01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Hardy, G. H., & Wright, E. M. (2008). An Introduction to the Theory of Numbers (6th ed.; D. R. Heath-Brown & J. H. Silverman, Eds.). Oxford University Press.
章の要約
第6版は25章からなり、付録、文献一覧、索引があり、アンドルー・ワイルズによる序文と旧版の序文が付く。ハーディとライトは1938年の序文で、本書は体系的な専門書ではなく、整数論の多くの側面への一連の入門であり、変化に富むが深みは乏しく、著者たちが気に入った題材を中心に組まれていると述べる。第1–24章は、ライトが第5版(1979年)のために改訂した著者たちの本文であり、楕円曲線を扱う第25章は第6版で新たに加えられた。1938年の序文によれば、最初の18章は学校で習う以上の知識を前提とせず、あとの6章はもう少し多くを前提とするが、簡単な大学の課程を超えることはない。各章の終わりには注が付く。
第1–2章:素数の系列(1);素数の系列(2)
素数を扱う三つの章のうち最初の二つ。三つ目の第22章は、ずっとあとに置かれている。
第3–4章:ファレイ数列とミンコフスキーの定理;無理数
第3章はファレイ数列とミンコフスキーの基本定理の一つを導入し、第4章は無理数に向かう。
第5–8章:合同式と剰余;フェルマーの定理とその帰結;合同式の一般的性質;合成数を法とする合同式
合同式を扱う四つの章。ある評者は、原始根の存在のような結果が、証明されるずっと前に使われることがあると指摘している。
第9–11章:数の小数表示;連分数;有理数による無理数の近似
これらの章は小数表示、連分数、有理数による無理数の近似を扱う。モーデルの1939年の書評は、小数と連分数を超越数とともに「無理数」の項目にまとめている。
第12–15章:k(1)、k(i)、k(ρ)における算術の基本定理;いくつかのディオファントス方程式;二次体(1);二次体(2)
このまとまりは、因数分解を単純な算術的体に拡張してディオファントス方程式に応用し、そのあと二つの章で二次体を扱う。
第16–18章:算術関数φ(n)、μ(n)、d(n)、σ(n)、r(n);算術関数の母関数;算術関数の位数
これらの章は、おなじみの算術関数、その母関数(ディリクレ級数とべき級数)、位数を扱う。
第19–21章:分割;数の二つまたは四つの平方数による表現;立方数と高次べきによる表現
分割と、平方数・立方数・高次のべきの和としての数の表現。モーデルは、四元数が第20章の途中に現れると指摘している。
第22–24章:素数の系列(3);クロネッカーの定理;数の幾何
第22章は素数に戻る。ブロードベントが指摘したように、第3版以降は、セルバーグによる素数定理の初等的証明を含む。第23章はクロネッカーの定理を、第24章は数の幾何を扱い、これが著者たちによる最後の章である。
第25章:楕円曲線
ジョセフ・H・シルヴァーマンによる新しい章。編者は、これが元のディオファントス方程式の章と自然につながり、整数論の中心となった主題を扱うと述べる。オックスフォード大学出版局の紹介は、これをモジュラー楕円曲線とフェルマーの最終定理の証明に結びつけている。
主要概念
第1–15章:素数、合同式、無理数、体
- 素数:第1・2・22章の三つの章。
- ファレイ数列とミンコフスキーの定理:第3章。
- 合同式:第5–8章。
- 連分数と無理数の近似:第10–11章。
- 二次体と単純な体における一意分解:第12章、第14–15章。
第16–25章:算術関数、加法的問題、幾何
- 算術関数と母関数:第16–18章。
- 分割:第19章。
- 平方数の和と高次べきの和:第20–21章。
- 数の幾何:第24章。
- 楕円曲線:第25章。
批判的分析
長所
- 読みやすい水準での幅広い題材。 バーコフは1939年の書評で、議論は必要とされる技術的知識の点では初等的だが、洞察と徹底性の点では専門的水準にあると述べた。著者自身の序文も、最初の18章は聡明な大学生にとって比較的やさしいと述べている。
- 学問の進展に沿った注。 モーデルは各章末の注を、歴史的にも主題を適切な視野に置く点でも特に価値があると評した。第5版の注はライトが改訂し、第6版では専門家の協力を得て拡充され、現在の研究へ導くものになっている。
- 読みやすく個性的な文体。 モーデルは、さわやかで魅力的な、気持ちよく読みやすい文体の本であり、通読しても拾い読みしてもよいと述べる。イアン・アンダーソンは『The Mathematical Gazette』で第6版を、非常に読みやすく明快だと評した。
- 慎重な第6版。 アンダーソンによれば、編者は第5版の本文を変えず、脚注、ワイルズの序文、楕円曲線の章、そして旧版にはなかった総索引を加えた。
短所
- 体系的な課程ではない。 著者たちは、本書にははっきりした計画がなく、二次形式の理論を省いたと述べる。モーデルは、題目の配置があまり順序に配慮しておらず、証明される前にずっと先で使われる結果があり、個別的な証明も見られると付け加える。
- 深さにむらがある。 序文は変化に富むが深みは乏しいと述べるので、一つの分野を十分に学びたい読者は専門書を必要とする。
- 更新は注にある。 本文は1979年のままなので、近年の進展は議論の中ではなく、脚注と章末の注に現れる。
コースにおける位置づけ
ほかの書目の多くが授業用に書かれた本であるなかで、本書は古典的な参考書的テキストである。最初の授業としては、Joseph Silverman の『A Friendly Introduction to Number Theory』、David Burton の『Elementary Number Theory』、Kraft と Washington の教科書(暗号への応用を含む)が、段階を追って教える演習付きの教科書であり、Robin Wilson の『Number Theory: A Very Short Introduction』は手早い概観を与える。ハーディとライトは、そうした授業のあと、あるいは並行して、証明と歴史的な注釈の源として読むとよい。Ireland と Rosen の『A Classical Introduction to Modern Number Theory』は、ハーディとライトが最後の楕円曲線でようやく触れる代数的・数論幾何的な側面により深く入り込み、両者は互いを補う。
本書の使い方
オックスフォード大学出版局が述べるように、1年次以上の数学専攻の学生で、古典的な題材の豊かな選集を求める人に向き、整数論研究者の参考書としても使える。著者たちの序文は、最初の18章は学校の数学以上を必要としないと述べている。
- 講読の中核: 第1–3章、第5–11章、第16–18章(素数、ファレイ数列、合同式、無理数、連分数、算術関数)。
- 選択的な発展: 二次体の第12–15章、分割とべき和の第19–21章、クロネッカーの定理と数の幾何の第23–24章、楕円曲線の第25章。
- 注を読む: 各章を読んだあとにその章の注を読む。参考文献とその後の進展が書かれている。演習や段階的な問題が欲しいときは、上記の授業向けの教科書と併用する。
