01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Vanderah, T. W. (2024). Katzung's Basic & Clinical Pharmacology (16th ed.). McGraw Hill.
章の要約
範囲とアプローチ
本書は長い歴史を持つ薬理学の教科書の第16版で、現在はトッド・W・ヴァンデラ(Todd W. Vanderah)が編集している。フルカラーの総合的な一冊で、薬物作用の科学を示したうえで、その患者への使用に繰り返し立ち戻る。臨床的な関連を保つため、薬物の臨床的な選択と使用、およびその効果のモニタリングに関する内容を含み、症例研究を通じて臨床上の問題を提示する。全体は薬物群ごとに構成され、各群の代表薬(プロトタイプ)が重視される。出版社は、この構成が薬理学コースのシラバスに沿っていると述べている。
一つの章の構成
各章は症例研究で始まり、その領域の薬物群と代表薬を扱い、主要な点を凝縮した要約表と図で終わる。この繰り返される構成により、読者はまず臨床上の問いに出会い、次にそれに関わる薬物の作用機序と用途を学び、最後に復習用の簡潔なまとめを得る。
基本原理
本書は薬理学の基本原理、すなわち薬物がどのように作用し、体がどのように薬物を扱うかという一般的な概念から始まる。これらの章は、残りの部分が拠り所とする用語と考え方を与えるもので、最初に読むべき部分である。
器官系に作用する薬物
本書の本体は、体の領域ごとに薬物群を順に扱う。取り上げられる領域には、自律神経系薬と心血管・腎臓系薬がある。各領域で代表薬、その作用機序、臨床での使用が示される。
第16版の新しい点
第16版では、カンナビノイドに関する章、USMLE形式の問題、新しい薬物表、重要な新薬の説明が加わった。本書には約330のフルカラー図版と100の薬物表がある。
主要概念
本書の範囲に挙げられている主題領域
- 薬物群と代表薬:代表的な薬物を通して一つの群を理解し、関連する薬物について推論できるようにする。
- 基本原理:後のすべての部分の土台となる薬物作用の一般概念。
- 自律神経系薬と心血管・腎臓系薬:扱われている主要な治療領域のうちの二つ。
- 臨床での選択・使用・モニタリング:患者にどのように薬が選ばれ、その効果がどう追跡されるか。
- 症例に基づく学習:各章は臨床上の問題から始まる。
- 要約表と図:各章の終わりにある、凝縮された復習資料。
批判的分析
長所
- 基礎科学と臨床使用の統合。 作用機序と処方の判断を組み合わせているため、薬がなぜ効くのかを理解し、いつ使うかを決めなければならない学生に向く。
- 予測しやすい章構成。 冒頭の症例研究と末尾の要約表により、各章に入りやすく、復習もしやすい。
- コースに沿った構成。 本書の順序が典型的な薬理学コースのシラバスを反映しているため、講義と並行して、ほとんど組み替えなしに使える。
- 新しさ。 新しいカンナビノイドの章と重要な新薬の説明により、内容が最近の実践に追いついている。
短所
- 大きさ。 総合的な参考書であるため長く、薬理学の最初の概観が欲しい学生には、より短い教科書のほうが取りかかりやすいかもしれない。
- 問題演習は限られる。 この版にはUSMLE形式の問題が50問掲載されている。問題演習に頼って復習する学生は、別に問題集が必要になるだろう。
- 代表薬のアプローチ。 一つの代表薬を通して群を教える方法は整理に役立つが、同じ群の個々の薬の違いについては、薬物表や他の参考書に当たる必要がある。
コースにおける位置づけ
薬理学のコースでは、本書は総合的で臨床に根ざした参考書である。ニール(Neal)の『Medical Pharmacology at a Glance』は見開きで構成された短い視覚的入門書、ストリンガー(Stringer)の『Basic Concepts in Pharmacology』は薬物群を軸にした短い本で、どちらもより穏やかな出発点になる。ブレンナーとスティーブンス(Brenner and Stevens)の『Pharmacology』は中程度の長さの教科書で、各群を作用機序、薬物動態、臨床での用途、有害作用、相互作用から示す。ラングとデール(Rang and Dale)の『Pharmacology』は系統別の教科書で、薬物が生物学的標的とどう相互作用し、なぜ有害作用が起こるのかを説明しており、完全な説明を求める読者にとって最も近い比較対象である。
医学・薬学・歯学の学位課程の後半の年次や、免許試験の準備を通じて手元に置いておく参考書としては、Katzungが向いている。
本書の使い方
薬理学のコースや臓器系統合カリキュラムを受ける医学・薬学・歯学・看護学の学生、臨床に根ざしたテキストが必要な薬理学の大学院生、薬物群を一冊で復習したい研修医に向く。生理学と生化学の知識が前提で、病理学の知識があると役立つ。
実際的な進め方:
- 基本原理から始める。 どの薬物群の章よりも先に、薬物がどう作用するかを述べた冒頭部分を読む。
- コースの順序に従う。 本書は薬理学のシラバスのように構成されているので、対応する講義のまとまりが教えられる時期に各章を読む。
- 各章は症例研究から始める。 読む前に臨床上の問題について推論を試み、その後で本文と照らし合わせる。
- 代表薬を先に学ぶ。 各薬物群でまず代表薬を習得し、ほかのメンバーがどう違うかに注目する。
- 要約表で復習する。 章末の表と図を復習に使い、薬物表は参照用に使う。
