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Neuroanatomy and Neuroscience at a Glance(一目でわかる神経解剖学と神経科学) cover

医学

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Neuroanatomy and Neuroscience at a Glance(一目でわかる神経解剖学と神経科学)

Roger A. Barker; Francesca Cicchetti; Emma S. J. Robinson

英語原題: Neuroanatomy and Neuroscience at a Glance

図と簡潔な説明を組み合わせた見開き形式で示す、神経系の構造と機能への視覚的な入門書です。神経解剖学を細胞神経科学、神経伝達物質、脳と脊髄の機能系と結びつけ、それらを一般的な神経疾患と関連づけています。

前提知識: 基礎的な細胞生物学と生理学の知識が必要です。神経科学の既習は必要ありません。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
neuroanatomyneurosciencenervous systemillustrated review教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Barker, R. A., Cicchetti, F., & Robinson, E. S. J. (2017). Neuroanatomy and Neuroscience at a Glance (5th ed.). Wiley-Blackwell.

章の要約

第5版は約190ページで、8部・66章からなる。シリーズおなじみの構成で、各章は見開き2ページを占める。ラベル付きの図を1ページ全体に配し、向かいのページに太字の用語を含む箇条書きの簡潔な本文を置き、関連項目は章番号で相互参照される。見本の章は短い「Did you know?」のコラムで終わる。この版は2018年に英国医師会(BMA)の Student Textbook of the Year を受賞しており、コンパニオンサイト(ataglanceseries.com/neuroscience)では臨床症例、多肢選択問題、復習用スライド、フラッシュカード、図のダウンロードが提供されている。

第1部:解剖学的・機能的構成(第1–11章)

神経系の発生/神経系の構成/自律神経系/腸管神経系/髄膜と脳脊髄液/中枢神経系の血液供給/脳神経/脳幹の解剖/脊髄の構成/大脳皮質と視床の構成/視床下部。見本として公開されている発生の章は、神経板と神経管から、脊髄の翼板と基板、大脳皮質の放射状単位による形成を経て成人の神経新生へと進み、最後に無脳症、二分脊椎、皮質形成異常などの発生異常を取り上げ、水頭症やてんかんの章へと関連づけている。

第2部:細胞と神経生理学(第12–21章)

神経系の細胞I:ニューロン/神経系の細胞II:神経膠細胞/イオンチャネル/静止膜電位と活動電位/神経筋接合部とシナプス/神経伝導とシナプス統合/神経伝達物質、受容体とその経路/主な中枢神経系の神経伝達物質とその機能/骨格筋の構造/骨格筋の収縮。この部は以降のすべての土台となる細胞レベル・電気的な基礎を扱い、骨格筋に2章を割いている。

第3部:感覚系(第22–34章)

感覚系の概観/感覚の変換/視覚系に関する3章(眼と網膜、視覚路と皮質下の視覚領域、視覚皮質領域)/聴覚系に関する2章(耳と蝸牛、聴覚路と言語)/前庭系/嗅覚と味覚/体性感覚系/痛覚に関する2章(侵害受容器と侵害受容経路、薬理と管理)/連合皮質:後部頭頂皮質と前頭前皮質。

第4部:運動系(第35–42章)

運動系の構成/筋紡錘と下位運動ニューロン/脊髄の運動構成と歩行運動/皮質運動野/一次運動野/大脳基底核:解剖と生理/大脳基底核:疾患とその治療/小脳。運動系を脊髄レベルから皮質、大脳基底核、小脳へとたどり、大脳基底核の疾患と治療に1章を当てている。

第5部:認知と神経可塑性(第43–49章)

網様体と睡眠/辺縁系と長期増強/記憶/情動、動機づけと薬物依存/神経可塑性と神経栄養因子に関する2章(末梢神経系、中枢神経系)/神経系の研究手法。最後の研究手法は、出版社によればこの版で拡充された分野である。

第6部:応用神経生物学:神経学と精神医学の原理(第50–65章)

神経学的問題をもつ患者へのアプローチ/神経系の診察/神経系の検査/中枢神経系の画像診断/感覚系の臨床的障害/運動系の臨床的障害/眼球運動/神経化学的障害に関する3章(感情障害、統合失調症、不安)/神経変性疾患/神経生理学的障害:てんかん/神経免疫疾患/神経遺伝性疾患/脳血管障害/神経放射線解剖学。本書の臨床部分であり、患者へのアプローチ、診察、検査の方法を述べたうえで、神経疾患・精神疾患の主要な群を扱う。

第7–8部:神経科学的発見の歴史/自己評価用の症例

第66章「神経科学における歴史的発見」が単独で第7部を構成する。第8部は設問付きの症例と、別にまとめられた解答からなる。

主要概念

第1部:解剖学的・機能的構成

  • 神経管の発生:神経板が折れ曲がって融合し、脳と脊髄を生じる過程。これがうまくいかないと二分脊椎などの欠損が生じる。
  • 髄膜と脳脊髄液:中枢神経系を包む膜と、その内部にある液体の系。
  • 脳幹と脳神経:ほとんどの脳神経が脳に出入りする領域の解剖。

第2部:細胞と神経生理学

  • 静止膜電位と活動電位:イオンチャネルがニューロンの電気的状態をつくり、変化させる仕組み。
  • シナプス統合:シナプスへの入力が組み合わさり、ニューロンが発火するかどうかを決める過程。
  • 神経伝達物質と受容体:中枢神経系の化学的信号とその経路。

第3–4部:感覚系と運動系

  • 感覚の変換:受容器が刺激を神経信号に変えること。
  • 侵害受容経路:痛みの信号の経路。続く章でその薬理と管理を扱う。
  • 下位運動ニューロンと筋紡錘:反射と運動を担う脊髄の仕組み。
  • 大脳基底核と小脳:運動を形づくる二つの系。大脳基底核の疾患は独立した章で扱われる。

第5部:認知と神経可塑性

  • 長期増強:辺縁系や記憶とともに論じられる、シナプスの持続的な強化。
  • 神経栄養因子:末梢・中枢神経系でニューロンの生存と可塑性を支える分子。

第6部:応用神経生物学

  • 神経学的診察と検査:患者を診察し、検査や画像診断を選ぶ臨床的方法。
  • 神経化学的障害:感情障害、統合失調症、不安をその神経化学から扱う。
  • 神経変性疾患と脳血管障害:脳を進行的に、あるいは血液供給を通じて損なう主要な疾患。

批判的分析

長所

  • 解剖、生理、薬理、臨床を1冊の薄い本に。 出版社は本書を神経系の解剖学、生化学、生理学、薬理学を扱うものと説明しており、目次もそれを裏づける。細胞神経生理学、神経伝達物質、薬物治療(痛み、大脳基底核疾患、精神疾患)が、肉眼解剖学やまとまった臨床部分と並んでいる。
  • 一貫した、復習しやすい形式。 各項目は見開き2ページに収まり、1ページ分の図、箇条書きの本文、太字の用語を備えるため、拾い読みしやすく、試験前に読み返しやすい。
  • 充実した相互参照。 見本の章は後続の章(髄膜、てんかん、記憶、うつ病)を繰り返し参照しており、短い見開きが神経系の一つの地図に結びつけられている。
  • 自己評価の仕組み。 第8部の解答付き症例と、コンパニオンサイトの症例・多肢選択問題によって、理解度を確認できる。

短所

  • 深さより広さ。 200ページ足らずに66項目を収めるため、1項目あたりほぼ見開き1つである。見本の章自体、まれな遺伝性の発生異常は本書の範囲外としている。本格的な神経科学や神経解剖学の教科書の代わりにはならない。
  • ノートのような密度の高い文章。 箇条書きの文体は復習には向くが、活動電位のような仕組みに初めて接する読者には、別の本でのより丁寧な説明が必要になるだろう。
  • 版の年代。 第5版は2017年のものであり、薬物療法や画像診断の章はその時点の診療を反映している。

コースにおける位置づけ

この神経科学のコースでは、本書は主教科書ではなく、コンパクトな副読本である。最も近い選択肢は Crossman の Neuroanatomy: Illustrated Colour Text で、同じく短く図版中心だが、解剖学的な部位と系統だけで構成され、構造と損傷の影響に焦点を絞っている。これに対し本書は、細胞神経生理学、神経伝達物質、認知、精神医学まで扱う。細胞レベルや系統レベルの科学を詳しい説明で学びたい学生は、Bear、Connors、Paradiso の Neuroscience: Exploring the Brain、Casey Henley の無料の Foundations of Neuroscience、より包括的な Purves らの Neuroscience といった本格的な入門教科書で学び、本書を各項目の整理に使うとよい。

臨床神経解剖学については、第6部が Snell's Clinical Neuroanatomy や Blumenfeld の症例ベースの Neuroanatomy through Clinical Cases が詳しく展開する内容の予習になる。特に Blumenfeld は病歴と診察から病変部位を推定する訓練を行うが、本書はその入口を示すにとどまる。神経薬理の章は、Nestler らの Molecular Neuropharmacology や Cooper、Bloom、Roth の The Biochemical Basis of Neuropharmacology へと自然につながる。一方、Dayan と Abbott の Theoretical Neuroscience や From Neuron to Brain のような定量的・実験的な扱いは、本書のねらいをはるかに超えている。

本書の使い方

出版社は、神経解剖学や神経科学の授業を始める学生向け、また臨床研修中の参考書として本書を位置づけている。細胞生物学と生理学の基礎を前提とし、神経科学の予備知識は不要だが、膜電位が何かをすでに知っていれば速く進める。

実践的な使い方:

  • 講義と並行した1周目: 第1部と第2部を順に読む。解剖学的な配置と細胞の章が残りすべての土台になるからである。各見開きは対応する講義や教科書の章の後に使い、主要な図を記憶から描き直す。
  • 系統: 第3部と第4部は本格的な教科書の対応する章と合わせて進める。痛覚と大脳基底核の章は、経路と薬物治療を結びつけるのに適した箇所である。
  • 認知: 第5部は選択的に読んでよい。研究手法を扱う第49章は、研究プロジェクトの前に読んでおく価値がある。
  • 臨床の学年: 医学生にとっては第6部が中核である。疾患の章の前に第50–53章(アプローチ、診察、検査、画像診断)を読み、第65章の神経放射線解剖学は実際の画像とともに使う。
  • 任意: 歴史的発見を扱う第66章は背景知識として読む。

各部の終わりには第8部の該当する症例とコンパニオンサイトの問題に取り組み、よくわからない解答は見開きだけに頼らず、より詳しい教科書で確認するとよい。