとサイダーはより詳しく論じ、宿命論、神、自由意志、倫理の形而上学のようにマムフォードが扱わない話題も含む。どちらを先に読んでもよいが、マムフォードから始めた学生にとって、本書は自然に理解を深める一冊となる。
マイケル・ルークスとトーマス・クリスプの『Metaphysics: A Contemporary Introduction』はより体系的な教科書で、普遍者、可能性、持続をより十分に扱ってほしい学生にとっての次の一歩となる。ピーター・ヴァン・インワーゲンの『Metaphysics』も、大きな問いについて明確な立場を論じている。本書の第9章は、デイヴィッド・ルイスの『On the Plurality of Worlds』とソール・クリプキの『Naming and Necessity』に向けて、このコースで最もよい準備となる。
本書の使い方
形而上学や論理学の予備知識は不要である。各章を要約しており章選びに役立つので、まず序論から読もう。最初の形而上学のコースであれば、第1、3、6、7、8、9章が中核的な話題をカバーする。第2、4、5章は宿命論や宗教哲学を含むコースに向いており、第10章は倫理学の授業とつながる。第11章と第12章は、形而上学とは何かについての主張を試すのに十分な例が手元にそろった最後に読むのがよい。
各章は一度に読み切れる。読みながら、主要な議論を番号つきの前提として書き出し、自分ならどの前提を退けるかを決めよう。著者たちの気取らない文体のせいで、議論がどれほど注意深く組み立てられているかを見落としやすい。各章末の読書案内を使って、ジョン・ペリーのアンソロジーに収められた人格の同一性に関する文献のような古典的な一次文献を探すとよい。
