01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Loux, M. J., & Crisp, T. M. (2017). Metaphysics: A Contemporary Introduction (4th ed.). Routledge.
章の要約
第 4 版は Routledge の「現代哲学入門」シリーズに属し、約 360〜370 ページある(Routledge は 372 ページ、Google Books は 356 ページとする)。四つの版の序文と序論に始まり、十一の章が続き、参考文献と索引で終わる。出版社は「使いやすい形式」を挙げ、主要な話題をまとめた章の概観、難しい概念を明らかにする具体例、注釈付きの推薦図書、後注を特徴とする。以下の要約は章題と出版社の紹介文に基づく。目次には章内の節は載っていない。
第 1–2 章:普遍者の問題 I——形而上学的実在論/普遍者の問題 II——唯名論
本書は、出版社の話題一覧の筆頭に挙がる普遍者の問題から始まり、これに二章を充てる。第 1 章が実在論の側を、第 2 章が唯名論の側を提示するため、この二章は論争の形に組まれている。出版社は、著者らが可能なかぎり現代の見解をその古典的な源泉に結びつけているとも述べている。
第 3 章:具体的個物 I——基体、束、実体
焦点は普遍者から身近な個々の事物へ移る。章題は、具体的個物とは何かについての三つの説明を挙げている。性質を担う基体、性質の束、そして実体である。これは出版社が挙げる「個体化の問題」、すなわち何がある個物をその個体たらしめるのかという問いに対応する。
第 4 章:命題とその近隣
この章は命題と関連する抽象的存在者を扱い、出版社の挙げる「抽象的存在者の本性」に対応する。「その近隣」という言い方は、同種の他の対象も考察されることを示している。
第 5–7 章:必然と可能/因果/時間の本性
ここでは三つの話題がまとめられる。様相(必然性と可能性)の本性、因果、そして時間である。出版社は様相と時間を扱う話題に含め、時間を「時間を通じた同一性」とは別の主題として扱っている。因果は独立の一章である。
第 8–9 章:具体的個物 II——時間を通じた持続/具体的個物 III——部分と全体
さらに二つの章が具体的個物に戻る。前者は対象が時間を通じてどう持続するかを問い(出版社の言う「時間を通じた同一性」)、後者は部分と全体を扱う。出版社によれば、部分と全体の章は第 4 版で新たに加わった。
第 10 章:形而上学的不確定性
これは第 4 版で新たに加わった二つ目の章である。出版社はこの話題を形而上学的不確定性、すなわち曖昧性と説明している。
第 11 章:反実在論の挑戦
最終章は実在論と反実在論の論争に向かう。章題は、反実在論を、それまでに展開された実在論的立場への挑戦として位置づけている。
主要概念
第 1–4 章
- 普遍者:性質や種が、多くの事物に共有されるものとして存在するかどうかという問題(第 1–2 章)。
- 実在論と唯名論:最初の二章が軸とする二つの対立する答え。
- 基体、束、実体:第 3 章が挙げる、具体的個物の本性についての三つの説明。
- 命題:第 4 章で扱われる、真偽の抽象的な担い手。
第 5–10 章
- 様相:独立した主題としての必然性と可能性(第 5 章)。
- 因果:原因と結果の関係(第 6 章)。
- 時間を通じた持続:一つの対象が変化を通じて同じでありうる仕方(第 8 章)。
- 部分と全体:構成の関係(第 9 章、この版で追加)。
- 形而上学的不確定性:曖昧性が世界そのものに属するかどうか(第 10 章、この版で追加)。
第 11 章
- 実在論と反実在論:世界が、それについての私たちの思考や言語から独立に存在するかどうか。
批判的分析
長所
- 論争に基づく構成。 いくつかの章は対になっていたり連続していたりして、対立する立場が出会うようになっている。第 1–2 章の実在論と唯名論、そして第 3 章の章題から見て取れる、具体的個物についての三つの説明の並置である。これは、形而上学を共通の問題に対する競合する答えとして見る助けになる。
- 教育上の工夫。 出版社は、章の概観、難しい概念のための具体例、注釈付きの推薦図書、後注、完全な参考文献を挙げている。
- 哲学史とのつながり。 出版社によれば、著者らは可能なかぎり現代の見解をその古典的な源泉に結びつけており、哲学史をすでに学んだ読者の助けになる。
- 評価。 Dana Delibovi は Teaching Philosophy 誌で本書を評し(出版社のページに引用がある)、第 4 版を大学院生と上級の学部生にとって価値あるテキストとしている。これは出版社が提示する一つの書評抜粋にすぎない。
短所
- ある程度の哲学の素養を前提とする。 出版社は、本書が哲学入門の科目を終えた学生向けだとしており、最初の一冊ではない。
- 扱う話題は選択的である。 出版社の挙げる話題は、普遍者、抽象的存在者、個体化、様相、時間、部分と全体、不確定性、実在論と反実在論である。他の形而上学の本が扱う自由意志、人格の同一性、神の存在などは目次に現れない。
- 独立した評価の証拠が乏しい。 出版社のページにある書評抜粋は上記の一つだけであり、本書が授業でどう機能するかについての主張は、一つの典拠と出版社自身の紹介に依っている。
コースにおける位置づけ
Loux と Crisp の本は、分析形而上学の中心的な問題を、入門書と専門文献のあいだの水準で概観する。Stephen Mumford の Metaphysics: A Very Short Introduction と Earl Conee・Theodore Sider の Riddles of Existence は、より易しい最初の本である。Mumford は日常的な事物について単純な問いを立て、Conee と Sider は人格の同一性から普遍者や必然性まで、パズルに沿って進む。Peter van Inwagen の Metaphysics も哲学の予備知識を前提とせず、神の存在、理性的存在者の本性、意志の自由など別の範囲の問いについて明確な立場を擁護する。Loux と Crisp は、事物の構造や存在論、様相により重点を置く。
さらに学ぶ場合、第 5 章の必然と可能の扱いは、このコースの二つの上級書へつながる。Saul Kripke の Naming and Necessity と David Lewis の On the Plurality of Worlds である。前者は固定指示子とア・ポステリオリな必然性を扱い、後者は様相実在論を擁護する。
本書の使い方
本書は、哲学入門を終えて形而上学を体系的に学びたい学生や、分野の概観を必要とする大学院生に向く。出版社は、それ以外の予備知識を条件として挙げていない。
一学期の計画としては、章を順に読むのが妥当である。最初の二章の普遍者についての議論が、後の章が前提とする語彙(性質、種、実在論と唯名論)を与えるからである。第 3 章と第 8–9 章は、対象、持続、構成をめぐる自然なまとまりをなし、一緒に読める。第 5、6、7 章はほぼ独立しており、シラバスに合わせて順序を入れ替えられる。第 11 章は、本書全体にわたって実在論の問題を見直すため、最後に読むのがよい。
各章の概観をまず読み、次に本文、そのあと関心に応じて注釈付きの推薦図書に進む。短い講義にしたい場合は、新しく加わった第 9 章と第 10 章を任意とすることができる。
