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Goldman-Cecil Medicine(ゴールドマン・セシル内科学) cover

医学

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Goldman-Cecil Medicine(ゴールドマン・セシル内科学)

Lee Goldman; Kathleen A. Cooney

英語原題: Goldman-Cecil Medicine

Lee GoldmanとKathleen A. Cooneyが編集し、各分野の専門家が執筆した全2巻の包括的な内科学参考書。医療実践の原則を示したうえで、あらゆる内科領域の疾患を、病態生理と臨床像から診断、治療、予後まで、要約表やアルゴリズムを用いて扱う。

前提知識: 基礎医学と中核的な臨床教育の修了。Davidson'sのような一般内科の教科書を学んでいること。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
internal medicineclinical medicinediagnosistherapeuticsmedical specialties参考書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Goldman, L., & Cooney, K. A. (Eds.). (2023). Goldman-Cecil Medicine (27th ed.). Elsevier.

章の要約

第27版は2巻構成で約3,040ページ、30の部と409の章からなる。部は臓器系や専門領域ごとに編成され、多くの部は「患者へのアプローチ」(Approach to the patient)の章で始まり、そのあと個々の疾患に進む。

第I~II部:医学における社会的・倫理的問題、評価と管理の原則(第1~11章)

冒頭の部は診療の枠組みを示す。医学と患者へのアプローチ、生命倫理、緩和ケア、健康格差とグローバルヘルスに続き、病歴と身体診察、異常なバイタルサイン、臨床判断のためのデータの統計的解釈、健康と医療の測定、質・安全・価値、集団の健康が扱われる。

第III~IV部:予防と環境の問題、年齢別医学と老年医学(第12~24章)

予防(予防的健康診察、食事と栄養、身体活動、予防接種)と並んで、職業医学、気候変動、放射線障害、バイオテロ、慢性中毒といった環境の話題がある。そのあと思春期医学、加齢の疫学、高齢者総合評価、加齢に伴う一般的な臨床的帰結が続く。

第V~VII部:臨床薬理学、遺伝学、免疫学と炎症の原理(第25~38章)

臓器系の部の前に、領域横断的な基礎が置かれている。薬物療法の原則、疼痛、依存、免疫調節薬と生物学的製剤、遺伝学の原理、臨床ゲノム学、再生医療と遺伝子治療、そして自然免疫と獲得免疫、組織損傷と修復、補体系、移植免疫である。

第VIII~IX部:心疾患、血管医学(第39~70章)

循環器の部は、心血管疾患が疑われる患者へのアプローチから始まり、心電図、心エコー、画像診断を経て、心不全、不整脈、成人先天性心疾患、冠動脈疾患、弁膜症、感染性心内膜炎、心膜疾患へと進む。血管の部は、大動脈疾患、動脈性高血圧、末梢動脈疾患、血栓症、肺高血圧、抗血栓療法を扱う。

第X~XI部:呼吸器疾患、集中治療医学(第71~99章)

呼吸器の章は、画像、呼吸機能検査、喘息、COPD、嚢胞性線維症、間質性肺疾患と職業性肺疾患、肺炎、インターベンションと外科的アプローチを扱う。集中治療の部では、急性呼吸不全、人工呼吸、ショック症候群、熱・寒冷による障害、中毒、外傷、毒液による咬刺傷、横紋筋融解症が加わる。

第XII~XIV部:腎・泌尿生殖器疾患、消化管疾患、肝胆道系疾患(第100~141章)

腎の部には、ナトリウム・水・カリウム・酸塩基の異常、急性および慢性腎臓病、糸球体疾患が含まれる。消化管および肝胆道の部は、内視鏡、出血、運動障害から、炎症性腸疾患と膵炎を経て、肝炎、肝硬変、肝不全、胆嚢疾患へと進む。

第XV~XVI部:血液疾患、腫瘍学(第142~188章)

血液学は造血と末梢血塗抹から始まり、貧血、白血球異常と出血性疾患、輸血医学、造血細胞移植が続く。腫瘍学は、がん患者へのアプローチ、がんの疫学、がんの生物学と遺伝学で始まり、そのあと白血病から皮膚がんまで部位別の章に進む。

第XVII~XIX部:代謝疾患、栄養疾患、内分泌疾患(第189~218章)

先天代謝異常、脂質異常、蓄積症、鉄過剰のあとに、栄養不良、微量栄養素、摂食障害、肥満が続く。内分泌の部は、下垂体、甲状腺、副腎、糖尿病、低血糖、性分化、トランスジェンダー医療、生殖内分泌を扱う。

第XX~XXIII部:女性の健康、骨・ミネラル代謝疾患、アレルギーと臨床免疫学、リウマチ性疾患(第219~255章)

女性の健康では、避妊、妊娠中の内科的問題、更年期、親密なパートナーからの暴力が扱われる。骨の章には骨粗鬆症と副甲状腺、アレルギーの章にはアナフィラキシーと薬剤アレルギーが含まれ、リウマチの部は検査と画像診断から関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、血管炎、結晶沈着性疾患に及ぶ。

第XXIV部:感染症(第256~352章)

97章を擁する最大の部である。微生物による疾患、ヒトのマイクロバイオーム、抗感染症療法から始まり、発熱、腸管感染、尿路感染、性感染症、渡航に関するアプローチを経て、細菌、抗酸菌、真菌、寄生虫、ウイルスを病原体ごとに扱う。COVID-19には3つの章が割かれている。

第XXV~XXVII部:レトロウイルス、行動医学、神経学(第353~390章)

HIVおよびその他のレトロウイルスに8章(病態生物学から予防、抗レトロウイルス療法まで)があり、そのあとにせん妄、内科診療における精神疾患、タバコ、アルコール、薬物使用が続く。神経学は、頭痛、脳・脊髄損傷、認知症、てんかん、昏睡、睡眠、脳卒中、運動異常症、多発性硬化症、神経系感染症、末梢神経障害、筋疾患、神経筋接合部疾患に及ぶ。

第XXVIII~XXX部:眼・耳・鼻・咽喉疾患、医学的コンサルテーション、皮膚疾患(第391~409章)

最後の部は、視覚系、聴覚と平衡、嗅覚と味覚、咽頭疾患、医学的コンサルテーションの原則、術前評価、麻酔の概観、術後管理、そしてアプローチから毛髪・爪の疾患までの7つの皮膚疾患の章を扱う。

主要概念

第I~VII部:枠組みと領域横断的な基礎

  • 臨床判断のためのデータの統計的解釈(第8章):検査や研究の結果を判断に結びつける方法を扱う章。
  • 質・安全・価値と集団の健康(第10~11章):個々の患者の診療と並ぶ、システムレベルの視点。
  • 薬物療法の原則(第25章)と臨床ゲノム学(第32章):のちの疾患の章が前提とする一般原理。

第VIII~XXX部:臓器系と専門領域

  • 患者へのアプローチ:多くの系統別の部の冒頭にある章で、個々の疾患の詳細に入る前に、症状や所見をどう評価するかを示す。
  • 病態生物学から治療まで:出版社は、各章がテンプレート化された構成で、エビデンスに基づく文献が付くと説明している。
  • 診断手段を独立の章として扱う:心電図、心エコー、呼吸機能検査、内視鏡、リウマチ性疾患の検査にはそれぞれ専用の章がある。

批判的分析

長所

  • 1冊の参考書で広い範囲をカバーする。 30の部、409章で、生命倫理や予防医療から稀な感染症や皮膚疾患までを扱う。Doody'sの評者は、内科学の網羅性が徹底していると述べ、主要な臓器系と集中治療に適切な分量が割かれていると指摘している。
  • 共通の構成。 出版社は実用的でテンプレート化された構成と述べており、特定の疾患だけを調べる読者が、いつも同じ場所に同種の情報を見つけやすい。
  • 検索を前提とした設計。 評者によれば、全文がウェブサイトとモバイルアプリでも利用でき、補助動画が付く。出版社は100本を超える補助動画、心音、重要文献と、版の間の継続的な更新を挙げている。
  • 新しさ。 第27版では、集団の健康、気候変動と健康、徐脈、トランスジェンダー医療、ウィップル病、ポリオーマウイルスの章と、COVID-19の3章が加わった。

短所

  • 入門書というより参考書である。 評者は、本書の狙いをあらゆる段階の医師のための迅速で網羅的な参考書としている。検索に向く幅広さは、通読を現実的でなくする。
  • 分野による分量の偏り。 評者によれば感染症に450ページ以上が使われる一方、倫理、老年医学、女性の健康、行動医学は短い節にとどまるため、これらの分野には専用の資料が必要になることが多い。
  • 大きく持ち運びにくい。 2巻約3,040ページの印刷版は携帯できる学習書ではなく、日常的には電子版が実用的である。

コースにおける位置づけ

Goldman-Cecilは、臨床医学のリストにある2つの大型参考書の1つで、もう1つは『Harrison's Principles of Internal Medicine』である。どちらも成人内科学の全体を扱う。目次の構成は異なる。Goldman-Cecilは第VIII部以降が専門領域別で、薬理学、遺伝学、免疫学の部が臓器系の前に置かれている。一方、Harrisonは、疾患の主要症候(症状と臨床像)を扱う大きな部が巻頭近くにある。

より小さな本を先に読む。『Clinical Medicine: Lecture Notes』は病棟実習を始める学生向けの簡潔な手引きで、病歴、診察、診断を軸に構成されている。『Macleod's Clinical Examination』は病歴聴取と身体診察の技能そのものを教える。『Davidson's Principles and Practice of Medicine』は1巻の内科学教科書で、最初の一通りの学習に向く。『Oxford Handbook of Medical Sciences』は医学の科学的基礎を簡潔にまとめた手引きである。1巻本より深く特定の疾患を知りたい学生や研修医が、これらのあとにGoldman-Cecilを読む。

本書の使い方

基礎医学と基本的な臨床研修を終えた読者、すなわち高学年の学生、研修医、現役の医師を対象とする。最初から順に読むより、問題から入る使い方が適している。

  • 第I~II部から始める。 第6~8章(病歴と身体診察、異常なバイタルサイン、データの統計的解釈)は、日常の臨床推論に最も応用しやすい。
  • まず各系統の「患者へのアプローチ」の章を読む(例:第39、71、100、118、164、202、236、366章)。そのあとで個々の疾患の章に進む。
  • 薬理学、遺伝学、免疫学の部(第25~38章)は、疾患の章がそれらの機序を前提としているときの背景として使う。
  • 第XXIV部は選択的に読む。 感染症へのアプローチを扱う第256~265章を読み、病原体別の章は症例に応じて参照する。
  • 電子版を使う。 検索、動画、心音、そして出版社が提供する定期的な更新を活用できる。