01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
West, D. (2010). Continental Philosophy: An Introduction (2nd ed.). Polity Press.
章の要約
第2版は、ウェスト(West)の An Introduction to Continental Philosophy(1996)を全面的に更新し、増補したものである。両版の序文、八つの章、注、参考文献、索引からなり、目録によって異なるが、およそ350〜375ページである。出版社は本書を、啓蒙以来の大陸哲学を一つの全体的な物語の中に各思想家を位置づけて叙述するものと紹介している。出版社が引用するウィリアム・R・シュローダー(William R. Schroeder)のコメントは、ウェストがこの伝統を、啓蒙的合理主義への反応であり、解放の政治の潜在的な基礎であると読んでいると述べる。
第1章:序論――大陸哲学とは何か
冒頭の章は、この呼称の意味を問う。出版社の目次はこの章に節を挙げておらず、歴史的な諸章に先立って置かれている。
第2章:近代性、啓蒙、そしてその大陸的批判者たち
四つの節がある。「近代性から啓蒙へ」「カントの批判哲学」「啓蒙の大陸的批判者たち」「ヘーゲル的総合」。この章が以降の出発点を与え、カントとヘーゲルにはそれぞれ独立した節が充てられている。
第3章:解放の弁証法――マルクス、フランクフルト学派、ハーバーマス
「フォイエルバッハ、マルクス、マルクス主義」「フランクフルト学派の批判理論」「ハーバーマスと批判理論の刷新」。この章は、フォイエルバッハとマルクスからハーバーマスへと至る解放の思想の系譜をたどる。
第4章:歴史主義、解釈学、現象学
ディルタイの生の哲学と解釈学、フッサールと現象学、ハイデガーの存在の現象学、ガダマーと解釈学の普遍性、そしてハンナ・アーレントの政治的行為の現象学。
第5章:理論を越えて――キルケゴール、ニーチェ、実存主義
三つの節で、セーレン・キルケゴール、フリードリヒ・ニーチェ、ジャン=ポール・サルトルとフランス実存主義を扱う。出版社の紹介は、詳しく論じられる思想家にボーヴォワールも挙げている。
第6章:主体を越えて――構造主義とポスト構造主義
「主体の脱中心化」「ヒューマニズムとの決別」「フーコーの主体の系譜学」「デリダによる西洋形而上学の脱構築」。
第7章:ポストモダニズム
「ポストモダニズムの諸相」、啓蒙と近代性への哲学的批判および西洋社会の一段階としてのポストモダニティ、そして「差異の政治と他者の倫理」。出版社の紹介は、詳しく論じられる思想家の一人にリオタールを挙げている。
第8章:根本的な離脱
この版で加わった章である。「歴史の終わりの後に」、「政治的なものの回帰」(アガンベン、ナンシー、ラクー=ラバルト)、イデオロギーの分裂した主体についてのジジェク、そして「アラン・バディウの出来事において」。叙述を21世紀へと延ばす。
主要概念
第1〜3章:近代性、啓蒙、批判理論
- 近代性と啓蒙:出発点となる枠組みで、カントの批判哲学、啓蒙の大陸的批判者たち、ヘーゲル的総合についての節が置かれている。
- 批判理論:マルクスからフランクフルト学派を経て、ハーバーマスによるその刷新に至る系譜。
第4〜5章:解釈、現象学、実存
- 解釈学:ディルタイからガダマーに至る、哲学的方法としての解釈。
- 現象学:フッサールの企てと、ハイデガーの存在の現象学。
- 実存主義:キルケゴールとニーチェからサルトルへとつながる系譜。
第6〜8章:構造、差異、現代
- 主体の脱中心化:構造主義とポスト構造主義における主体への問い直しで、「主体の脱中心化」と「ヒューマニズムとの決別」の節で扱われる。
- 差異の政治と他者の倫理:ポストモダニズムの章が節の題で挙げている主題。
- 政治的なものの回帰:第8章でアガンベン、ナンシー、ラクー=ラバルトを論じる際の見出し。
批判的分析
長所
- 一貫した物語。 出版社は、本書が各思想家を啓蒙以来の大陸哲学についての一つの叙述の中に位置づけると強調しており、章の順序(カントとヘーゲル、マルクス、解釈学と現象学、実存主義、構造主義、ポストモダニズム)もそれに沿っている。読者は一次文献に出会う前に地図を得られる。
- 多彩な顔ぶれと名前のついた節。 目次は主要な思想家のそれぞれに節を与えている。カント、マルクス、ディルタイ、フッサール、ハイデガー、ガダマー、アーレント、キルケゴール、ニーチェ、サルトル、フーコー、デリダなどである。本書のどの部分を参照すればよいかがすぐに分かる。
- 読みやすさ。 Sociological Review はウェストの語りの巧みさを称え、模範的な入門書と呼び、International Philosophical Quarterly は難解な文献への明快な案内と評し、Teaching Philosophy は文章がよく、周到に調べられていると述べている(いずれも出版社のページに引用された評)。
- 現在まで及ぶ範囲。 新しい最終章は概観を近年の研究にまで延ばし、アガンベン、ナンシーとラクー=ラバルト、ジジェク、バディウの節を含む。
短所
- 概観であり、精読ではない。 400ページに満たない本の中で、多くの思想家には一章ではなく一節が与えられるにとどまる。一次文献の枠組みを提供するもので、代わりにはならない。
- 導きとなる主張がある。 シュローダーによれば、ウェストはこの伝統を啓蒙的合理主義への反応、解放の政治の基礎として読んでおり、最終章では近年の人物への批判もある。中立的な目録を求める読者は、本書を一つの解釈として扱うべきである。
- 分析哲学との分裂を扱う章がない。 目次には大陸哲学と分析哲学の分裂に関する項目がない。このコースのサイモン・クリッチリー(Simon Critchley)の本は、まさにこの問いを軸に書かれている。
- 目録上の情報が一致しない。 Wileyはペーパーバックを376ページ、2011年1月としているのに対し、米国議会図書館の記録は354ページ、2010年である。ページを指定する前に手元の版を確かめること。
コースにおける位置づけ
このコースでは、ウェストの本は歴史的な概観を担う。サイモン・クリッチリーの Continental Philosophy: A Very Short Introduction ははるかに短く、大陸哲学とは何か、なぜ分析哲学と対置されるようになったかを論じるので、最初に読むか併読し、ウェストのより長い叙述で肉付けするとよい。サラ・ベイクウェル(Sarah Bakewell)の At the Existentialist Café は、伝記と解説を組み合わせた現象学と実存主義の物語的な歴史で、ウェストの第4・5章の一部をより個人的な語り口で扱っている。
コースの一次文献は、ウェストの各章がその準備をするものである。ニーチェの Beyond Good and Evil(第5章)、ハイデガーの Being and Time(第4章)、ヘーゲルの Phenomenology of Spirit(第2章のヘーゲルの節を参照)である。まずウェストの該当章で思想家を位置づけ、次に一次文献を読み、再びウェストに戻って、その叙述が自分の発見と合うかを確かめるとよい。
本書の使い方
出版社は本書を、大陸哲学の授業、およびこの伝統の主要人物を扱う人文・社会科学の授業のための入門テキストとして紹介している。大陸哲学の予備知識は前提とされず、一般的な哲学の授業か観念史の授業を受けていると役立つ。
実践的な進め方は次のとおり。
- 中核: 第1・2章で方向をつかみ、次に読んでいる思想家や運動に対応する章を読む。
- 哲学の授業: ヘーゲル、ハイデガー、ニーチェを読む前に第2・4・5章を、フーコーやデリダを読む前に第6章を読む。
- 社会科学の学生: 第3・6・7章と、政治思想家を扱う最終章。
- 選択的に: 最新の章である第8章と、さらに読み進めるための注および参考文献。
各節を、一次文献を読む前のブリーフィングとして使い、読んだあとに戻ること。各思想家が啓蒙にどう答え、あるいはどう批判するかを記録しておく。本書の叙述はその関係の上に築かれているからである。ある章の解釈に異論の余地を感じたら、一次文献ともう一冊の入門書に照らして確かめること。
